

ブラソバイト(ヴラソフ石)は
29度未満の温度では三斜晶系、
29度を超えると単斜晶系に変わるという面白い鉱物です。
ブラソバイト(ヴラソフ石)について
ブラソバイト(ヴラソフ石)は1961年にロシア北部のコラ半島ヴァヴンベド山で発見されました。
ロシアのコラ半島はナトリウムの豊富なペグマタイトとアルカリ岩石という特殊な地質で、数多くの希少鉱物が発見されています。ナトロライトやユーディアライトもその一つです。
ブラソバイト(ヴラソフ石)の名前の由来
ブラソバイト(ヴラソフ石)を最初に特定した研究者R・P・チホネンコワ(R P Tikhonenkova)とM・E・カザコワ(M E Kazakova)は、ロヴォゼロ高原を研究し、
ロシア・モスクワの「稀有元素鉱物学・地球化学・結晶化学研究所」の設立者でもあるロシアの鉱物学者・地球化学者クズマ・アレクセエヴィチ・ヴラソフ(Kuzma Aleksevich Vlasov)に因んで「Vlasovite」と命名しました。
和名はそのまま「ヴラソフ石」や「ウラソフ石」、「ブラソフ石」です。
ちなみに名前がよく似ているプロソパイトは全く別の鉱物です。
ブラソバイト(ヴラソフ石)の成分
ブラソバイト(ヴラソフ石)はナトリウムとジルコニウムを含む珪酸塩鉱物です。
💎参考記事
「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類
化学組織は
Na2Zr(Si4O11)
と表されます。
参考
Na:ナトリウム Zr:ジルコニウム
Si:珪素 O:酸素
ブラソバイト(ヴラソフ石)の結晶系
結晶系は
29度未満の温度では三斜晶系、
29度を超えると単斜晶系になります。

ブラソバイト(ヴラソフ石)の硬度
モース硬度 6
💎参考記事
ブラソバイト(ヴラソフ石)の劈開
劈開は一方向に明瞭です。
💎参考記事
鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?
ブラソバイト(ヴラソフ石)の色
無色、薄黄色、淡褐色です。
ブラソバイト(ヴラソフ石)の光沢
ガラス光沢・真珠光沢
💎参考記事
ブラソバイト(ヴラソフ石)の石言葉
ブラソバイト(ヴラソフ石)の石言葉は今のところ無いようです。
ユーディアライトから変成して晶出するブラソバイト
ブラソバイト(ヴラソフ石)は低い温度帯でのみ結晶します。
マグマが冷えてできる火成岩では、さまざまな鉱物が晶出します。
最初にペリドットができ、次いで、ダイオプサイト、トパーズやそのほかの長石が結晶していきます。
そして最後、さまざまな元素が結晶化して沈殿したため空洞になった部分に、石英がジオードを作りながら結晶していくのです。
この火成岩と並行してできる深層岩との境界線あたりに、石灰岩などと接することによって変成し、様々な金属元素が溶けた濃密なポイント(スカルン)が発生します。
この中で、まずユーディアライトNa4(Ca,Ce)2(Fe,Mn,Y)ZrSi8O22(OH,Cl)2
が晶出します。
そのユーディアライトが変成して代わりに晶出するのが、ブラソバイト(ヴラソフ石)です。
実際、ユーディアライトを含む原石の中にブラソバイト(ヴラソフ石)が共生しているものも発見されています。

ちなみにユーディアライトから変成してできる鉱物には、
カタプレイアイト Na2Zr(Si3O9)・2H2Oも知られています。
ブラソバイト(ヴラソフ石) 誕生日石
ブラソバイト(ヴラソフ石)は「366日宝石図鑑」で11/1の誕生日石に選ばれました。
ブラソバイトの名前の由来となった
ロシアの鉱物学者・地球化学者クズマ・アレクセエヴィチ・ヴラソフ博士は
1905年11月1日生まれです。
ブラソバイト(ヴラソフ石)の主な産地
ブラソバイト(ヴラソフ石)の主な産地は
・ロシア🇷🇺
・カナダ🇨🇦
・ポルトガル🇵🇹
です。
ブラソバイト(ヴラソフ石)の発見地 ロシアのコラ半島の位置とコラ半島超深度堀削坑
写真はWikiからお借りしました。

















