『キャストライト』「空晶石」 黒い十字架模様が入った天然石
キャストライト

キャストライトは茶色の石に黒い十字架のような模様がある石です。

茶色の部分はアンダリュサイトと同じ鉱物ですがグラファイト (石墨) などが十字状に内包されるとキャストライトになります。

キャストライトは流通名 (商品名) で、

鉱物名はアンダリュサイトです。

十字架の模様があることから「クロスストーン」ともよばれキリスト教の初期から悪霊、呪い、嫉妬や怒りなどの負の感情から守護する力がある石として、聖職者の間で信じられ続けてきました。

キャストライトについて

キャストライトの名前の由来と和名

ギリシャ語で

「直交する線」や「対角線的な配置」を意味する "chiastos" から

キャストライト「chiastolite」と命名されました。

キャストライトの交差線の正体は、グラファイト(石墨)などの炭素質です。

四角い柱状結晶の横断面に、炭素質が入り込み十字の形を作りますが、

このような構造を「空晶石構造(クウショウセキコウゾウ)」と呼びます。

そのことから、キャストライトの和名は空晶石になりました。

はる
空晶石構造を持つ鉱物は他にトラピッチェエメラルドがあります。

参考:トラピッチェエメラルドを使ったアクセサリー


キャストライトの成分

キャストライトはアルミニウムの珪酸塩鉱物です。

化学式は

Al2SiO5

と表されます。

黒い十字の部分はグラファイト(C)などです。

💎参考記事

「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類

キャストライトの硬度

モース硬度 7〜7.5


💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

キャストライトの劈開

一方向に明瞭

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」

劈開が明瞭なことを生かして薄くカットされたもの

キャストライトの光沢

薄くカットすると、ガラス光沢


💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

キャストライトには多色性はない

キャストライトはアンダリュサイト (紅柱石) にグラファイトなどが十字模様に入り込んだ鉱物です。

アンダリュサイトといえば「多色性の王様

基本的に茶色い石ですが同じ光源であっても、見る方向によって、黄色・金・グレー・緑色などに見えます。

キャストライトは不透明なことが多いので多色性は見られません

キャストライトはアンダリュサイトの変種です。

鉱物名はアンダリュサイトです。

キャストライトの石言葉

聖なる約束ごと

キャストライト 誕生日石

キャストライトは12/25の誕生日石です。


💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

はる
十字架のような石は他に
スタウロライト(十字石)もあり、キリスト教の国々で大切にされています。
キャストライトを十字石と和訳している文献があるため混同しがちですが、全く違う石です。

キャストライトの主な産地

キャストライトは

・ブラジル🇧🇷

・中国🇨🇳

・ロシア🇷🇺

・オーストラリア🇦🇺

・スペイン🇪🇸

などで産出されます。

日本でも岩手県岩泉町や京都府和束町などで少量ですが見つかっています。



にほんブログ村

コメント一覧
  1. この度のキャストライトのポストは私の為にポストされました様にて嬉しく思います。
    キャストライトの十字線は炭素質とのこと。
    炭素質と云えば硬質なダイヤモンドの元素と覚えております
    キャストライトの硬度の高さは炭素質との関りからなのでしょうか…
    キャストライトは多色性のアンダリュサイト。然りながらキャストライトは多色性にあらず…
    こちらは“同質異像”と呼ばれるものなのでしょうか
    トラピッチェエメラルドの亀さんの甲羅にも十字…こちらは炭素質によるものなのですね。

    • ありがとうございます♪
      キャストライトはちょっと地味だけどクリスマスの日の誕生日石!
      日本のクリスマスはイルミネーションやクリスマスソングのキラキラ感が強いけれど、世界的にはお祈りと家族団欒の日なのでしょうね。
      お手頃価格で手に入りやすく、大きさも小さいのでお守りとしてお財布などに入れて持ちやすいのもいいです。
      グラファイトはとても硬いのでインクルージョンとして入ると強度が増すようです。
      キャストライトはアンダリュサイトの変種とされます。
      同質異像は化学式が同じだけど結晶構造が違う物をさします。
      アンダリュサイトと同質異像のものはシマナイトやカイヤナイトになります。
      キャストライトはアンダリュサイトにグラファイトなどが入り込んだだけで、結晶構造はアンダリュサイトと同じなので、鉱物としてはアンダリュサイトになります。
      アンダリュサイトの宝石は透明度が高いのですが、アンダリュサイトという鉱物の多くはインクルージョンが入りやすく、透明度が低いものが多いのです。
      透明度が低ければ多色性は期待できなくなります。
      亀さんも科学館に展示されていた物なんですが、綺麗に炭素質が入ったトラピッチェ(車輪という意味)を上手く使っていますね(笑)

  2. こんにちは。アンダリュサイト、アルミニウム・ケイ酸系のものにグラファイトが入り込んで、それが十字型になったものがキャストライトなのですね。
    透明性があるもののほうが珍重・人気がありそうですが、こちらはなんだか魔除け効果ありそうですね。聖職者を中心に人気がある・・なんだかわかる気がします。
    そしてクリスマスの誕生石でもあるのですね。
    というか、もう十二月なことに軽く戦慄∑(゚Д゚)

    • ありがとうございます♪
      12月ですね〜
      年々、歳月が流れるのが早く感じられます。
      アンダリュサイトは多色性もある魅力的な宝石ですが、キャストライトは本当にお守りにしたくなるようなほっこり感がありますね。
      大きさも直径1センチに満たないような物が多いし、色あいも男性にも持ちやすいと思います。

  3. キャストライトは、アンダリュサイトと違って、いつも茶色なのですね。また、いつも十字を作るのは面白いです。
    トラピッチェエメラルドも空晶構造をしているのですね!
    キャストライトを薄くカットするとガラス光沢なのは不思議です。が、透明に近くなるのは嬉しいです!

    • ありがとうございます♪
      アンダリュサイトは宝石質のものは透明度が高いのですが、元からインクルージョンが入りやすい石のようです。
      ですが、スライスしたキャストライトを見るとわかるように全体にガッツリ濃い色が入るというより筋状に何本も着色することによって全体が不透明になるようなので、カットすることによってガラス光沢になるのですね。
      個人的にはスライスしたキャストライトを使ったアクセサリーはとても可愛いと思います。

コメントを残す

クリスタルの関連記事
おすすめの記事