![(131)『古事記』香坂王と忍熊王の反乱 神功皇后は卑弥呼か?](https://i0.wp.com/harusantarott.com/wp-content/uploads/2022/09/811608BD-56E0-4F1E-A74B-428FE512FD0A.jpeg?fit=1920%2C1080&ssl=1)
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これまでのあらすじ
仲哀天皇の皇后である神功皇后は新羅の親征から帰国後、品陀和気(ホンダワケ 後の応神天皇)を出産なさいました。
「古事記」における香坂王と忍熊王の反乱
皇位をめぐる戦いが勃発
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出産を終えた神功皇后は品陀和気命(ホンダワケ 後の応神天皇)と大和に帰ろうとしました。
その時、神功皇后は、
品陀和気の異母兄にあたる、香坂王(カゴサカノミコ)と忍熊王(オシクマノミコ)が後継者争いをしようとしている
という情報をつかみます。
神功皇后と品陀和気を待ち構えて殺害し、天皇の座を奪い取ろうという物です。
仲哀天皇が崩御した後、天下は(胎内から)赤ちゃんの品陀和気(応神天皇)が治めていることになっています。
つまり実質、神功皇后と建内宿禰が天下を治めている状態です。
ですが、香坂王と忍熊王の母方の家の方が天皇家に近い一族ですので、彼らの不満はもっともだといえるでしょう。
そこで、神功皇后は香坂王と忍熊王の目を欺くために、
仲哀天皇の亡骸を運ぶ船を用意し、その喪船に品陀和気を乗せ、品陀和気は死亡したという噂を流しました。
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香坂王と忍熊王は斗賀野(トガノ)で待ち伏せ、戦況を占うウケイ狩りをしました。
すると、怒った大きな猪が現れて、香坂王を食い殺してしまいました。
忍熊王は伊佐比宿禰(イサヒノスクネ)を将軍に立てて郡勢を構えて、神功皇后に攻撃を加えようとしました。
琵琶湖に身を投げた忍熊王
忍熊王が神功皇后に戦いを仕掛けると、皇后も迎え撃ち、忍熊王を劣勢に追い込みました。
忍熊王は一旦敗走しましたが、山城国で軍を立て直し、皇后の軍と一進一退の攻防戦となります。
膠着状態を脱するために、皇后軍が一計を案じます。
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と、偽情報を相手に伝え、忍熊王軍がスキを見せたときに一気に攻めます。
忍熊王軍はチリジリになって逃げますが、皇后軍は逢坂(オウサカ)まで追い、楽浪(ササナミ)で壊滅させました。
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振熊(フルクマ)が
痛手負わずは
鳰鳥(ニオドリ)の
淡海(アフミ)の海に
潜(カヅ)きせなわ
現代語訳
さあ我が将軍よ
振熊の痛手はもうたくさんだ
あの鳰鳥(ニオドリ)のように
近江の海(琵琶湖)に
すっぽり入ってしまおうよ
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忍熊王は伊佐比宿禰(イサヒノスクネ)と共に琵琶湖に入水し、自ら命を絶ちました。
はるさん的補足 神功皇后は卑弥呼か?
「日本書紀」では天皇以外で唯一、神功皇后(169年〜269年)に独立した項目を持って登場させています。
そして「日本書紀」の神功皇后の記述に
倭の女王が魏の皇帝に貢物を贈った。
という「魏志倭人伝」の記事が引用されています。
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そのため、神功皇后が邪馬台国の卑弥呼ではないかという説が生まれました。
卑弥呼は239年に中国・魏の皇帝から「親魏倭王(シンギワオウ)」の称号を与えられた女王です。
呪術で民を支配し、弟が政治を助けたことも記されています。
このことから、
卑弥呼は神功皇后の他に倭比売(日本武尊の叔母)や天照大御神ではないかという説もありますが、邪馬台国の場所と共に謎のベールに包まれています。
古事記の他の記事
古事記の他の記事はこちらからご覧ください。
上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)