『ハニカムオパール』「蜂の巣構造」と「ハイドロフェーン」のレアストーン
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ハニカムオパール

遊色効果が魅力のプレシャスオパール。

その中の一つ、ハニカムオパールは蜂の巣のような亀甲模様があるオパールです。

ハニカムオパールはエチオピアで1993年ころに発見され流通し始めたばかりの

プレシャスオパールの約1%しか産出されないと言われるとても希少価値が高いオパールです。

遊色効果とは

結晶の層状構造や粒子配列によって光が分散され、虹のような多色の色彩を示す現象のことです。

ハニカムオパールについて

ハニカムオパール

ハニカムオパールの名前の由来

オパール

・サンスクリット語で「貴重な石」を表す「ウパラ」

・ラテン語で「価値の高い貴石」を意味する「オルパス」

から命名されたと言われています。

和名蛋白石(タンパクセキ)

(おそらくホワイトオパールが) ゆで卵の白身に似ているということで命名されたそうです。

ハニカムとは「ミツバチの巣」という意味です。

ハニカムオパールは、ミツバチの巣状のマトリックス構造を持つプレシャスオパールなので「ハニカムオパール」と言われます。

ハニカムオパールは流通名で鉱物名はオパールになります。

和名は特に無く、そのまま「ハニカムオパール」と呼ばれています。

ハニカムオパールの成分

オパールは水晶などと同じく二酸化ケイ素からできた(準)鉱物です。

成分中に10%くらいの水分を含みます。

化学式は 

SiO2nH2O

と表されます。

準鉱物とは

鉱物のように見えるが結晶構造を持たないもののことです。

オパールに遊色が出るのは

オパールの成分である珪酸と水の粒子がきれいに並んでいる

からです。

オパールの遊色の色は粒子のサイズによって変わります。

遊色の出る順番は粒子の直径が小さいものから

紫→緑→赤の順となり「粒子が一番大きいのが赤色」です。

ハニカムオパールの粒子は比較的大きいので赤斑が多く出やすいのが特徴です。

はる
オパールの遊色で最も人気が高いのは赤だそうです。
ハニカムオパールは美しい亀甲模様に赤斑が出ているので人気(値段も)が高くなりますね。

ハニカムオパール

オパールは全体的に微細な孔の空いた構造をしています

オパールといえばオーストラリアやメキシコ産の物が多かったのですが最近ではエチオピア産が増えてきました。

ハニカムオパールはエチオピアで採れるオパールです。

エチオピア産のオパールはオーストラリアのオパールよりも孔が大きいので、水を吸い込む性質があります。

この性質をハイドロフェーンといいます。

ハイドロフェーンについて

ハイドロフェーンとは

「ハイドロ=水」「フェーン=現象」なので水による現象ということですね。

エチオピア産のオパールは吸水性が高く、水を吸い込む性質があるため、水に浸すとまるで別の石のように姿を変えるのです。

こちらの写真は「ジェムストーリー」さんのサイトからお借りしました。

(こちらはハニカムオパールではなくエチオピアのホワイトオパールですがハニカムオパールでも同じような現象が起こります。)

左のオパールを約8分水に浸すと右のようになります。

ホワイトオパールからウォーターオパールに変わりました!

ですから、エチオピア産のオパールは「カメレオンオパール」や「マジックオパール」と呼ばれることもあります。

水を吸水しやすいけれど乾燥もしやすいので、水から出して半日も経つと元に戻ります

ハイドロフェーンという性質は透明な液体でなくても吸収してしまいます。

お茶やワインなど、色のついた液体が付かないように注意しましょう。

ハニカムオパールの硬度

モース硬度:5.5~6.5



💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

ハニカムオパールの劈開

無し

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」

ハニカムオパールの光沢

ガラス光沢

樹脂光沢


💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

ハニカムオパールの石言葉

「ハニカムオパール」は新しく発見されたオパールのせいか、独自の石言葉は見当たりませんでした。

オパール全体の石言葉は

・幸運

・創造性

・才能

・抑うつを祓う

・アーティストの石

です。

ハニカムオパール

ハニカムオパール 誕生日石

オパールは10月の誕生石です。

「ハニカムオパール」は現在の誕生日石には選ばれていません。



💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

ハニカムオパールの主な産地

ハニカムオパールは主にエチオピア🇪🇹で産出されています。

エチオピアのオパールが市場に出回りはじめたのは1993年のことですが

エチオピア政府は2013年からオパールの原石を国外に輸出するのを禁止しました。

現在は様々にカットされたり加工されたオパールのみが流通しています。

たくさんの種類があるオパールの記事

オパールは種類が多い(準)鉱物です。

他のオパールについても興味があったらご覧ください。

カンテラオパール

コモンオパール

シェルオパール

ウォーターオパール

ハイアライトオパール

ブラックオパール

ファイアオパール

ボルダーオパール・アイアンオパール

ホワイトオパール





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コメント一覧
  1. ハニカムオパール・・こんな不思議な遊色を示すオパールが天然で出来るのですね。
    このハニカム構造のような斑点が天然で出来るというのはとても不思議な感じがします。
    紫〜赤まで、屈折率・光の波長、分光みたいな事を昔高校物理でやったななんて思い出したりしますが、
    ほとんど覚えがありません(^◇^;)
    また組成式ではあくまでもシンプル・ありきたりな感じですが、同じ組成式でいろんなものが出来る、このような多様性は本当に面白い!
    吸水性も興味深いです。色がついた水分を吸収したら、染まってしまったりするんでしょうか。
    また、水は吸うけどモース硬度は低くはないのですね。

    • ありがとうございます♪

      オパールは一つ一つが違う遊色を示して魅力的なのですが、ハニカム模様は不思議ですね。
      二酸化ケイ素の分子の大きさと水分で見た目が決まるので、全て違います。
      ダイヤモンドなどはその点、単純ですね。
      ワインなど色の水も吸収してしまい、乾いても色が残ることがあるようです。

      • オパールは、とても神秘てきですね大好きな石さんとても購入できませんが、目の保養になります。いつもHARLさんありがとうございます

        • ありがとうございます♪
          オパールの中の水分はいつの?って思うとワクワクします。
          光り方も神秘的ですね
          特にエチオピアオパールは水に浸けるとまるで違う石になる、、、
          写真で楽しんでください!

  2. エチオピア産のオパールは、ほんとにマジックのようですね。
    ジェムストーリーさんのエチオピア産オパールを使った実験、面白かったです。
    ハイドロフェーンについての知識が増えました!地域的には、南米産のなどからもハイドロフェーンの性質を持つオパールが発見されているそうですね。
    遊色の黄色はシリカ粒子のサイズの真ん中あたりでしょうか。

    • ありがとうございます♪
      エチオピアオパールは一粒で2個分楽しめますね
      黄色は緑と赤の間くらいでしょうか。
      私のオパールは赤よりも黄色が見えます(笑)

  3. 此れまで様々なオパールをお勉強させて頂きました。
    オパールとは水分を含む二酸化珪素にて結晶構造も確立されない鉱石とのこと
    されどハニカムオパールの様に模様の表面化は構造自体は確立されていないのでしょうか
    成分中の10%は水分…液体ジェルの様な半固まりを想像致します。
    国外禁止。これは良い事と思われます
    産出国のメリットはトレードにて有利に価格を変動適う事です。

    • ありがとうございます♪
      商社にお勤めの方がおっしゃってましたが、エチオピアは独特の国のようです。
      エチオピア産はオーストラリアやメキシコ産のオパールよりも安く取り引きされていたので、政府がとった政策は正しいと思います!
      オパールは結晶ではないので構造はそれぞれなのでしょうけれど、地域によってパターンはあるようですね。
      水分が10%って意外に多いと感じます。
      でも揺すっても水分が揺れるようには見えないので液体ジェル化しているのだと思います。
      だからあまり水に浸けたりしていると太古の水分の成分が壊れそうですね。
      扱いが難しい宝石だと思います。

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