(117)『古事記』日本神話タロット剱ノ8  焼津神社に行って来ました
剱ノ捌 (ソード8) 「草薙剣」

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これまでのあらすじ

景行天皇東征を命じられた日本武尊(ヤマトタケル)は、山河の荒々しい神や服従しない者どもを言葉で手懐けます。

しかし相模国で国造に、沼に強暴な神がいるから見て欲しいと嘘をつかれました。

「古事記」における「日本武尊、火からの脱出」

強暴な神をご覧になろうとして、日本武尊が野に入ると、その国造が火を放ちました。

日本武尊は騙されたことに気づきます。

そこで倭比売(ヤマトヒメ)にいただいた袋の口をほどいて中を見ると火打ち石が入っていました。

火打ち石

まず草薙の剣(別名:アメノムラクモ)で草を刈り払い、その火打ち石を使って火を打ち出して、向かい火をつけて燃え来る火を焼き退け、

野の中から脱出して戻り、その国造らを切り殺し、火をつけて焼いてしまいました。

それで、今でもそこを焼遣(やきつ)といいます。

焼遣とは、現在の静岡県焼津市焼津だと思われますが、焼津相模国ではないので、疑問は残ります。

日本神話タロット 極参 剱ノ捌 (ソード8) 「草薙剣」

國史画帖大和櫻」より

剱ノ捌 (ソード8)の意味

正位置

失意、孤立、四面楚歌、苦難

逆位置

希望、妨害の収束、冤罪を晴らす

解説文写し

荒ぶる神の征伐と欺かれたヤマトタケルは、自分を疎ましく思っていた者達から火攻めにあい、窮地に立たされました。

ヤマトヒメに手渡されていたアメノムラクモ(別名:草薙の剣)を振るうと、たちまち火は草を薙ぎ払うかの如く消えていきました。

さらにヤマトタケルは、自分を欺いた者たちを斬り殺し、持っていた火打石で火をつけ焼きました。

参考記事

日本神話タロット「極参」

はるさん的補足 焼津に行ってきました

焼津神社

日本武尊はこの時期に日本各地を平定した何人かを1人に集約した存在だと言われています。

熊曽建出雲建を残忍な殺し方で征伐した日本武尊と違い、東征では言葉で説得する人物として描かれています。

しかし、焼津では騙された挙句、命を狙われましたので厳しく処罰しました。

焼津神社

静岡県焼津市

静岡県焼津市は静岡市に程近い、温暖な気候で富士山もよく見える素晴らしい町でした。

焼津神社は主祭神を日本武尊とする1600年以上も前に創建された神社です。

西暦409年日本武尊の勇気と優しさを称え、焼津の守神としてお祀りしたのが始まりだと言われています。

市杵島姫命社

右が市杵島姫命社

境内には宗像三神の1人、市寸島比売(イチキシマヒメ)も祀られています。

市寸島比売とは天照大御神須佐之男ウケイによって生まれた神の1人で海や学問、芸術の神とされています。

日本武尊が持っていた火打ち石を納め、市寸島比売をお祀りしたという言い伝えもあり、本殿よりも古い歴史があるという説もあります。

現在の本殿は家康が創建

徳川家康が建てた本殿

現在の本殿は1603年に徳川家康が建てたものです。

家康焼津の浜から出航し、久能山で鷹狩りにいそしんだそうです。

家康は神社に社領を寄進し、以後歴代の将軍からこの社領を保証する朱印状が発せられています。

焼津といえば漁港

小川港魚河岸食堂さんの上海鮮丼

焼津といえば、海の幸が盛りだくさんですね!

今回は小川港魚河岸食堂さんの上海鮮丼をいただきました。

マグロはもちろん、生シラスもびっくりする位美味しくて、ますます焼津ファンになりました。

戦い続きだった日本武尊が、せめて美味しい物を召し上がってくれていたらいいですね。

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コメント一覧
  1. この度もヤマトタケルさまの武勇伝の一節ですね。
    神がかる動向は何かしらの意味を踏まえていらっしゃると思います
    焼津の意味はなるほど~と感心致しました
    家康公の本殿の創建は幕府擁立年。関りの深さをあらためて感じます。

    • ありがとうございます♪
      ヤマトタケルはまだまだ続きます!
      家康公は神社仏閣を大切にされる方ですね。
      ここから程近い久能山の裏は日本平。
      ヤマトタケルにゆかりにある所です。
      尊敬されていたと思います。

      別にいいのですが焼津神社の今の本殿が、家康公が創建された社に代わってしまったんだ〜と少し嫉妬しました。笑

  2. 歴史に基づいて地名が付けられているのですね。ヤマトタケルは息をつく間も無く知恵をめぐらせて、果敢に戦っていたのですね。国を統一するというのは大変な事です

    • ありがとうございます♪
      古事記では、ヤマトタケルはひたすら景行天皇のために戦い続ける人生ですね。
      歴史に基づく地名は今までも数多くありましたが、今は違う名前になっていることが多いのです。
      でもヤマトタケル関連は今もそのまま残っていますね。
      流石ヒーローですね。

  3. ヤマトタケルの火難を逃れる話で、向い火によって、消火できることを初めて知りました。調べてみたら、古くは当時から、野焼きの延焼防止の手法として知られていたそうです。
    焼津神社に祀られているイチキシマヒメは水の神様で弁天様と同一の神様でしたね。おさらいできました。
    静岡県には、草薙という地名があって、草薙神社がありましたね。こちらも相模国かどうか疑問かもしれないけど、争いもなく、伝説地に比定されて受け継がれていることは、喜ばしいことだと思います。

    今回の古事記を巡る旅は、海の幸の楽しみもあったのですね。漁港らしく、刺身盛りだくさんで美味しそう!

    • ありがとうございます♪
      最初聞いた時は、私も向かい火での消火って不思議に思いました。
      イチキシマヒメ様は水の神で、三神の中でも一番綺麗だったのです。
      草薙神社は日本書紀に出てくるので、もう少し後に、番外編で取り上げようと思っています。
      もう、海鮮丼は最高でした。
      果物も美味しくて、住みたくなってしまいました。

  4. 天叢雲の剣に草薙剣の名称(称号?)が追加されたわけですね(^^)これまで全部「殺して成敗」していたのを「説得して平定」するようになるあたりは本当に「前者と後者では別人」と言って良さそうです。(まあ今回ばかりは殺してしまうわけですが)
    焼津までお見えになっていたんですね。(自分の住む岡崎からも車で2時間ぐらいってところでしょうか。っていうか静岡県って広すぎです)
    海鮮丼すごく美味しそうです!!!!!三河湾は青のりも良いですよ

    • ありがとうございます♪
      草薙の剣の名前の由来が後から出てきましたね。
      今回は殺さざるを得ないでしょう。
      焼津、日本平、三島を巡ってみました。
      静岡県は気候も良く、食べ物も最高で住みたいくらいです。
      次回は青のりも食したいと思います!

  5. キヨさんコメント

    ヤマトタケルさんは父親から疎まれたり、孤独な遠征に出されたりして苦労なさったのでしょうね。
    耐え忍び、心奮い立たせることを身につけて立派に成長したのでしょう。
    そして荒ぶる神々や不服従者を言葉だけで従わせられるくらいに魅力的な人となっていたのでしょう。
    人の思いが汲み取れるようになる為には、自分も苦労しないといけないってことかもしれないですね。

    • ありがとうございます♪

      乱暴で残酷な殺し方をするヤマトタケルから、言葉だけで従わせるヤマトタケルへの変化は凄まじい努力と苦労あってのことですね。
      古事記を読む限り、苦労しかない人生です。
      人に優しくなるのも大変ですね

  6. いい環境ですごしています。刺し身が美味しく。冷や冷やで食べたい。輝く海の幸。膳。金。美味いにつきます。

    • ありがとうございます♪
      焼津は本当にいい所ですね!
      住みたいくらいです

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