

プラシオライトは(紫色の)ブラジル・モンテズーマ鉱山など、特定の産地のアメジストをガンマ線で500度に加熱することで緑色に変化させた人為的な宝石です。
流通しているプラシオライトはほぼ人為的な物ですが、稀にマグマの熱を受けて緑色になった天然物もあるようです。

プラシオライトについて
天然のプラシオライトはきわめて稀少であり、19世紀初頭にポーランドの下シレジア(ドロニ・シロンスク)で初めて発見されて以降他に数か所の鉱床しか知られていません。
プラシオライトの名前の由来
プラシオライトは緑色なので古代ギリシャ語の「πράσον(prason:ニラやねぎ/リーキ)」と「λίθος(lithos:石)」に由来して「prasiolite」と命名されました。
アメジストから造られることから「グリーンアメジスト」「グリーンクォーツ」「ライムシトリン」と呼ばれることもあります。

プラシオライトの成分
プラシオライトは石英なので珪酸塩鉱物です。
💎参考記事
「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類
化学組織は
SiO2
と表されます。
参考
Si:珪素 O:酸素
発色原因は微量の鉄イオンです。

アメジストの加熱変化(シトリン・プラシオライト)
アメジストは二酸化珪素に鉄イオンが含まれた物です。
アメジストからシトリンやプラシオライトへの変化は結晶内に含まれる鉄イオン(Fe)の酸化状態の変化と色中心(カラーセンター)の再配置によって起こります。

| 加熱温度 | 発色変化の化学的仕組み | 特記事項 | |
|---|---|---|---|
| シトリン (黄色〜橙色) | 約450℃〜600℃ | 熱により4価鉄が電子を受け取り、元の3価鉄へ還元。さらに過熱が進むと鉄分が微細な酸化鉄(ヘマタイト等)のコロイド粒子として析出し、黄色〜黄金色の波長を反射・吸収するようになります。 | 市場に出回るシトリンの多くは、この加熱処理によるものです。 |
| プラシオライト (ミントグリーン) | 約500℃前後の特定の条件 | 熱により不快な赤〜黄色味の発色原因が消失し、特定の結晶構造内に存在する「2価の鉄イオン(Fe2+)」やFe-水酸基錯体が残ることで、緑色の光のみを透過するようになります。 | ブラジル・モンテズーマ鉱山など、特定の産地のアメジストでのみこの緑色変化が起こります。 |
色が変わるポイント
- 熱による電子の移動: アメジストに熱を加えると、放射線によって固定されていた電子の配置が崩れ、紫色の発色能力(色中心)が失われます。
- 産地や不純物構成の差: ほとんどのアメジストは加熱するとシトリン(黄色)になりますが、微小な元素バランスや水分の含まれ方など、特殊な条件を満たした原石のみがプラシオライト(緑色)へ変化します。
さらに温度を上げて600℃〜700℃を超えると、結晶内の欠陥が完全に修復され、色は透明(ミルキークォーツやクリアクォーツ)へと戻ります。

1950年代半ばにブラジル・ミナスジェライス州のモンテズーマ鉱山産のアメジストが400〜500度で加熱処理したことで緑色に変わることが発見されました。
その後、アメリカのティファニー社が販売を初めたことから人気の石となり、本格的な商業生産が始まりました。
プラシオライトの硬度
モース硬度 7
💎参考記事
プラシオライトの劈開性
劈開はありません
💎参考記事
鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?
プラシオライトの色
緑色の諸色
プラシオライトの光沢
ガラス光沢
💎参考記事

プラシオライトの石言葉
プラシオライトの石言葉は
・リラックス
・バランス
・客観的
です。
プラシオライト 誕生日石
プラシオライトは「366日宝石図鑑」で11/23の誕生日石に選ばれました。
プラシオライトの産地
天然のプラシオライトの産地は
・ポーランド🇵🇱
・ブラジル🇧🇷
・カナダ🇨🇦
・ナミビア🇳🇦
です。
天然プラシオライトの産地、ポーランドのドロニ・シロンスクの風景
写真はWikiからお借りしました
・ブウェンドゥフ砂漠北部

・ヴァウブジフ
















