『パープルカルセドニー』(バイオレットカルセドニー) とグレープカルセドニー
パープルカルセドニー

パープルカルセドニーは「石英グループ」の中のカルセドニーに属する宝石です。

カルセドニーにはアゲート(瑪瑙)やジャスパーが含まれますが、パープルカルセドニーはどちらにも属さないカルセドニーの中のカルセドニーです。

石英グループ

💎参考記事

複雑でわかりにくくて曖昧な『石英グループ』の宝石の種類と分類

パープルカルセドニーについて

パープルカルセドニー

玉髄・カルセドニーについて

まず日本のカルセドニーについて少し書かせてください。

カルセドニーの和名は玉髄。

日本でもカルセドニーは古代から、石器や勾玉、管玉に使われてきました。

玉作りというとヒスイが有名ですが、玉髄の方が量産されるので、実際には玉髄製の方が多く出土しています。

縄文時代の「玉」 主にヒスイ玉髄でできています

玉髄という名前がいつから使われていたか定かではありませんが、江戸時代の石収集家、木内石亭氏は

玉髄は玉のある所の山中、玉のいわやにあり。玉の精、髄膏のごとくに垂れ、凝り、堅くして玉と化す。形、氷柱のごとし。故に種色あり。

と書いていますので、少なくともそれ以前から使われていた名前のようです。

玉髄という名前を見ても

宝物の代表である「玉」の「髄 (中心・要所)」である石とされていたことがわかりますね。

カルセドニーという名前はギリシャの町「chalkidon(カルセドン)」に由来しています。

このカルセドンで多くのカルセドニーが産出されていたようです。

パープルカルセドニーについて

パープルカルセドニーは薄い紫色のカルセドニーで、

・バイオレットカルセドニー

・ラベンダーカルセドニー

とも言われます。

カルセドニーのグループは多数の結晶の集合体なので染色しやすいという特徴はありますが、パープルカルセドニーの多くは天然の色です。

カルセドニーというと緑色のクリソプレーズや青いカルセドニーが有名ですが、最近ブルガリなどがパープルカルセドニーを使ったアクセサリーを出していることから、より注目されるようになってきました。

パープルカルセドニーの成分

パープルカルセドニーは二酸化珪素で出来ています。

化学式は

SiO2です。

紫色の発色原因はアメジストと同じ鉄成分です。

アメジストも同じ二酸化珪素の鉱物ですが、
アメジストは構造が目に見える大きさで結晶したもの(顕晶質)
パープルカルセドニーは目に見えない小さな結晶が集まった物(潜晶質)
という違いがあります。

パープルカルセドニーの硬度

モース硬度 7

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

パープルカルセドニーの光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

パープルカルセドニーの石言葉

パープルカルセドニー

・思いやり

・調和

・集中

・冷静

パープルカルセドニー 誕生日石

パープルカルセドニーは現在の誕生日石には選ばれていません。

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

新発見!グレープカルセドニー

グレープカルセドニー

パープルカルセドニーに似た物ですが、小さなブドウのような形状にカルセドニーが集まった鉱物が2016年にインドネシアで発見されました。

グレープカルセドニーと命名され、瞬く間に人気の鉱物に。

一つの粒が5ミリ前後です。可愛いですよね。

パープルカルセドニーの主な産地

パープルカルセドニーは

・インドネシア🇮🇩

・インド🇮🇳

・ブラジル🇧🇷

・マダガスカル🇲🇬

などで産出されます。




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コメント一覧
  1. 拝見させて頂きました
    カルセドニーの中のカルセドニーとはグループの中に於いてもより重要なポジションなのですね
    以前より玉髄の漢字の表しに疑問を抱いていました…
    “髄”とは中心、主たると云う意味合いなのですね
    ギリシャの鉱物産出量を調べました
    国土の違えはあるものの日本の3倍と知りました
    同じ玉髄を大量に産出するも土壌は相違することも理解しました
    グレープカルセドニーは奇跡の形状なのでしょうか…
    此ののちもあり得なくはない形状なのでしょうか。

    • ありがとうございます♪
      玉髄って「宝の中の宝」みたいなお名前ですね!
      ギリシャは今でも日本の3倍ですか。日本は国土が7億年前にできました。
      ユーラシア大陸は36億年前とも言われますから、日本は若いのですね。
      ですからダイヤモンドやサファイアなどがないと言われています。

      ブドウのカルセドニーはまだ発見されて間もなく、これから更なる発見が期待されますね。
      アクセサリーには使用しづらいかとは思いますが標本として購入してしまいました(笑)

      • 玉髄という言葉の響きが好きです!カルセドニーもなんだか玉髄と合っていていい感じ。パープルカルセドニーのオリジナルの色、グレープカルセドニーの形皆素敵です❣️グレープカルセドニーは、こんなアクセサリーが欲しいという石ですね〜

        • ありがとうございます♪
          ギョクズイって、いかにも大切にされていた特別高貴な響きがありますよね。
          柔らかい紫色もいいですし、
          グレープカルセドニーは原石が可愛くて思わず買ってしまいましたが、2、3個ずつにカットしてピアスにして売っているのを見たことがあります。
          最近は、石の原型を生かしてデザインされたアクセサリーを見かけることが増えて嬉しいです。

  2. パープルカルセドニーは、天然の色で、こんなにきれいなんですね。
    グレープカルセドニーが、ぶどうのように、つぶつぶがくっついたような形状になっているのか不思議です。可愛らしいですね!

    • ありがとうございます!
      アメジストより白っぽくて可愛らしいですね。
      結晶が不規則な分、アメジストより透明度が低いのですね。
      グレープ、不思議ですよね

  3. お写真でこの石の神秘的で優しい感じの紫色、好き❗️と思ったら、やはり、宝石屋さんも商品にするのですね!
    この色合い、惹かれます

    • ありがとうございます♪
      この紫色!私も大好きです。
      ハイブランドのジュエリーショップって意外に柔軟ですね。
      最近多くのハイブランドでマラカイトを見かけます。
      カルセドニーやマラカイトって「石」っていうイメージだったのですが、なんだか高級なジュエリー感が出てきました。

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