【プラチナ】(白金)地球の深淵や小惑星に期待?枯渇しそうな貴金属

プラチナは白い光沢を持つ金属です。

歴史は古く、3000年以上前の古代エジプトの「テーベの小箱」や紀元前100年頃、古代南米文明であるプレ・インカ文明でも使われていましたが、

近年の最大の消費国は日本です!

「テーベの小箱」は現存する最古のプラチナ製品だと言われています。

エジプトのテーベにある女性神官シェペヌペットの墓から出土した小箱で、紀元前720年から紀元前659年頃のものと思われています。

プラチナはアクセサリーや小物としての需要は約3割で

  • 動車部品
  • 医療器具
  • パソコン部品

の需要が高まっています。

金の埋蔵量約50,000トンに対し、プラチナは約16,000トンしかなく、埋蔵量の少なさから枯渇が心配されています。

プラチナ(白金)について

プラチナ(白金)の金属としての特徴を他の貴金属(金、ホワイトゴールド、シルバー)と比べて表をAIに作ってもらいました。

材色味希少性主な特徴・性質
プラチナ
(白金)
天然の純白〜銀白色
(深みのある落ち着いた輝き)
極めて高い
(世界で年間約170〜200トン程度しか生産されず、非常に希少)
・変色・変質しない(酸や熱に強く、温泉や薬品でも変色しない)
・密度と重厚感があり、しなやかで加工しやすい(石留めに最適)
・金属アレルギーを起こしにくい
金
(イエローゴールド)
温かみのある黄金色
(華やかで存在感のある黄金の輝き)
高い
(古来より価値が安定しており、年間約3,000トン前後産出)
・腐食や変色に非常に強い(純金は永遠に変色しない)
・純金(K24)は柔らかいため、ジュエリーには銀や銅を混ぜた18金(K18)などが多く使われる
・資産価値が高い
ホワイトゴールド明るい銀白色
(プラチナに似ているが、やや鮮やかな銀色)
中程度
(ベースが金であるため金の希少性に依存)
・金(ゴールド)にパラジウムや銀などを混ぜて白色化した合金
・表面にロジウムコーティング(メッキ)を施すことが多く、長年の使用でコーティングが剥がれると本来のわずかな黄味が現れることがある
・プラチナより軽量で硬度が高め
シルバー
(銀)
明るく白度の高い輝き
(金属の中で最も光の反射率が高い)
比較的入手しやすい
(産出量が多く、上記3つに比べると手頃)
・空気中の硫黄分と反応して黒ずみ(硫化)が起きやすい(お手入れが必要)
・加工がしやすく、カジュアルなジュエリーや工芸品に幅広く使われる
・熱伝導率や電気伝導率が金属の中で最高

プラチナ(白金)の名前の由来

スペインの探検家たちがコロンビアのチョコ地域のピント川で銀に似た白い金属を発見し、

スペインの軍人であり探検家だったアントニオ・デ・ウジョーアが

「ピント川の小さな銀(platina del Pinto)」と呼びました。

これが「platinum 」の語源です。

和名は「白金(ハッキン)」

江戸時代の蘭学者、宇田川榕庵が著した化学書「遠西医方名物考補遺巻八」(えんせいいほうみょうぶつこうほい まきのはち)に、

白金(一種銀色の金属、原名プラチナ)の訳語があり、榕庵が命名し日本で最初に使われた用語と言われています。

宇田川榕庵先生は

大垣藩の江戸詰め医の家に誕生し、岡山県の津山藩の藩医で蘭学者になりました。

日本に概念が無かった植物学や化学の書物を翻訳し、日本に存在しなかった学術用語を新しく造語を生み出しました。

以下の用語は宇田川榕菴による造語の例です。

「白金」の表記は「白い金」と解釈されてしまう事、また英語に逐字訳すると「ホワイトゴールド」 (white gold) となることなどから、白金=ホワイトゴールドとされる事がよくありますが、これは誤りです!

ホワイトゴールド(WG)は金を主体とする白い合金です。

割り金はニッケルやパラジウムです。

プラチナ(白金)の成分

プラチナ(白金)は元素鉱物です。

💎参考記事 

「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類

元素記号は

 ⁠Pt

です。

プラチナ原石

プラチナ(白金)の共生鉱物

プラチナ(白金)は

・地球内部のマントル起源のマグマ活動に関連して岩石中で生成されるものと

・河川などの砂白金があります

マグマ鉱床のプラチナと共生する鉱物は

クロム鉄鉱、チャコールパイライト(黄銅鉱)、ペリドット(橄欖石)、サーペンティン(蛇紋石)などの鉱物片中に微細な粒子として包有される形で共生します。

世界最大のプラチナ生産を誇る南アフリカのブッシュフェルト・コンプレックスなどの層状鉱床では、プラチナは銅やニッケルを含む硫化鉱物と共生します。

砂白金で見つかるプラチナと共生する鉱物は

純粋なプラチナ(自然白金)で産出することは稀で他の白金族元素や金属(イソフェロプラチナ鉱、スッペル鉱、クーパー鉱など)と混ざり合って共生しています。

砂白金 この写真はWikiからお借りしました

プラチナ(白金)の硬度

モース硬度 4〜4.5

💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

プラチナ(白金)の劈開性

劈開はありません。

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?

プラチナ(白金)の色

鋼灰色

プラチナ(白金)の光沢

金属光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

1000立方センチメートルの99.9 %のプラチナ(白金)

アクセサリーとしてのプラチナの種類

プラチナは金や銀と同様に100%は柔らかすぎて繊細なデザインやサイズ直しには不向きです。

そこでパラジウムやルテニウムなどと混ぜて合金の形で加工されます。

日本ではPt850(プラチナ含有量85%)未満の製品については政府の品位証明が発行されません。

Pt850、Pt900、Pt950、Pt999の割金、特徴、利点などを表にしました。

お手持ちのプラチナアクセサリーがあれば、お確かめください!

私の指輪にはPt900の文字が刻印されていました。

項目Pt850Pt900Pt950Pt999(Pt1000)
純度(含有率)85%(残り15%は割金)90%(残り10%は割金)95%(残り5%は割金)99.9%以上(ほぼ純プラチナ)
主な割金パラジウム、ルテニウム、銅などパラジウム、ルテニウム、イリジウムなどパラジウム、ルテニウム、イリジウムなど基本なし(微量の極微細元素のみ)
日本でのジュエリー認定日本のプラチナジュエリーの最低基準日本の定番・スタンダード国際基準・ハイブランドに多い純プラチナ(最高純度)
特徴割金が多く硬度が高いため、繊細なチェーンや複雑なパーツ加工に向く。加工性と硬度のバランスが最も良く、加工・修復(サイズ直し等)が容易。海外ハイブランドで広く採用される世界標準。適度な硬度と高い純度を両立。混ざり物のない独特の深い白金色の輝き。純粋性が高く資産価値・象徴性も高い。
利点・キズや変形に非常に強い
・比較的リーズナブル
・細いチェーンでも切れにくい
・強度と加工性のバランスが抜群
・サイズ直しや修理がしやすい
・デザインの選択肢が豊富
・高純度で純白に近い輝き
・ブランドの資産価値が高い
・金属アレルギーを起こしにくい
・金属アレルギーのリスクが最も低い
・変色や劣化が一切ない
・純プラチナとしての価値・希少性
注意点・割金(パラジウム・銅等)による金属アレルギーにやや注意
・海外ハイブランドではあまり使用されない
・非常に強い衝撃を受けると変形する場合がある(日常使いでは問題なし)・Pt900に比べるとやや柔らかく、キズがつきやすい場合がある(ハードプラチナ加工等でカバー可能)・柔らかく変形しやすいためキズがつきやすい
・繊細なデザインやサイズ直しには不向き
主な用途ネックレスチェーン、ペンダントの留め具、ファッションジュエリー婚約指輪、結婚指輪、日本国内のジュエリー全般ハイブランドの婚約指輪・結婚指輪、高級ジュエリーコイン・インゴット(資産用)、シンプルな記念リング・ペンダント

Pt999

プラチナ(白金)の産出

プラチナ(白金)はレアメタルの中でも特に稀です。

最も多く産出される南アフリカ共和国の地殻でも1トンあたり、0.001gしか産出されません。

このままでは枯渇してしまいそうですね。

打開策として2つの可能性を紹介します。

地球の核近くには大量のプラチナがあるが、、、

約40億年前の太陽系で起こっていた天体衝突の再現シミュレーションから、これまで考えられていた量の2~5倍の物質が衝突によって地球にもたらされ、

金やプラチナなどの貴金属も衝突を起源としている可能性が示されました。

シミュレーションでは、鉄と化学的に結合しやすい傾向のあるプラチナやイリジウム、金など特定の微量元素のマントルにおける存在が核を形成していることがわかってきました。

外核(下の表のピンクの部分)まで掘ることができれば鉄合金の中に高濃度のプラチナや金が発見できるかもしれません。

ただし地表から外核までは2890キロあります。

現在、人類はせいぜい10キロまでしか掘ることができていないので、遠いですね。

大きな隕石などの衝突があると噴出されるかもしれません。(それが幸せかなことかわかりませんが、、、)

宇宙に期待

鉄隕石の中から、プラチナが発見されていることから、小惑星からのプラチナ採掘を期待することもできます。

古代エジプト人の「テーベの小箱」は恐らく隕石から作られたと思われています。

地殻から発見されるプラチナは南アフリカ共和国の鉱山でも1トンから1gですが、

鉄隕石からは1トンあたり7~10gにも達する高品質のプラチナが含まれるのです!

高濃度のプラチナを含む小惑星を探す方が地球の奥深くまで探索するよりも現実的かもしれません。

2026年10月のプラチナ価格は1g、約9000円です。

探査機「はやぶさ2」などの探査機にかかる費用が900億円だとすると、プラチナ10トンで回収できます。

しかしそのためには少なくとも100 万トンの石を持ち帰る必要があるので、今は現実的には難しそうですね。

小惑星探査機「はやぶさ2」

プラチナ(白金)の石言葉

プラチナ(白金)の石言葉は

・婚姻の約束

・強い絆

です。

プラチナ(白金)誕生日石

プラチナ(白金)は「366日宝石図鑑」で1/2の誕生日石に選ばれました。

プラチナと命名したアントニオ・デ・ウジョーア氏は1716年1月2日生まれです。

プラチナ(白金)の産地

プラチナ(白金)の主な産地は

・南アフリカ共和国🇿🇦(全体の70%以上)

・ロシア🇷🇺

・カナダ🇨🇦

・ジンバブエ🇿🇼

・アメリカ🇺🇸

・コロンビア🇨🇴

です。

日本でも僅かですが、

北海道の天塩川、石狩川の川砂中で認められた他、新潟県で発見されています。

プラチナ(白金)を発見したコロンビアのチョコ地域の風景

この写真はウィキからお借りしました





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