『誕生石』誰がどうやって決めたの? 誕生石って世界中同じなの?

誕生日石」って聞いたことありますか?

おそらく多くの方はご存知ないのではないでしょうか。

でも「誕生石」ならどうでしょう。

あまり宝石に興味のない方でも「4月の誕生石はダイヤモンド!」くらいはご存知かもしれません。

今回は「誕生石とは何か」と「国によって違う誕生石」などについて説明します。

誕生石とは

4月の誕生石 ダイヤモンド

誕生石とは1年の1月から12月それぞれにあてた宝石のことです。

「生まれ月の人がその宝石を身につけると幸運をよぶ」

と言われています。

誕生石の起源

誕生石の起源に関しては諸説ありますが、代表的な2つの説を紹介します。

ユダヤ教の高僧の胸当てにはめこまれた12種類の宝石が誕生石の起源になっているという説

旧約聖書の「エジプト記」によるとユダヤの高僧たちが胸につけていたプレートに12種類の宝石がつけられており、そのことに由来するという説があります。

この写真は「牧師の書斎」さんhpからお借りしました

はる
とても華やかな衣装を着ていらしたのですね。
ヒヤシンス石」は今はジルコンを示すのですが、この時はオパールです。

エルサレムの城壁の土台に飾られていた12の宝石にちなむという説

新約聖書の「ヨハネの黙示録」に出てくるエルサレムの城壁の土台に飾られていた12の宝石にちなんで誕生石を決めたという説もあります。

はる
第一の土台石は碧玉(ジャスパー)
第二はサファイア
第三はめのう
第四はエメラルド
第五は赤縞めのう(サードニクス)
第六は赤めのう
第七はかんらん石(ペリドット)
第八は緑柱石(エメラルドアクアマリン)
第九は黄玉(トパーズ)
第十はひすい
第十一は青玉(サファイア)
第十二は紫水晶(アメジスト)
であった。

と書かれています。

誕生石の歴史

お守りや厄除けとして各地で伝えられてきた各月の石ですが、5世紀頃には12個の石を施したアクセサリーを身に着ける習慣ができたといわれています。

その後8〜9世紀ころには各自が12個の石を所有し、その月の石を月替わりで身につけるようになったそうです。

それが16〜18世紀ころになると自分が生まれた月の石を年間通して身に着けるようになってきました。

誕生石と言われるものは各地にありましたが、20世紀にアメリカに渡ったユダヤ人が誕生石を広め、1912年にクンツ博士を中心としたアメリカの宝石商組合が統一した誕生石を定めました。

はる
クンツ博士は
ティファニー社の副社長にもなった鉱物学者です。

そして各国独自の宝石が加えられるようになり婚約指輪などに使われるなど定着してきました。

日本の誕生石

日本の全国宝石卸商協同組合は1958年にアメリカの誕生石を基準としながらも、日本で人気の高かったヒスイとサンゴを加え以下のように独自の誕生石を制定しました。

1月 ガーネット

2月 アメジスト

3月 アクアマリン・サンゴ

4月 ダイヤモンド

5月 エメラルドヒスイ

6月 真珠ムーンストーン

7月 ルビー

8月 ペリドットサードニクス

9月 サファイアクンツァイト

10月 オパールトルマリン

11月 トパーズシトリン

12月 ターコイズラピスラズリ

その後、2021年に一気に10石を新たに誕生石として認定しました。

全国宝石卸商共同組合によると追加理由は

「国内においてさまざまな誕生石リストが混在しており、消費者が混乱するため、業界として誕生石を統一することを第一に考えました。」

また、コロナウイルスの流行によりジュエリー業界が痛手を受けているとして

「誕生石改訂により、消費者の選択の幅が広がり、宝石への関心を高めてもらいたい。」ということです。

7月の誕生石に加わった スフェーン

新たに認定された石は

アイオライト (3月)

アレキサンドライト (6月)

クリソベリルキャッツアイ (2月)

クンツァイト (9月)

ジルコン (12月)

スピネル (8月)

スフェーン (7月)

タンザナイト (12月)

ブラッドストーン (3月)

モルガナイト (4月)

の10石です。

アメリカ・フランス・イギリス・オーストラリアの誕生石

各国で8月の誕生石 サードニクス

誕生石という概念が浸透している他の国との比較表を作ってみました。

スマホでご覧いただくには小さかったですね。スミマセン

これを見て思うのは、

・日本の誕生石が多い
・フランスはアメリカに倣わず独自に決めている

ことです。

フランスはホワイトカルセドニーとマラカイト

イギリスはロッククリスタルクリソプレーズ

オーストラリアはグリーントルマリン

独自に入っていますね。

イギリスにだけ選定されている クリソプレーズ

このように各国の好みや宝石商たちの思惑が加味されて誕生石が誕生したのですね!

ご自分や大切な人の誕生石を知って身につけたり写真を眺めたりして楽しんではいかがでしょうか。

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コメント一覧
  1. 誕生石の起源や歴史を今回色々と知ることができて、嬉しいです❣️ありがとうございます♪各国の違いとか、宝石商の思惑とかあって、とても興味深いです!
    コロナ禍って、ジュエリーの売れ行きにまで影響してたんですね。1月は新たな宝石は追加されず、他の国もガーネットのみですね(笑)

    • ありがとうございます♪♪
      誕生石が決まった経緯は面白いですね。
      聖書誕生のころは司祭たちが権力を持っていた時代だったのでしょうけど、寄付されたのでしょうかね。
      誕生石の数が違うのは不公平感がありますが、ガーネットは色々な種類や色があるのでということなんでしょうね。

  2. 誕生石が、旧約聖書や新約聖書に由来されているとは驚きました。誰がどのように、誕生石を決めたのかずっと疑問を持っていましたが、ハルさんの説明を読んで、スッキリしました‼︎月ごとにその誕生石をお守りがわりに身につけるという名も、楽しいですね❣️自分の月の誕生石、趣味に合わなかったので、これからはその観点でお洒落を楽しみたいと思います

    • ありがとうございます♪
      月ごとに変えるというのはかなりお金のある方の発想ですね。
      誕生石も誕生日石も人間が決めたことですから、あまり囚われず好きな石をどんどん付けましょうね!

  3. 誕生石の話、ありがとうございました。
    日本はどの国よりも追加しているのですね。
    誕生石を頼りにしている人が多いから石卸商も選択肢を広げる効果が大いにあると思ったのでしょうね。
    追加された石は各々の国で多く採れる石というわけではないようなので、国民の好みを優先して設定したのでしょうね。
    素敵な誕生石、もっと増えてもいいかもしれないです!

    • ありがとうございます♪
      アクセサリー売り場や雑貨屋さんでも「誕生石コーナー」のような物がありますから、誕生石の効果は絶大でしょうね。
      スピネルやスフェーンは値上がりが酷くて買えなくなってしまいましたが、、
      国民の好みと宝石商さんの思惑でこれからも誕生石は増えていきそうですね。

  4. この度は誕生石に関し私の様な素人には保存版に相応しき要約されましたブログです。
    当初は12ケ全てを身に着け次第に月毎に替え、のちは現在の様に通年用いられる…
    その様に考えますとファッションから護身へと赴きも変貌されますこと分かります。
    2021年、新たに10ケを追加…時節柄、業界の思惑も感じます…然りながら“選択肢を広げる…”事と理解します。

    • ありがとうございます♪
      12個も宝石を買うことができる家はそれほど多くないでしょうから、「自分の誕生月の石を一年中付ければいい」ということになったのは大きな変化ですね!
      2021年の年末に10個増えたのには驚いた記憶がありますが、確かに選択肢は広がりましたね。
      スフェーンなど、あまり知られていなかった石も有名になりましたし、、、

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