【スフェーン】7月の誕生石になったダイヤモンド以上の輝きの宝石
スフェーン

スフェーン

ダイヤモンドより強いファイア(光に分散、輝き)があり

屈折率(入射した光を反射する角度)も高いことで強い光沢があることで知られています。

そして多色性も持っているため、光の中で角度を変えるとファイアと多色性を同時に見ることができる瞬間があることが特徴です。

2021年12月から、7月の誕生石に加わりました

1787年にスフェーンを発見した自然哲学者のマーク・オーガスト・ピクテ氏が7月生まれだったことから7月の誕生石に追加されました。

スフェーンについて

スフェーン

スフェーンの名前の由来

スフェーンの結晶がクサビの形に似ていることから

ギリシャ語で「クサビ」を表す sphenos (スフェノス)に由来し、スフェーンと命名されました。

クサビ

和名は

・スフェーンを和訳してクサビ石

・チタンを含むことからチタナイト

などと表記されます。

チタナイトと表記する場合は鉱物として

スフェーンと表現する場合は宝石として

扱う場合が多いです。

スフェーンの成分

スフェーンは酸化チタンと酸化カルシウムを含むケイ酸化鉱物です。

化学組織はCaTiSiO5

他に微量の不純物として

鉄、マンガン、クロム、セリウム、イットリウム、バナジウムが含まれるので様々な色に発光します。

スフェーンの特徴① ファイア(ディスパーション)

スフェーン

スフェーンはダイヤモンドよりもファイアが強い石です。

宝石のファイアとは「ディスパレーション(分光)」のことです。

ディスパレーション(分光)とは

宝石に入射した白色光が宝石内部で屈折と反射を繰り返し、赤や黄色など白色光を構成する各々のスペクトルに分解され「虹色」を示すことです。

 

スフェーンの特徴② 多色性

スフェーン

スフェーンは強い多色性があります。

殆どのスフェーンは緑色か黄緑色ですが、黒や茶色やオレンジ色にも見えます。

多色性とは

宝石を見る角度によって異なった色を見ることができる特徴です。

はる
ファイアと多色性によってスフェーンは虹色の光が強い輝きとなって揺らめくように見えることがあります。

スフェーンの特徴③ ダブリング

スフェーン複屈折も大きい鉱物です。

そのため、ダブリングと呼ばれる現象も見られます。

ダブリングとは

図形や文字が書かれた物の上にスフェーンを置いた時に下に書かれた物が二重に見えたり、

ファセット稜線(下の図の黒い線)が二重に見える現象です。

宝石のファセットカット
はる
ダブリングがあるために、スフェーンを写真で撮るとブレたように見えることがあります。

スフェーンの硬度

モース硬度 5〜5.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

ファイアではダイヤモンドに勝るものの、

・硬度が低く

・劈開もしやすい(ある方向に割れやすい)ので、

カットも難しく宝石に適さないと言われたこともありました。

しかし、今では高い人気を誇る宝石となりました。

スフェーンの光沢

・ダイヤモンド光沢

・樹脂光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

スフェーンの石言葉

・純粋

・永久不変

スフェーン 誕生石

7月の誕生石です。(2021年12月〜)

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石」  

スフェーンは新種の鉱物として1787年にマーク・オーガスト・ピクテによって発見されました。

・ピクテ氏が7月生まれだったこと

・スフェーンの輝きが強く、日本の夏の森のような色合いだ

という理由から追加されました。

スフェーンの主な産地と特徴

・ロシア 🇷🇺

  緑色が鮮やか ファイアが見えにくい物が多い

・パキスタン 🇵🇰

  ファイアと多色性が強い

・メキシコ 🇲🇽  

  クロムを多く含むことで深くて鮮やかな緑色を発色

  特にバハ・カリフォルニアで産出されるものは価値が高い

・ブラジル 🇧🇷

・カナダ 🇨🇦

・マダガスカル 🇲🇬

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