古代からムーンストーンは月の満ち欠けによって輝きが変わるといわれ、世界各地で大切にされてきました。
中でもブルームーンストーンは青白い光を放ち、眺めていると吸い込まれてしまいそうな魅力があります。
ブルームーンストーンについて
地殻の60%を占めるといわれるフェルスパーグループ(長石族)の中でシラー効果を持つものをムーンストーンといいます。
シラー効果とは
石の表面下で金属的な虹色の変色効果が現れる現象です。
鉱物の層状構造(ラメラ構造)により、表面近くへ入った光がの層間で干渉して反射するために起こります。
「シラー」はドイツ語で「きらめき」を表す Schiller という語に由来しています。
ムーンストーンもブルームーンストーンも鉱物名ではなく宝石名(流通名)になります。
ブルームーンストーンは他のムーンストーンよりも透明度があり、青色の光の筋が見えるのが特徴です。
ブルームーンストーンの青い光は色素による物ではなく
オーソクレース(正長石)のようなカリ長石と曹長石の薄膜の繰り返し構造に光が反射すると光が干渉し合い、青白い光彩に見えるのです。
ブルームーンストーンの名前の由来と和名
ムーンストーンは古来
ギリシャ語で「月」という意味の「セレニテス」や
「月の泡の石」という意味の「アフロセレーノン」
などと呼ばれていました。
それが17世紀に入り「ムーンストーン」と呼ばれるようになったようです。
和名は月長石です。
ブルームーンストーンというのは鉱物名ではなく流通名なのできちんとした定義がありません。
元はスリランカで採れる青いシラー効果を持つムーンストーンだけをブルームーンストーンと呼んでいましたが、スリランカの鉱山は枯渇してしまい閉山。
スリランカ産のブルームーンストーンは希少となり、今ではフェルスパーグループの中で石の内部に青のシラー効果が見られる物をブルームーンストーンと呼ぶことが多くなっています。
ブルームーンストーンの成分
ムーンストーンというのは
フェルスパーグループ(長石族 アルミニウム・カリウム・ナトリウム・カルシウムなどを含む珪酸塩鉱物)の中のカリウムを主成分とするオーソクレース(正長石)とナトリウムを主成分とするアルバイト(曹長石)の2つの珪酸塩鉱物から構成されています。
下の図の左側ですね。
その中で青い光りを放つものがブルームーンストーンです。
化学式は KAlSi3O8 - NaAlSi3O8
ただ、既述したように、本来のスリランカ産ブルームーンストーンは希少です。
現在「ブルームーンストーン」として流通している物の多くは
・ペリステライト
アルバイトとオリゴグレースの中間体の鉱物
(図の左角、青い部分あたり)
特徴:鳩の首周りの光沢のような光沢があり、様々な青色を見せてくれます。
ロイヤルブルームーンストーンと呼ばれることがあります。
・ホワイトラブラドライト
アルバイトとアノーサイトの中間体の鉱物
(図の下中央、黄緑色の部分の物)
特徴:ラブラドレッセンスの光学効果により、青色以外の色も出現
・アンデシンラブラドライト
アンデシンとラブラドライトの中間体
(図の下やや左、緑色の部分の物)
特徴:青色の閃光がブルームーンストーンよりも強い
が多いようです。
アンデシンラブラドライト
だろうと思います。
(私物です)
はっきりとした定義のないブルームーンストーンですから、お求めになる際は以上のことを納得の上、好みで選ばれることをお勧めします。
ブルームーンストーンの硬度
モース硬度 6〜6.5
💎参考記事
ブルームーンストーンの光沢
ガラス光沢
💎参考記事
ブルームーンストーンの石言葉
・希望
・幸運
・恋の予感
・長寿
・健康
ブルームーンストーン 誕生日石
ムーンストーンは6月の誕生石です。
ブルームーンストーンは
1/16
の誕生日石です。
💎参考記事
ブルームーンストーンの主な産地
・スリランカ🇱🇰
・インド🇮🇳
・ミャンマー🇲🇲
・タンザニア🇹🇿