これまでのあらすじ
「小碓命(ヤマトタケル)」の兄「大碓命(オオウス)」は父である景行天皇は后にしようとしていた姉妹を横取りしました。
食事に同席しない「大碓命」を「ねぎ(教え諭す)」するよう言われた「小碓命(ヤマトタケル)」は「ねぎ」の意味をしごくことと誤解し、兄を殺してしまいました。
「小碓命(ヤマトタケル)」父に恐れられる
古事記におけるこの場面
「小碓命(ヤマトタケル)」が兄「大碓命(オオウス)」を殺してしまった事を聞き、景行天皇は「小碓命(ヤマトタケル)」の性情が荒々しいことを恐れて、
服従しない失礼な奴らだ。
だからお前が行って奴らを殺しなさい。
熊曽建とは
熊曽は熊本県南部から南九州にわたる地方のことです。
建は荒々しく強い、不服従者への卑称です。
ですから、熊曽建はその地方の有力な首長兄弟だったと思われます。
と仰って「小碓命(ヤマトタケル)」をお遣わしになりました。
「小碓命(ヤマトタケル)」はこの頃まだ髪を額で結ってらっしゃる少年でした。
景行天皇は「小碓命(ヤマトタケル)」を恐れて(死んでしまっても構わないと思い)厄介払いをしたと言われています。
日本神話タロット 極参 剱ノ参(ソード3)「見殺し」
剱ノ参(ソード3)の意味
・正位置
傷心、廃棄、失望、弱点を突かれる
・逆位置
耐えられない悲しみ、引き裂かれる、混沌
解説文写し
父の解釈を間違えた解釈で受け止め、「オオウスノミコト」を厠で押し潰し、手足をもいで殺してしまうような過激な少年は、まだ年端もいかない「オウスノミコト」です。
そんな「オウスノミコト」を父は恐怖に思い、疎み、わずかな従者も与えず、九州のクマソタケルの討伐を命じました。
「オウスノミコト」は自分のしたことを悔いていますが、ここで立ち止まってはいけないと歩みを進めました。
参考記事
はるさん的補足 ヤマトタケルの髪型
この記事で「小碓命(ヤマトタケル)」がまだ髪を額で結ってらっしゃる少年として登場しました。
「ヤマトタケル像」は全国にあるようですが、おそらくこの写真のような髪型で造られている物が多いのではないでしょうか。
この髪型は角髪(ミズラ)といって古代日本の子供の髪型だったようです。
聖徳太子の子供たちもこのような髪型ですね。
「ミズラ」というのは耳に連なるという意味で、髪の形状を表した言葉とされていますが、そのほかに「美面」つまり綺麗なお顔に見えるという意味だとする研究者もいます。
「古事記」で「ヤマトタケル」が焼津に行くのは20代後半なのですが、「ヤマトタケル」は角髪のイメージですね。
古事記の他の記事
古事記の他の記事はこちらからご覧ください。
上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)