(45) 『日本神話タロット』勾玉ノ肆「赤く燃える岩」
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『日本神話タロット』勾玉ノ肆「赤く燃える岩」

これまでのあらすじ

オオクニヌシ」は「ヤガミヒメ」に求婚に行く兄たち「八十神」の荷物持ちとして歩いていると、白うさぎに会いました。

酷い怪我をしていたうさぎは「八十神」に間違った治療法を教えられ、苦しんでいましたが
オオクニヌシ」に正しい治療法を教えてもらい治りました。

そして「ヤガミヒメと結婚できるのはオオクニヌシです」と告げました。

八神姫神社」ヤガミヒメの像

『日本神話タロット 極参』 勾玉ノ肆「赤く燃える岩」

カードの意味

正位置
貧困、スランプ、心のより所をなくす

逆位置
絶望、苦難、不調和

『日本神話タロット 極参』勾玉ノ肆
「赤く燃える岩」の解説文(写し)

ヤガミヒメは八十神達の求婚を断り、オオナムチ(オオクニヌシ)と結婚すると言いました。

ヤガミヒメが自分のものにならない八十神達は面白くないのでオオナムチを殺してしまう計画を練りました。

赤いイノシシを狩りに行くと嘘をついて連れ出し、そっちに行ったぞとオオナムチめがけて、真っ赤に焼けた大岩を転がし下敷きにして殺してしまいました。

参考記事

「古事記」におけるこの場面

伯耆国の手間山(西伯郡南部町天万)
カードの解説文と同じですが
オオクニヌシ」を殺そうとした場所が伯耆国(ホウキノクニ)の手間山(テマヤマ)と記されています。

現在の鳥取県西伯郡南部町天万という所です。
(上の地図の赤い印)

猪と大岩の解釈

オオクニヌシ」はこの後「葦原中国」を平定することになっています。

王様となる人物(神)は試練を乗り越えなくてはいけないという通過儀礼があったのではないかと言われています。

猪も大岩も「古事記」では
猪は
・伊吹山で「山の神の化身として」「ヤマトタケル」と遭遇する
・葛城山で「雄略天皇」を襲って怯えさせる

岩は
・「イザナギ」が「黄泉の国」の出口を岩で塞いだ
・「アマテラス」が天岩戸にこもる

など「神の化身」として描かれる物です。

ですから、この場面は神から「オオクニヌシ」に与えられた試練だったと考えられます。

はるさん的補足 
お兄さんたちからの「いじめ」

試練とはいえ、八十神の「オオクニヌシ」への態度、行動は目に余りますね。

あまりにも酷いので八十神は実の兄ではなく、出雲の小国の若者集団ではないかという説もあります。

いずれにしても酷い。

しかし、古代社会では「成年式」とよばれるものがあったそうなのです。

「成年式」とは

それまで子供扱いされてきた個人を一人前として認めるために1人の若者を集団の構成員が苦しめる儀式です。

そのような物は日本だけでなく古代ギリシャやローマなど世界中で行われていたようです。

そして各国共通でこの儀礼を期して
・社会の一人前の成員になる
・その能力を試すための一定の試練を受ける
・結婚が許される
ようです。

八十神達からの「いじめ」はまだ続きますが「成年式」の儀式だったと捉えることもできそうですね。

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