パープライトは希少価値の高いリチオフィライトが酸化作用によって変化した「二次鉱物」です。
ですからパープライトも希少鉱物です。
二次鉱物とは
既存の鉱物の分解などによって導かれて生成された鉱物の総称。
本体の岩石が形成された後に変成作用や変質作用などで形成された鉱物のこと。
自色の鉱物なので岩絵具に使われます。
パープライトについて
パープライトの名前の由来と和名
ラテン語で「赤紫色」を意味する"Purpura"から1905年に命名されました。
和名はそのまま「紫石」です。
パープライトの成分
パープライトはマンガンのリン酸塩鉱物です。
化学式は
(Mn.Fe)PO4
と表されます。
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「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類
パープライトには兄弟のような石があります。
その名はヘテロサイト。
鉱物学的には
・マンガンが鉄分より多く含まれている石をパープライト
・鉄分がマンガンより多い石はヘテロサイト(別名:鉄紫石)
と分けています。
現在パープライトの名で市場に流通している物の多くは、鉱物学的にはヘテロサイトで、表面を酸で茶色の皮膜を除去することによって鮮やかな紫色を表出しています。
紫外線で褪色することがあります。
日に当たりすぎないように気をつけましょう。
パープライトの硬度
モース硬度 4〜4.5
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パープライトの劈開
二方向に完全
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パープライトの光沢
・ガラス光沢
・金属光沢
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パープライトの石言葉
・頭脳明晰
・合理的
・自信
パープライト 誕生日石
現在の誕生日石には選ばれていません。
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パープライト 岩絵具として
岩絵具は主に鉱石を砕いてつくられた粒子状の絵具で、絵画、彫刻、工芸、建築に用いられる伝統的な顔料です。
パープライトは紫色の岩絵具として使われます。
紫色の鉱物なら何でも紫色の顔料になれるわけではありません。
紫色の鉱物には
などがありますが、それらは他色の鉱物なので本質的に紫色ではないのです。
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[自色]の宝石と[他色]の宝石〜『色の原因となる元素』は構成している主要な元素か
例えばアメジストを粉末状にすると上の写真のように白くなってしまいます。
それはアメジストが水晶 (二酸化珪素の結晶) に鉄という不純物が入った他色の宝石だからです。
パープライトは主要構成成分であるマンガンや鉄が発色しており自色の鉱物なので粉末にしても紫色になることから顔料として使用できるのです。
ただし、現在「紫色の岩絵具」として販売されている物の多くは紫色のガラスの原料と金属を混ぜて作られているそうです。
パープライトの主な産地
パープライトは
・ナミビア🇳🇦
・アメリカ🇺🇸
などでだけ産出される希少な鉱物です。