これまでのあらすじ
第12代景行天皇が即位しました。
景行天皇には多くの后と御子がいます。
景行天皇の后を奪った大碓命(オオウス)
古事記におけるこの場面
景行天皇は美濃の国造の祖先である「大根王(オオネノミコ)」の娘の「兄比売(エヒメ)」「弟比売(オトヒメ)」の顔立ちが美しいと聞き、お召しになろうと決めました。
そして皇子の「大碓命(オオウス)」を派遣しました。
けれども「大碓命」は自分自身でその2人の乙女と結婚し、その上で別の2人の女性を探し、偽って天皇がお求めになっている女性の名前を名乗らせて、景行天皇に差し出しました。
しかし景行天皇は2人の女性が求めていた女性ではないことにお気づきになり、その方々と結婚しませんでした。
そして長い間「大碓命」への恨みを自制し、悩まれていました。
そして「大碓命」が
・「兄比売」と結婚して産まれた子は「押黒兄日子王(オシクロノエヒコノミコ)」といい
美濃の宇泥須和気(ウネスワケ)の祖先になります。
・「弟比売」と結婚して産まれた子は「押黒弟日子王(オシクロノオトヒコノミコ)」といい
牟冝都君(ムゲツノキミ)の祖先となります。
景行天皇は「小碓命(ヤマトタケル)」に
お前がたっぷりと「ねぎつること」(教え諭)しなさい。
と仰せになりました。
しかし5日経っても「大碓命」はやはり御前に出てきませんでした。
そこで景行天皇は「小碓命(ヤマトタケル)」に
まだ「ねぎつること」して(教え諭して)いないのか。
「小碓命(ヤマトタケル)」は
と仰せになりました。
と答えました。
日本神話タロット 極参剱ノ弐(ソード2)「オオウスノミコト」
剱ノ弐(ソード2)の意味
・正位置
延期、先送り、バランスをとる、事実を見ない、否定
・逆位置
迷いや不安、判断ミス、軽率な行動
解説文写し
父に嫁ぐはずだった大根王の娘の兄比売と弟比売の姉妹を見に行った時に、あまりにも美人だったので、自分のものにし、父である天皇に別の娘を贈り、恨みをかいました。
そのために父の景行天皇がこらしめてくるようにと指示を出した弟のオウスノミコトに手足を潰されて殺されてしまいました。
参考記事
はるさん的補足 「ねぎつる」2つの意味
景行天皇は「ねぎつる」という言葉をよく教え諭しなさいという意味で使いました。
「ねぎつる」は本来は労わる、ねぎらうという意味でしたが、
お相撲さんが言う「可愛がり」のように、シゴくという意味もありました。
なので「小碓命(ヤマトタケル)」は違うニュアンスで捉えてしまったようです。
「大碓命」が代わりに連れてきた女性と景行天皇が結婚しない様子を見ていたので「小碓命(ヤマトタケル)」は殺して欲しいと頼まれたと思い込んでしまったのでしょう。
この勘違いが後々悲劇を生むこととなります。
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