「ジルコン」って何?
366日の誕生日石の記事を出したところ
ジルコンの日が13日もありました
たくさんの色があるからです
そうしたところ、多くの方から
「ジルコンは人工のダイヤモンドなの?」
という質問をいただきました
その答えは「no」です
ジルコンは天然の結晶です
「ダイヤモンドの代わりに
使われていたの?」
その答えは「yes」です
ただし、ダイヤモンドの偽物ということではなく
「ジルコン」として、きちんと
愛されていたようです
「ジルコン」の化学式
ZrSiO4
ジルコニウムの珪酸塩鉱物です
(「ダイヤモンド」は c 炭素です)
「ジルコン」の色
天然に存在するのは褐色や赤褐色、紫
が多いようです
しかし、「熱処理」をすると、
青、無色、黄褐色、緑、赤など、殆どの色に
変化します
その「熱処理」はかなり昔から
行われていたそうです
「ジルコン(Zircon)」の名前
「ジルコン」の名前の由来
アラビア語で
「赤」を意味する「ザルクン(zarkun)」
または
古代ペルシャ語で
「金」を意味する(zer)と
「色」を意味する(gun)の
の組み合わせと言われています
「風信子石(ヒヤシンス石)」と
呼ばれる理由
18〜19世紀にヨーロッパで黄〜橙色の石が
流行った時期があり、宝石商が、
「黄色のジルコン」を「ヒヤシンス」と
呼んだそうです
日本に花の風信子(ヒヤシンス)が
渡来したのが安政年間、
明治以降、日本も鉱物学で
「ジルコン」を「風信子石」と
呼ぶようになったようです
「ジルコン」の歴史
44億年前から存在していた
ジルコンの中には微量の
ウランやトリウムなどの
放射性元素が含まれています
そのため放射年代測定に
使用されます
それによると、「ジルコン」は
44億年前から、地球に存在していたそうです
(地球誕生は46億年前
ダイヤモンド誕生は33億年前といわれます)
『旧約聖書』にも登場
「ジルコン」
「ジルコン」は「火の石」とされ、
モーゼに与えられ、
モーゼの兄アーロンの胸当てにつけられた
(出エジプト記 28:15〜30)
と書かれています
16世紀に人気に
イタリアの職人たちが「ジルコン」を主役に
装身具をデザインするようになり、特に
「青いジルコン」の人気が高まりました
その後、既述したように18〜19世紀に
ヨーロッパでの黄色い石ブームもあり
「黄色いジルコン」が人気となりました
「ダイヤモンド」の代用品として
19〜20世紀初頭は無色の「ジルコン」が
「ダイヤモンド」の代用品として
使われるようになりました
「ダイヤモンド」は硬度10と高く
加工しにくく、まだ
扱いづらい石だったのです
一方「ジルコン」は6〜7.5と
加工しやすい硬度なのです
参考記事
しかし、1937年に
「
キュービックジルコニア」が
発明されました
「キュービックジルコニア」の輝きは
より「ダイヤモンド」の輝きに近く、
値段も安いので、「ジルコン」の
「ダイヤモンドの代用品」としての役割は
終わりました
「キュービックジルコニア」は
主に「炭素」に「二酸化ジルコニウム」
などを混ぜて結晶化した人工物です
「ジルコン」「二酸化ジルコニウム」
「キュービックジルコニア」
名前が似ていることから、
混乱されやすく
「ジルコンは人工ダイヤモンド」
という誤解が生じたのでしょう
「ジルコン」が「ダイヤモンド」の
代用品として重宝された理由
透明な宝石は色々あります
ですが、
「ジルコン」と「ダイヤモンド」
だけが金剛光沢という光沢の仕方を
するのです
金剛光沢とは、簡単に言うと
色分散が大きい光沢です
屈折率が高いことから
起こる現象です
他の透明な宝石
例えば
透明なガーネットや
カラーレスサファイア(コランダム)は
亜金剛光沢
方解石やクリアークォーツ、
ゴーシェナイト(透明なベリル)は
ガラス光沢です
亜金剛光沢もガラス光沢も
美しく輝きますが、
光が四方八方に
分散することはありません
「ジルコン」の現在
現在は熱処理をした
「
青いジルコン」が一番人気が
あります
熱処理をしていない、
赤、ピンク、紫、茶色も人気が出てきていて
カンボジアを中心に採掘されています
ダイヤモンドのような輝きがあり、
多くの色を楽しめる天然石「ジルコン」
「風信子石」「ジルコン」
名前を覚えておきましょう
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