『アンモライト』 宝石になった「アンモナイトの化石」(菊石)
アンモライト

アンモライトはカナダのアルバータ州で採れるアンモナイトの化石だけにつけられた宝石名です。

バッファローストーン」という別名もあります。

アンモライトについて

アンモライトとは

アンモライトは白亜紀(6500万年〜1億3500万年前)の後期に生息していたアンモナイトが化石化する過程でその殻表面のアラゴナイト何千万年もの間に地中内の鉱物圧力により影響を受けて宝石のような輝きを見せたものです。

はる
真珠を構成する物質もアラゴナイトです!

アンモナイトの化石は日本を含む世界各地で見つかっていますが、宝石としての価値が認められる良質の物は、地殻の成分や地圧など特殊な条件が揃ったカナダのアルバータ州で採れる7000万年前のアンモナイトの化石のみです。

アンモナイトは一万種以上あると言われていますが、その中の

・プラセンティセラスミーキィ

・プラセンティセラスインターカラレ

・プラセンティセラスコスタータム

の3つの種類だけがアンモライトになります。

アンモライトの名前の由来と和名

まずアンモナイトの名前の由来ですが

古代ギリシャ神話に出てくる「アモン神 (アンモーン)」という羊の角を持った神にギリシャ語の石という意味の「ite」をつけてアンモナイトと命名されました。

アンモナイト

アンモライトはブラックフットインディアンたちによってカナディアンロッキー山脈に沿った地域で発見されたと言われています。

ブラックフットインディアンたちはバッファロー狩りに行く時に幸運のお守りとしてこの石を包んでいたことから「バッファローストーン」とよんでいました。

今でもバッファローストーンと呼ばれることもあります。

アンモライトは

1977年に設立されたコーライト社が現在も世界最大の発掘者で

1981年にCIBJO(国際貴金属宝飾品連盟)によって命名された商標(宝石名)です。

和名はアンモナイトもアンモライトも「菊石」です。

アンモライトの成分

アンモナイトは貝類のように見えますが、イカやタコに近い頭足類が貝殻を持ったものだったと言われています。

アンモナイトは中生代の終わりに恐竜などと共に絶滅し、海退と共にベントナイト堆積物の層に堆積し、化石化した有機宝石です。

有機宝石とは

生物由来で生み出され、宝石として価値があるもののことです。

・真珠

・サンゴ

・象牙

琥珀

・べっこう

などがあります。

アンモライトの主な成分は真珠と同じアラゴナイト(あられ石)で化学式は CaCO3 ですが

その他多くの微量元素 (アルミニウム、ホウ素、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、チタン、バナジウムなど)を含みます。

簡単に言うとアンモライトは

アンモナイト表面のアラゴナイト層が地殻の成分や地圧などによって虹色に反射を生むようになった炭酸カルシウムといえます。

アンモライトは時々
「オパール化したアンモナイト」
と書かれていることがありますが、
・オパールは無機質鉱物のケイ酸塩鉱物
・アンモライトは有機質
なので成分は全く違います。

アンモライトの硬度

モース硬度 3.5〜5

💎参考記事石の硬度を表す「モース硬度」

殻状のアンモライトは非常に薄く、約0.5〜0.8㍉なのでアクセサリーに加工されている物の多くは人造スピネルの一種を被せるなど加工がされています。

アンモライトの光沢

真珠光沢

(イリデッセンス光沢)

イリデッセンスとは

主に宝石の内部構造によって特定の波長の可視光が干渉した結果、

宝石の地色とは別に干渉色として現れる効果のことです。

語源はギリシャ神話の天と地を繋ぐ虹の女神「lris(イリス・アイリス」と言われています。

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

はる
多層によるイリデッセンス効果は
真珠
オパール
レインボーガーネット
アバロンシェル
などにも見られます。

アンモライトの石言葉

・才能

・想像力

・幸運

アンモライト 誕生日石

1/7

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

アンモライトの主な産地

カナダ🇨🇦 アルバータ州

アンモナイトは世界中で見つかります。

日本でも北海道、岩手、富山、山口などから採石されます。

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