前のページ(26)「祝詞と言霊の神 アメノコヤネ」
次のページ(28)「太陽の帰還 神の称号」
「アマテラス」とのウケイによって「スサノオ」の剣から女神(宗像三神)が生まれました。
と宣言した「スサノオ」は高天原に残ることを許されました。
他の神々が怒るものの「アマテラス」は
と言って「スサノオ」を庇っていました。
しかし「スサノオ」の悪行はますます酷くなります。
「アマテラス」が織女に神御衣(カムミソ、神々の衣)を織らせていた時に、「スサノオ」は機屋の天井に穴を開け、皮をはいだ血みどろの馬を投げ落としました。
織女は驚き死んでしまいます。
「アマテラス」は恐ろしくなり、「天の岩屋戸」を開けて引きこもってしまいました。
『日本神話タロット 極参』
しかし弟のことが気になり、棒で窓を作りスサノオの旅立ちを見守ります。
参考記事
しかし、「古事記」や「日本書紀」を見るとそうとは限らないことがわかります。
そして神御衣(カムソ)を織っていた機織り女が馬を見て驚き、機織具を突いて死んでしまった、とあります。
また「岩屋にこもった」というのは「死んで石の墓に葬られる様」を暗示しているとも読み取れます。
そもそも「スサノオ」が高天原来訪した時には武装して闘った「アマテラス」が
黙って岩屋にこもるでしょうか、という疑問はありますね。
ですから「アマテラス」はこの時に
「一旦亡くなり、復活したのだ」という説は有力だと思います。
その踊りと新嘗祭に先立って行われる宮中の祭祀である鎮魂祭と大きな関わりがあると言われています。
鎮魂祭では鎮魂歌が奏でられます。
その中に
「上がります豊日女(トヨヒルメ)」
「御魂(ミタマ)上がり魂上がりましし神は今ぞ来ませる」
という言葉があります。
「豊日女の神上がり(死)と再生」が「アマテラスの岩戸こもりと復帰」に関連しているのではないかと言われています。
「天岩屋神話」は冬至の頃です。
世を照らす光を体現する「アマテラス」の岩戸隠れと再登場は冬至を過ぎて再び夏に向かって反転する太陽に擬えているのではないでしょうか。
「冬至の頃に世を照らす神が来る」というのも世界に共通する考え方かもしれません。
次のページ(28)「太陽の帰還 神の称号」
次のページ(28)「太陽の帰還 神の称号」
(27)『日本神話タロット』ワンド3 「アマテラスの岩戸隠れ」
これまでのあらすじ「アマテラス」とのウケイによって「スサノオ」の剣から女神(宗像三神)が生まれました。
スサノオ
か弱い女神を生んだということで私の心が清らかだと証明されたのだ!
調子に乗った「スサノオ」
高天原に残った「スサノオ」は「アマテラス」が作っている田んぼの畦(アゼ)を壊し、水路の溝を埋め、新嘗祭を行う神殿に糞を撒き散らしました。他の神々が怒るものの「アマテラス」は
アマテラス
糞のように見えるのは酔って吐いた物でしょう。
田んぼの畦を壊したりしたのは土地がもったいないと思ってのことでしょう。
田んぼの畦を壊したりしたのは土地がもったいないと思ってのことでしょう。
しかし「スサノオ」の悪行はますます酷くなります。
「アマテラス」が織女に神御衣(カムミソ、神々の衣)を織らせていた時に、「スサノオ」は機屋の天井に穴を開け、皮をはいだ血みどろの馬を投げ落としました。
織女は驚き死んでしまいます。
「アマテラス」は恐ろしくなり、「天の岩屋戸」を開けて引きこもってしまいました。
(27)『日本神話タロット 極参』棒ノ参 (ワンド3) 「アマテラスの岩戸隠れ」
『日本神話タロット 極参』
ワンド3 カードの意味
・正位置
直感力、実りある計画、旅立ち、尊敬、貿易、拡大
・逆位置
失望、停滞、油断、目標の喪失
『日本神話タロット極参』棒ノ参「岩戸隠れ」の解説文(写し)
スサノオの横行を見守り続けたアマテラスは、そのことがきっかけで織女を死なせてしまったことを悔やみ、天岩戸にこもってしまいます。しかし弟のことが気になり、棒で窓を作りスサノオの旅立ちを見守ります。
参考記事
弟のことが気になり、棒で窓を作りスサノオの旅立ちを見守ります。
というのは「アマテラス」の優しさを表現したヤマモトナオキ氏の素敵な創作です。
窓はともかく、厳罰を受けた「スサノオ」のことは心配だったことと思います。
というのは「アマテラス」の優しさを表現したヤマモトナオキ氏の素敵な創作です。
窓はともかく、厳罰を受けた「スサノオ」のことは心配だったことと思います。
織女と「アマテラス」について
「天岩戸神話」は一般的に織女が亡くなったことで我慢の限界に達した「アマテラス」が岩戸にこもったということになっています。しかし、「古事記」や「日本書紀」を見るとそうとは限らないことがわかります。
「古事記」における表記
「スサノオ」が皮を剥いだ馬を投げ入れた時「アマテラス」は忌服屋(イミハタヤ)にいました。そして神御衣(カムソ)を織っていた機織り女が馬を見て驚き、機織具を突いて死んでしまった、とあります。
「日本書紀」における表記
スサノオが投げた馬を見て驚いたのは神衣(カムソ)を織っていた「アマテラス」で機織りの器具で怪我をしたとあります。織女は「アマテラス」か
つまり「古事記」からも「日本書紀」からも織女が「アマテラス」で、驚いたことが原因で亡くなってしまったと読み取ることができるのです。また「岩屋にこもった」というのは「死んで石の墓に葬られる様」を暗示しているとも読み取れます。
そもそも「スサノオ」が高天原来訪した時には武装して闘った「アマテラス」が
黙って岩屋にこもるでしょうか、という疑問はありますね。
ですから「アマテラス」はこの時に
「一旦亡くなり、復活したのだ」という説は有力だと思います。
はるさん的補足
「アマテラス」が岩屋にこもっていた時に「アメノウズメ」が神がかった踊りを披露しました。その踊りと新嘗祭に先立って行われる宮中の祭祀である鎮魂祭と大きな関わりがあると言われています。
鎮魂祭では鎮魂歌が奏でられます。
その中に
「上がります豊日女(トヨヒルメ)」
「御魂(ミタマ)上がり魂上がりましし神は今ぞ来ませる」
という言葉があります。
「豊日女の神上がり(死)と再生」が「アマテラスの岩戸こもりと復帰」に関連しているのではないかと言われています。
「天岩屋神話」は冬至の頃です。
世を照らす光を体現する「アマテラス」の岩戸隠れと再登場は冬至を過ぎて再び夏に向かって反転する太陽に擬えているのではないでしょうか。
「冬至の頃に世を照らす神が来る」というのも世界に共通する考え方かもしれません。
古事記の他の記事
古事記の他の記事はこちらからご覧ください。
上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
前のページ(26)「祝詞と言霊の神 アメノコヤネ」次のページ(28)「太陽の帰還 神の称号」