(83)『日本神話タロット』「コノハナサクヤ」古事記に富士山は?
「鏡ノ女王」 カップのクイーン


81までで「 古事記 上巻」に書かれている内容は終了しました。

日本神話タロット」に「 コノハナサクヤ 」のカードがあるので、この記事では

・カードの紹介と
・記紀に富士山の記載がないのは何故か、3つの説を紹介します。

上巻の記事一覧

「コノハナサクヤヒメ」についてのまとめ

・「古事記」一の美女

ちなみに、「」は、美しい「コノハナサクヤ(木花佐久夜)」のように美しい花を咲かせるので「」と名づけられたそうです。

・天孫「ニニギ(邇邇芸)」に笠沙の岬(鹿児島県薩摩半島の野間岬)で見初められ結婚。

しかし一夜で妊娠したため、「ニニギ」に「浮気をしたのだろう」と疑われてしまいます。

ニニギ」の子であることを証明するために火の中で出産し、「ホオリ」「ホデリ」などを無事に産みました

この記事に出てくる神々の系譜

鏡ノ女王(カップのクイーン)の意味

正位置

慈悲、直感、母性、博愛、協調性

逆位置
過保護、嫌な予感、求めていない相手、不誠実

『日本神話タロット 極参』 鏡ノ女王(カップのクイーン)の解説文(写し)

コノハナノサクヤ」は「ニニギ」と離縁し「オオヤマツミ」の元で3人の子を愛情かけて育てました。

火中出産をしたことで父の「オオヤマツミ」から富士山を譲り受けます。

コノハナサクヤ」は「水の神」でもあり、火を鎮めることができるため、火山である富士山を鎮静するために、そこに宮を建て住まう事で、この国を富士山の噴火から守っています。

参考記事

「コノハナノサクヤヒメ」
と富士山

コノハナサクヤヒメ」は富士山本宮浅間大社など、浅間神社の主祭神として祀られています。

詳しくは(77)鏡ノ捌「離縁」をご覧ください。

富士山本宮浅間大社

「古事記」や「日本書紀」に登場しない富士山

今は「コノハナノサクヤヒメ」といえば
浅間大社
富士山の守り神」のイメージが定着しています。

けれども、「古事記」や「日本書紀」には「富士山」の記述がありません。

ヤマトタケル」が「焼津」に行っているのですから、

富士山」を見ているのだろうと思いますが、

何故か「富士山」という言葉も、

富士山に相当すると思われる山」も出て来ないのです。

(780年ごろに編集された「万葉集」には山部赤人(700〜736)の富士山を神格化している歌があるので、
古事記」や「日本書紀」を編纂した人たちが「富士山」を知らなかったということは考えられません。)

ではなぜ「古事記」に「富士山」が登場しないのでしょうか

3つの説を紹介します。

「富士山」の周辺に「富士王朝」があったという説

富士山」の噴火や水害で跡形も無くなっていますが、

富士王朝」があったという説があります。

それを、「記紀の編纂を命じた天皇家や当時の権力者である藤原氏が隠したかった」と推測する人もいます。

「富士山」こそ「高天原」だという説

高天原」の地を巡っては、さまざまな説があります。

その一つが「富士山」です。

つまり「富士山」はすでに「高天原」として登場しているので、固有名詞として「富士山」を出せなかったというものです。

「富士山」は多くの山の一つに過ぎなかった説

紀元前の噴火を除けば、

富士山」は781年以降200年間で10回、江戸時代になってからは2回(1627年、1707年)噴火をしています。(諸説あります)

記紀の編纂は712年と720年なので、

それまで「特別に意識される山ではなかった」という説です。

まして
東国に出向くことなどほとんどなかった大和朝廷の人々にとって、「富士山」は「未開の地」の象徴であったので、

書く必要がなかったのではないかという解釈です。

はるさん的考察

「富士山」を「高天原」とするのは不自然

古事記」には多くの地名が登場します。

その中で「高天原」を日本のある特定の場所と設定するのは無理があると思います。

また「高天原」は天津神のいる場所なので、「富士山」が「高天原」であるとするのは

神武天皇」の「東征」という言葉とも矛盾があるでしょう。

当時から「富士山」は特別な山だった

富士山」は古事記編纂以降も噴火を繰り返しているので、現在の形状や高さではありません。

しかし、「富士山」の周りには古墳や貝塚が多く残されていること、海も近く温暖な気候であることから考えて、「富士山」周辺には多くの人が住んでいたと考えるのが自然でしょう。

そうした場合、王朝と呼べるかどうかはわかりませんが、相当のリーダーがいる集団を形成していたのではないでしょうか。

また、日本には古くから「山岳信仰」があるので、「富士山」を神と崇めていないとは考えにくいと思われます。

であれば「富士山」の存在をあえて隠したと考えるのが自然だと思います。

「古事記」にあまり記述がない神々

古事記」には重要そうなポジションにも関わらず、殆ど記述のない神が存在します

・「アメノミナカヌシノカミ
最初に出現した神

・「ツクヨミ
アマテラスオオミカミ」や「スサノオ」と一緒に産まれた夜を司る神

・「ウガヤフキアヘズ
神武天皇」のお父さん

あまり都市伝説風にしたくはないのですが、これらの神々の記述があまりにも少ない事から、この中の誰かやその子孫が「富士山」を含む東国を統治していた可能性があると思います。

そして、その存在は歴史書に残したくなかった?

古事記」に書かれていることも面白いですが、書かれていないことから考えるのも面白いですね。

古事記の他の記事

古事記の他の記事はこちらからご覧ください。

上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)

中巻(神武天皇から応神天皇)

下巻(仁徳天皇から推古天皇)

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コメント一覧
  1. 「富士山」は、その姿だけでも山岳信仰に相応しい山ですよね❗️それに、近付きがたい感じもなく、周辺に多くの人が住んでいたという考察は、納得!!
    「古事記」に書かれていないことから色々と想像がふくらみますね(笑)

    • ありがとうございます♪
      富士山は神々しいですよね
      色々想像すると楽しいです

    • 確かに、東征という視点からだと、富士山を高天原とするには矛盾がありますね。。
      あまり考えたことがなかったので、読むだけでも新鮮です

      • ありがとうございます♪
        神話として捉えるのと、藤原不比等や持統天皇などへの忖度ある書物と捉えるのと2つの観点で見るとまた面白いです。

  2. 富士山が書かれていないのは、忖度から書きたくなかったからか、神話から富士山が重要だと思われていなかったからか、、、。書かれていないことを推測することも歴史書を繙く面白さなんですね。

    『極参 鏡ノ捌』に、「江戸時代にコノハナノサクヤヒメは浅間神社と結び付いた」、とありますが、古事記が書かれたころはまだ富士山浅間神社の守り神ではなかったのかな?

    美しいコノハナノサクヤヒメのカードにうっとり。いつまでも見飽きないです。

    • ありがとうございます♪
      このカード、ホント綺麗ですよね
      さすが古事記一番の美人!に相応しいカードです
      コノハナノサクヤヒメが富士山の守り神になったのは江戸時代です
      それは確かなようです。

      それまではおそらく日本全国の地元に広がる「山岳信仰」の一つだったと思われているようです。
      ただ、富士山は江戸時代まで噴火を繰り返していたのできちんとした記録が残っていないようです
      古文書という形で、少し記録があるようなので、今後研究が進むかもしれません。

  3. いっちゃんコメント

    赤人が高らかに読むくらいだから、当時既に特別に美しい山であったことは間違いなく、注目に値しない山だった説はないでしょう

    高天原もはるさんのいうように神武東征と矛盾するし、そもそも富士山が高天原なら東国のステイタスはもっとずっと高くて然るべきところ、蝦夷、東蝦夷などと未開の地としてかなり低めに見られてきたことと矛盾しますね

    出雲や熊襲のように抵抗勢力があり無視したというのは斬新な案ですね

    一方で、万葉集は勅撰集でないものの天皇の歌も多く編纂に朝廷が関与しているのは間違いないので、隠す、無視する、といったことをどう理解すればいいか、頭が混乱してきます

    古事記、日本書紀が成立する720年と万葉集が成立する780年頃とのあいだに約60年間の開きがあるので、その間に為政者たちの価値観が変化したか

    もはや富士政権など誰も相手にしないくらいに大和政権が強大化したとか

    いや、でも100年以上も前の663年には白村江の戦いで朝鮮で戦争をするくらいだから既に国内統治は盤石だったんじゃないかな

    じゃあ、初めに戻って、富士山はこの60年間に大噴火があり普通の山から美しい霊峰に姿を変えたのか?
    などと色々思いを巡らせてくれる大変興味深い題材でした

    • ありがとうございます♪

      富士山の噴火が781年、、、微妙に改ざん又はズレたことも考えられますが、富士山の形状が著しく変わった、又は噴火による被害が大きくて富士政権?が力を失ったかもしれません

      反対に天皇の存在は記紀の編纂後に急拡大したと言われているので、この80年間に、強大なライバルから
      取るに足らない存在になったことも考えられますね(富士政権?が)

      私は、いっちゃんさんのコメントを拝読するまで、赤人が、いつ詠んだかに着目していて、万葉集の編纂年を考えていませんでした

      編纂が重要ですね、勉強になりました

      ありがとうございます‼️

  4. 私もはるさんの補足に同意します。
    一つの”国”の存在は痕跡あります以上、間違いないと思います
    要するに古事記は歴史的事実を隠蔽してまで神の歴史、系譜を守りたいと思われたのでしょうか(私見です。)
    古事記と日本書紀。あらためて”何かを隠しています”。

    • ありがとうございます♪♪
      富士山について書かれていないのは絶対におかしいですものね!
      何かを隠していると思います❗️

  5. コノハナサクヤヒメは、容姿端麗、火の神、火を静める神、水の神なので、美しい火山の富士山の神にぴったりですね。
    本来は、山の神のオオヤマツミが祭神になるところ、十分代わりになる、と浅間神社の宮司や社務を司る方々は判断されたのでしょうね。
    『父のオオヤマツミから富士山を譲り受けた』のは、江戸時代になってからですね。

    富士山周辺に載せたくない政権があって、東征する頃に勢力が自然に弱まっていったとしたら、記載されなく征伐もされなかった理由がうまく説明できますね。
    あるいは、可能性は高くないですが、編集者にとって日本の西側は身近で、遠い富士山には、関心がなかったのかもしれないですね。
    コノハナサクヤヒメは、鹿児島や、宮崎で過ごされたのに、遠く関東の数多くの浅間神社で祭られているなんてすごいです。

    • ありがとうございます♪
      コノハナサクヤヒメと富士山はピッタリだと思いますが江戸時代に結び付けられたのですね。
      江戸時代に国学者が古事記などの研究をし、全国的に地元の神社と日本神話の神々が結びついたようですね。
      コノハナサクヤヒメの人気は中でも絶大だったということでしょう。
      富士山は意図的に書かれなかったのだと思います。
      古事記などの編纂に大きく関わった藤原不比等や天皇家にとって、載せたくない物があったと考えるのが自然のように思います。

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