【シーライト】(灰重石)日本でも産出!タングステンの主要鉱石
シーライト(黄色い部分)  この写真はWikiからお借りしました

シーライト(灰重石)はタングステンの主原料として日本でも産出される鉱物ですが

高い分散率(ファイア)を放ち、透明なシーライトはダイヤモンドの代用品として使われていたこともありました。

宝石の分散率とは、光が宝石を通過する際に波長(色)ごとに屈折率が異なるため、白光が虹色の光に分かれる現象のことです。

・鉱物の分散率

宝石名分散率 (B–G)特徴
スフェーン0.051ダイヤモンドを超える非常に強いファイア
デマントイドガーネット0.057ガーネットの一種で鮮やかな虹色を放つ
ダイヤモンド0.044屈折率(2.417)と分散のバランスが理想的
灰重石(シーライト)0.026ダイヤモンドに次ぐ高水準のファイアを持つ
ジルコン0.039天然石の中でトップクラスの眩しい輝き
ルビー / サファイア0.018低め(色の深みや透明感が主体の宝石)
エメラルド / クォーツ0.013–0.014ファイアはほとんど目立たない

シーライト(灰重石)について

シーライト(灰重石)は1751年、スウェーデンのダラーナ地方セーテルにあるビスプベルグス・クラック山(Mount Bispbergs klack)で初めて記載されました。

スウェーデンのダラーナ地方

シーライト(灰重石)の名前の由来

シーライト(scheelite)という名称は、スウェーデンの化学者カール・ヴィルヘルム・シェーレ(1742–1786)にちなんで付けられました。

「シェーライト」と表記されることもああります。

和名は成分から「灰重石(カイジュウセキ)」です。

灰:カルシウム 重石:タングステン


シーライト(灰重石) この写真はWikiからお借りしました

命名の由来 カール・ヴィルヘルム・シェーレ氏について

カール・ヴィルヘルム・シェーレ(Carl Wilhelm Scheele, 1742–1786)は、18世紀のスウェーデンで活躍した化学者・薬学者です。

生涯を薬剤師として過ごしながら、圧倒的な実験技術で数々の重要な元素や化合物を発見しました。

主な業績は

・酸素の発見

ジョゼフ・プリーストリーよりも早く酸素を実験によって発見し、「火の空気」と名付けました。

しかし、論文の出版が遅れたため、第一発見者の栄誉は一般にプリーストリーに譲ることになり、「最も不運な化学者」と呼ばれる一因となりました。

・多数の新元素の発見・存在確認

塩素・モリブデン・タングステン・バリウム・マンガンの発見と研究

・有機酸・無機酸および有機化合物の発見

有機酸・化合物:酒石酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸、グリセリン

無機酸・毒物:フッ化水素酸、シアン化水素(青酸)、ヒ酸

も発見しています。

・顔料や産業・技術への貢献

銅とヒ素から鮮やかな緑色顔料「シェーレ緑(Scheele's Green)」を合成。

骨灰からリンを安価に抽出するプロセスを開発。

食品保存技術として、現在の低温殺菌(パスチャライゼーション)に先駆ける技法を考案。

大学教授などの誘いを断り、一薬剤師として実験に没頭し続けた化学史上の天才です。

危険な薬品でも臭いを嗅いだり舐めたりして性質を確かめる癖があったため、毒素の蓄積により43歳で急死したとされています。

シーライト(灰重石)の成分

シーライト(灰重石)はタングステン酸カルシウム鉱物です。

化学組織は

CaWO4

と表されます。

参考

Ca:カルシウム W:タングステン O:酸素

シーライト(灰重石)の産出状態と共存鉱物

シーライト(灰重石)は接触変成作用によるスカルン、高温の熱水鉱脈、グライゼン(雲英岩)に産出します。

共存する代表的な鉱物には、キャシテライト(錫石)、マンガン重石、トパーズ、フローライト(蛍石)、アパタイト(燐灰石)、トルマリン(電気石)、石英、(アンドラダイト)灰鉄柘榴石

灰礬柘榴石、ダイオプサイト(透輝石)、アイドグレース(ベスブ石)、トレモライト(透閃石)などがあります。

通常、錫を含む鉱脈に産出し、時には金と共存することもあります。

シーライト(灰重石)の結晶系

結晶系は正方晶系です。

シーライト(灰重石)の硬度

モース硬度 4.5〜5

💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

シーライト(灰重石)の劈開性

一方向に明瞭

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?

シーライト(灰重石)の靭性

シーライト(灰重石)は脆い鉱物です。

シーライト(灰重石)の色

無色や白色、淡黄色、灰色、帯緑色、帯赤色などです。

シーライト(灰重石)の光沢

金剛光沢、ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

シーライト(灰重石)の用途

シーライト(灰重石)は

シンチレータ、あるいは固体レーザー用媒質として利用されます。

かつては硫化亜鉛と同様にラジウム塗料にも用いられたほか、

トーマス・エジソンは灰重石を塗布したスクリーンを持つ蛍光鏡(透視鏡)を発明しました。

これは白金シアン化バリウムを用いたものより画像を6倍明るくする効果があり、後者の化学物質によってレントゲンは1895年11月初旬にX線を発見しました。

シーライト(灰重石)の石言葉

シーライト(灰重石)の石言葉は

・奇跡の扉

・清廉潔白

・堂々

・決意の変容

です。

シーライト(灰重石)誕生日石

シーライト(灰重石)は「366日宝石図鑑」で12/9の誕生日石に選ばれました。

シーライトの命名の由来となったカール・ヴィルヘルム・シェーレは

1742年12月9日生まれです。

シーライト(灰重石)の主な産地

シーライト(灰重石)の主な産地は

・イギリス🇬🇧

・チェコ🇨🇿

・スイス🇨🇭

・アメリカ🇺🇸

・中国🇨🇳

・日本🇯🇵 では

山梨県の金峰山(キンプザン)や山口県の喜和田鉱山や京都府の大谷鉱山で産出されます。

シーライト(灰重石)の発見地 スウェーデンのダラーナ地方ビスプベルグス・クラック山

(写真はwikiからお借りしました)

・上空から見たビスプベリの丘

・ビスプベリ山




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