【ネフライト】(軟玉)「ヒスイ」とよばれたり除外されたり、、、

ネフライトはかつてヒスイと混同されてきた石です。

緑色のヒスイとよく似ていますが、最も価値が高いとされているものは白色のネフライトです。

ネフライトについて

かつてはヒスイだと思われていたネフライト

ネフライトは見た目がヒスイによく似ているため、かつてはヒスイと言われてきました

しかし、1863年に鑑別技術が発達すると、成分が違う2種類の石をヒスイとよんでいたことが判明しました。

むかしのヒスイ(勾玉などの装飾品や祭祀品)は

ジェダイト(硬玉・本翡翠)
ネフライト(軟玉)

が混在しています。

現在「ヒスイ」といった場合はたいていジェダイトのことを指します。

海外に行くとJade (ジェイド)という言葉をきくことがあると思いますが、
ネフライトとヒスイの両方を指します

Jadeという宝石はありません

中国というとヒスイの印象がある方も多いと思いますが、ネフライトの方が歴史が古くおよそ1万年前から武器や装飾品などに使われてきました。

故宮博物院所蔵のジェイド(ネフライト)

これらはジェイドと書かれていますが、ネフライトです。

ネフライトの名前の由来と和名

ネフライトは古代ギリシャ語で

腎臓を表す「nephritis」に

をあらわす「ite 」を付けたと言われています。

これは、昔インディオたちが治療目的で腰に付けていた「温石」が腎臓の形に似ていたからのようです。

ネフライト和名は軟玉(ナンギョク)です。

鉱物名は成分から

アクチノライトトレモナイト (透閃石ー緑閃石) です。

ネフライトの成分と色

ネフライトトレモライトアクチノライトが混ざり合った鉱物です。

化学式は Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2

ネフライトには白、緑、濃緑、黄緑、淡黄、黒があります。

アクチノライトが多いと鉄分によって緑色になり、

トレモライトが多いとマグネシウムによって白っぽくなります。

炭素が入りこむと黒くなります。

白く緻密で結晶の筋が見えないくらい細やかな肌のようなネフライトが人気があり

中国のウィグル自治区でだけ採れる「和田玉(ホータンギョク)」は生産量が少なく、最高級とされています。(1番上の写真の左の石)

その内「羊脂玉(ヨウシギョク)」とよばれる白いネフライトは最高級品として故宮博物院に納められています。

ネフライト(故宮博物院所蔵)

はる
和田玉は中国内での人気が高く、海外に出ることが殆どないそうです。
価格が高騰し、一般人の手には届かなくなりました。

ちなみにネフライトは軟玉という和名がつけられていますが、ヒスイより柔らかいわけではなく、傷がつきやすいのです。

ただし繊維質割れにくい性質があるため、太古から彫刻を施したり農耕器具に使うのにぴったりだったのでしょう。

キャッツアイ効果のあるネフライト

ネフライトアクチノライトの繊維状集合体ですが、石綿の繊維が規則的に配列される物があり

きれいにカボションカットをするとキャッツアイ効果が表れる物があります。

キャッツアイ効果とは

宝石に上から光を当てると、宝石の表面に猫の目のような光の線が現れ、石を動かすとその線が移動する光の特殊効果のこと。

シャトヤンシーともいいます。

ネフライトの硬度

モース硬度 6〜6.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

ネフライトの光沢

脂肪光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

ネフライトの石言葉

・健康

・知恵

・繁栄

・安らぎ

ネフライト 誕生日石

ネフライトキャッツアイ

11/5 ネフライト・キャッツアイ

ネフライト・キャッツアイの石言葉は「まなざしの魅力」です。

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

2008年の北京五輪のメダルに使用されたネフライト

ネフライトをさらに有名にしました

中国の富裕層にとってネフライトは社会的なシンボルです。

ネフライト北京五輪のメダルにも使用されました。

ネフライトの主な産地

・アメリカ🇺🇸

・カナダ🇨🇦

・ニュージーランド🇳🇿

・ロシア🇷🇺

・台湾🇹🇼

・日本🇯🇵

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コメント一覧
  1. 才色健躾 より:

    冒頭のお写真白ネフライトの産地は”中国ウィグル自治区”と記され驚きました…何と申しましょうか”あの”色んな意味合いの地区ですね。
    1万年前よ武器として用いられました事は繊維質にて割れにくい事からですね。
    鉄分とマグネシウムにより配色も相違…人間の身体に於いては形成の役割は同じ。然りながら鉱石では別の特異性を発揮するのですね。
    硬度6であれば美しいキャッツアイ効果を齎す指輪も施せますね。

    • 久子 より:

      色は余りキラキラしていませんが、中国では珍重されている石なんですね!カボションカットするとキャッツ・アイになるのは初めて知りました。キャッツ・アイなら、身につけてみたい

      • harusan0112 より:

        久子さん
        ありがとうございます♪
        私もキラキラとか透明感がある石が好きなのですが、このようにコロンとした小石のような石も使い勝手が良くて重宝されますね。
        緑のネフライトキャッツアイは本当に「眼差し」を感じてしまいますね。

    • harusan0112 より:

      才色健躾さんへ

      ありがとうございます♪

      そうなんです
      あのウィグル地区です
      重要な財源でしょうね
      成分によって色が変わり、価値も変わる、、、
      私は白いネフライトを見たのは宝石展でだけ。
      日本にはあまり来ないのでしょうね

  2. みゆき より:

    ヒスイならぬネフライトは、中国で特に珍重されているんですね。確かにヒスイは中国のイメージが強く故宮博物院などに展示されてそうですが、実際のところネフライトの方が歴史も古く、白色のネフライトに最高級品があるのですね。北京五輪のメダルに使用されてたという事も初耳でした

    • 佐々木心江 より:

      ネフライトのキャッツアイがめちゃ綺麗ですね。ヒスイにみえちゃう〜。
      まなざしの魅力!
      中国人には人気なのもわかりますね!はるさん♥️いつも有難うございますෆ⁠╹⁠ ⁠.̮⁠ ⁠╹⁠ෆ

    • harusan0112 より:

      心江さん

      ありがとうございます♪
      故宮博物院に展示されている古いジェイドはネフライトのようですね。
      それは意外でしたが、繊維質の特性を考えると、数千年前の物が完全な形で残されているのも納得です。
      白いネフライトは殆ど見たことがなかったのですが、希少だったのですね。
      もちろん金メダルは白でした。

    • harusan0112 より:

      みゆきさん
      ありがとうございます♪
      ヒスイと言われていたので
      仕方がないですが、2種類の石だったのですね。
      緑色のネフライトはよく見かけるのですが、ヒスイの方が高級感があるように思ってました。
      しかしネフライトの魅力は白だったんですね!
      ️金メダルに白が使われています。

  3. さゆ より:

    カボションカットされたネフライトはきれいですね。
    北京五輪のメダルにはネフライトが入っていたのですね。素敵です。
    白色の羊脂玉のネフライトはあまり採れなくて、需要があるので高価なのですね。
    普通のネフライトは、多めに採れるので半貴石であり、ジェダイトより安価と考えていいでしょうか?
    黄緑や淡黄色など黄色っぽいネフライトの発色原因は、マグネシウムでしょうか?

    • 匿名 より:

      さゆさんへ

      ありがとうございます♪
      キャッツアイ効果の緑色のネフライト、きれいですね。
      丈夫なので、数千年経っても割れないのが魅力です。
      緑色のネフライトはヒスイほどの輝きがないように思います。
      ヒスイの品質もピンキリですが、一般的な物であれば緑色のネフライトよりヒスイの方が値段は高いです。
      ネフライトの化学式はとても長いので(笑)化学反応やその他地質の影響で色が決まるのでしょう。
      淡い黄色も象牙のような色で素敵ですね!

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