【ツァボライト】ティファニー社が採掘地から命名したガーネット
ツァボライト

ツァボライトガーネットグループの1つです。

鉱床のあるケニアのツァボ・イースト国立公園からツァボライトと命名されました。


💎ガーネット全般についてはこちらをご覧ください

 

ツァボライトについて

ツァボライト

ツァボライトとは

ツァボライトガーネットグループの一つで、緑色の宝石です。

ガーネットというと一般的に濃い赤色の宝石を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし、価値が高いのは緑色。

ツァボライトデマントイドガーネットとされています。

ツァボライトの名前の由来と和名

ツァボライトはイギリス人の宝石探鉱者・地質学者のキャンベル・R・ブリッジズ氏によって1967年にタンザニアで発見されました。

ブリッジズ氏は石の輸出を試みましたが、タンザニア政府が許可しなかったため、隣国のケニアで探したところ、

1971年にケニアで鉱床を発見し、採掘許可を得ることに成功しました。

当初は「グリーン・ガーネット」と呼ばれていましたが、

1974年にティファニー社が鉱床があるケニアのツァボ・イースト公園にちなんでツァボライトと命名しました。

はる
その後、2003年にブリッジズ氏はツァボ・イースト国立公園にある私有地で殺害されました。

宝石鉱山の出入りに反対する群衆によるものとされています、、、。

和名は成分から灰礬柘榴石(カイバンザクロイシ)です。

ツァボライトの成分

ツァボライトはガーネットクループの一つであるグロッシュラー・ガーネット(灰礬柘榴石)という種類に属します。

化学式は Ca3Al2(SiO4)3

カルシウムとアルミニウムが入っているのが特徴です。

純粋なグロッシュラー・ガーネットは無色ですが、バナジウムクロムが含まれることによって緑色のツァボライトになります。

様々なガーネット

単にガーネットというと赤い石を指すことが多いのですが、

実はガーネットグループ X3Y2(SiO4)3という珪酸塩鉱物グループ名なのです。

ガーネットは化学成分によって多くの種類に分けられます。

代表的なものは

アルマンディン・ガーネット(鉄礬柘榴石)

鉄とアルミニウムのガーネット

化学式は Fe3Al2(SiO4)3

パイロープ・ガーネット(苦礬柘榴石)

マグネシウムとアルミニウムのガーネット

化学式は Mg3Al2(SiO4)3


アンドラダイト・ガーネット(灰鉄柘榴石)

カルシウムと鉄のガーネット

化学式は Ca3Fe3+2(SiO4)3

写真はアンドロダイトの一つデマントイド・ガーネット

などがあります。

大阪大学の森本信男教授のお名前がついた森本柘榴石
国立科学博物館の加藤昭氏のお名前のついた加藤柘榴石というものもあるそうです!

ツァボライトの硬度

モース硬度 6.5〜7.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

ツァボライトの光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

ツァボライトの石言葉

・不変の愛

・忍耐力

・生命力

・落ち着き

ツァボライト 誕生日石

ガーネットは1月の誕生石です。

ツァボライトは

・1/9

・5/30

の誕生日石です。

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石」 

ツァボライトの主な産地

・タンザニア🇹🇿

・ケニア🇰🇪

・マダガスカル🇲🇬

その他 南極でも発見されています!

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コメント一覧
  1. さゆ より:

    ガーネットを化学成分で分類していただき、ありがとうございました。とても分かりやすかったです。
    ガーネットは宝石の種類が多くて、ひとつひとつ学ぶことが多そうです。
    形はどれも柘榴の粒そっくりですが、組み合わせでいろいろな色が出来るのですね。
    漢字の灰はカルシウム、礬はアルミニウムのことでいいでしょうか?
    森本柘榴石も加藤柘榴石も黒色ですね。
    ツァボライトの原石はちょっと渋い濃淡の抹茶色でステキです。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      ガーネットは成分も色も様々で、私にとってとても難しい宝石です。
      カルシウムの和名は石灰
      アルミニウムは礬素というそうです。ツァボライト、いい色ですね。
      人気が出るのもわかります。

  2. まいこ より:

    ティファニー社がタンザニアに鉱床を持っていたことも初めて知りました。ツァボライトもタンザナイトもティファニーマジックでさらに素敵な進化しますね。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      ツァボ公園はケニアですが、ティファニー社が鉱床を買ったようですね。
      しかもネーミングセンスと宣伝が上手いのでしょう。
      タンザナイトもツァボライトもいい名前ですし、人気の石になりましたね。

  3. 才色健躾 より:

    この度のツァボライトのサブタイトルは“悲しい石”と云うに相応しいですね
    後発的なお国では領土に関する問題も多岐に渡りますね
    ガーネットの基本的な成分は鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム
    バナジウム、クロムなど多種の元素を含むことにより配色は変化に富むのですね
    主な産地は亜熱帯地区。その中に南極も…太古は同じ環境下に属されていたのでしょうか…

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます
      ツァボライトは比較的新しい石にも関わらず、きちんとした契約を結ばなかったのでしょうか。
      悲しいお話しです。
      ガーネットは種類によって成分が違うのにガーネットという一括りで呼ばれるのが不思議な感じがします。
      タンザニアで輸出の権利が取れなかったから、ケニアに行って探し当てた!
      鉱脈を調査し尽くしたから出来たことだとおもいます。
      マダガスカルはスリランカと繋がっていたのではないかという説はよく聞きます。
      南極の一部も繋がっていたかもしれません。
      地殻変動の歴史と過程を知る上で、石の成分や内包物が役に立っています。

  4. みゆき より:

    1月の誕生石ガーネットは赤い色だと思ってました。
    ガーネットグループという珪酸塩鉱物のグループ名もあって、それに色々な種類のガーネットが所属していたんですねー。ツァボライトの落ち着いた緑色もとても好きです❤️ただ発見者が後に殺されてしまうとはショッキングですね。それだけ高価な物なのでしょうね。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      ガーネットは赤、緑、黄色、ピンク、オレンジなど色々な色があって綺麗です。
      映画になりそうなお話しですが、発見者と利権を買った人、地元とは軋轢がありそうですね。
      鉱山で働く人は過酷でしょうから、見合った給料が支払われているといいですね。

  5. ミカリン より:

    ティファニーは、あちこちに鉱山持っているのですね!今更ながら、納得です。緑のガーネットがあるのは知りませんでした。緑が深くて、高貴な感じがしますね‼️

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      さすがティファニー様ですね!
      タンザナイトと共にネーミングセンスも抜群
      あっという間に人気の石になりました

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