『ユークレース』「脆玉石」色も儚げで割れやすく脆い鉱物
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ユークレース

ユークレースは19世紀に発見された、レアストーンです。

ベリルやトパーズに似ていますが成分が少し違い、割れやすい宝石です。

ユークレースについて

ユークレース

ユークレースの名前の由来

ユークレースは硬度(傷つきやすさ)は低く無いものの、割れやすい性質です。

フランスの鉱物学者ルネ=ジュスト・アユイはギリシャ語で

「簡単に」という意味の eu

「壊れる」という意味の klasis

からユークレース (euclace) と命名しました。

アユイ氏は「結晶学の父」と呼ばれる人物です。

アウイナイト
アユイ氏にちなんで命名されました。

また、アユイ氏は
ダイオプテーズ
アイオライト
も命名しました。

和名は「脆玉石 (ゼキギョクセキ)」ということになっていますがあまり使われていなく、科学館でもユークレースとだけ表記しています。

ユークレースの成分

ユークレースはベリリウムを含む珪酸塩鉱物です。

化学式は

BeAlSiO4(OH)

と表されます。

ベリリウムを含む珪酸塩鉱物といえばベリル Be3Al2Si6O18です。

実際、ユークレースはトパーズ Al2SiO4(F,OH)2 やベリルなど他の鉱物とともに産出されるのが一般的です。

ユークレースはベリルが変化して生じた(仮晶)と見られる場合が多いです。

宝石の仮晶とは

鉱物の結晶形が保たれたまま中身が別の鉱物によって置き換わることで、本来はありえない外形をとる現象のことです。

仮晶が起こる原因としては

・鉱物同士が温度や圧力の変化などにより入れ替わる場合

(例 アイオライトの仮晶桜石)

桜石

・鉱物が化学反応を起こして似た組成の鉱物となったり一部の成分が取り残された場合 

(例 アズライトの仮晶マラカイトベリルの仮晶ユークレース)

・鉱物が溶け去った後の空間を別の鉱物が埋める場合と、結晶の表面をおおう殻状の場合 

(例 アンモライトシェルオパール)

などがあります。

ユークレースの色

純粋なユークレースは無色透明です。

しかしユークレースは不純物が入りやすい鉱物です。

・鉄やチタンが含まれると青に

・クロムが含まれると緑色に

なると言われています。

黄色やピンクのユークレースも見つかっていますが、生産量がとても少ないことから発色原因はまだわかっていません。

青が最も一般的ですが、一つの石が全部青色というのは稀で、透明と青色が混ざりあっているバイカラーの物が多いようです。

ユークレース

ユークレースの硬度

モース硬度 7.5


💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

ユークレースの劈開

完全な劈開

割れやすい鉱物ですが、現在は熟練のカット職人によってアクセサリーも作られるようになりました。(とっても高価ですが。笑)

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」

ユークレースの光沢

ガラス光沢


💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

ユークレースの石言葉

・希望

・夢

・奇跡

ユークレース 誕生日石

現在の誕生日石には選ばれていません。

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

ユークレースの主な産地

ユークレースは

・ブラジル🇧🇷

・コロンビア🇨🇴

・ロシア🇷🇺

・ジンバブエ🇿🇼

・アメリカ🇺🇸

などで産出されています。

日本では岐阜県中津川市の福岡鉱山で微細な (アクセサリーにするには小さすぎる) 結晶が発見されています。

福岡鉱山からはアクアマリン(ベリル)、スモーキークォーツクリアークォーツも発見されます!






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