【スタウロライト】「妖精の十字架」という愛称を持つ「十字石」

スタウロライトは天然にできた十字架です。

妖精の十字架」という愛称もあり、十字架をお守りとするキリスト教の国々で大切にされてきました。

スタウロライトとは

スタウロライト

スタウロライトの名前の由来と別名と和名

スタウロライト「staurolite」は

ギリシャ語で

十字を表す「stauros」と

を表す「lithos」を組み合わせて命名されました。

スタウロライトはキリスト教国で珍重されてきたこともあり、さまざまな別名があります。

別名

・フェアリークロス

・フェアリーストーン

・クロスストーン

など。


和名は十字石です。

スタウロライトの成分

スタウロライトは鉄、アルミニウム、珪酸塩から成る珪酸塩鉱物です。

化学式は Fe2+2Al9O6(SiO4)4(O,OH)2 

原石はアルマンディンガーネット(鉄礬柘榴石)マスコバイト(白雲母)、カイヤナイト(藍晶石)シリマナイト(珪線石)を伴って産出されることが多いようです。

結晶は細長い断面をした六角柱として成長しますが、荒い表面をしています。

風化しにくい性質のため、母岩が風化した後、十字型だけになって残されることもあります。

十字模様ができる理由

スタウロライトの2本の柱状の結晶が変成岩の中で成長します。

そして2本の結晶が90度や60度の角度で交差し、さらに成長します。

このような状態を貫入双晶または透入双晶といいます。

双晶とは

2個以上の結晶が一定の対称性を持って結合した物です。

スタウロライトの硬度

モース硬度 7〜7.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

ただし劈開性が明瞭なので一方向に割れやすい性質です。

スタウロライトの光沢

樹脂光沢に近いガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

多色性が強いスタウロライト

スタウロライトは不透明なのですが、多色性が強い性格を持っています。

多色性とは

角度を変えて眺めた時にさまざまな色の輝きが見えることです。

スタウロライトは一見すると黒や茶褐色に見えますが、角度を変えると

・カラーレス

・黄色

・赤

・金色

に見える物があるそうです。

スタウロライトとキリスト教

天然に十字模様をみせるスタウロライトは、キリスト教国で、護符や宗教的な意味を持つ装飾品とされてきました。

中世ヨーロッパでは

・キリスト教の洗礼の時

・十字軍兵士が出征する際のお守りとして

使われていました。

フランスのブリタニア地方では

スタウロライトは空から降りてきた石だと信じられ、神が地に遣わせたと言われていました。

アメリカ・バージニア州パトリックでは

スタウロライトの産地の一つ、アメリカのバージニア州パトリックでは、

妖精たちがキリストの死を悲しんで流した涙が固まってスタウロライトになった

という伝説があります。

スタウロライトの石言葉

スタウロライト

・祈願成就

・絆

・つながり

スタウロライト 誕生日石

無し

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

スタウロライトの主な産地

・アメリカ🇺🇸

・カナダ🇨🇦

・ブラジル🇧🇷

・フランス🇫🇷

・スイス🇨🇭

・ロシア🇷🇺

日本でも富山県や奈良県などで採れますが、綺麗な十字状ものはないそうです。

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