(30) 『日本神話タロット』ワンド2「スサノオの天下り・茅の輪の由来」
棒ノ弍(ワンド2)「スサノオの天下り」

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(30) 『日本神話タロット』ワンド2「スサノオの天下り」

これまでのあらすじ

イザナギ」のによって生まれた「スサノオ」は「ウケイ」によって高天原にいることを許されました。

河鍋暁斎「須佐男命の追放」

しかし、乱暴な振る舞いをしてしまい、それが「アマテラス」が岩屋にこもるきっかけに。

スサノオ」は神々から財産没収、髪を抜かれ爪を剥がされるなどの罰を受け、高天原を追放されます。

『日本神話タロット 極参』棒ノ弍「天下り」

カードの意味

正位置
達成、勇気、野心、出発

逆位置
孤立、不安、焦燥感

『日本神話タロット 極参』棒ノ弍「天下り」の解説文(写し)

高天原を追放されたスサノオは出雲に降りました。

スサノオはこれからの行く先を地図を持って見据えています。

新たな地を旅することに可能性を見出し、希望を持って進みます。

参考記事

出雲に降りた「スサノオ」

古事記」には「スサノオ」は出雲国の肥河上(ヒノカワカミ)の鳥髪(トリカミ)という地に降りました。

と書かれています。

肥河上(ヒノカワカミ)というのは現在の斐伊川(ヒイガワ)の川上にあたります。
(下の地図の右下の鳥居のあたりとされています。)

スサノオの伝承地「地図でスッと頭に入る古事記と日本書紀」p.29

この後、泣いている老夫婦に出会い「ヤマタノオロチ神話」に繋がります。

ヤマタノオロチ神話」については次回説明します。

はるさん的補足「茅の輪」の由来

茅の輪 (金王八幡宮 東京都)

罪穢れや災厄を祓うため(疫病退散を願うため)にくぐる「茅の輪」の由来をご存知でしょうか。

備後国風土記」に

武塔神(ムトウノカミ)は祟りによって人を死にいたらせるが、同時にその災厄(疫病)も防ぐための茅の輪ももたらす
そしてこの武塔神は須佐男命(スサノオ)であると名乗ったという。」

と書かれています。

スサノオ」は高天原から祓われました。

しかしこの後「ヤマタノオロチ」を祓います。

つまり「スサノオ」は「祓われる」と同時に「祓う」神なのです。

このような「スサノオ」の持つ両義性が「茅の輪」と結びついたと言えるでしょう。

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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)

中巻(神武天皇から応神天皇)

下巻(仁徳天皇から推古天皇)

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