

次のページ(25)「豪腕 タヂカラオ」
(24)『日本神話タロット』法皇(オモイカネ)「賽の河原」
これまでのあらすじ「ウケイ」によって高天原に残ることを許された「スサノオ」は、調子に乗って乱暴な振る舞いをしました。
「アマテラス」は怒って天岩戸に閉じこもってしまいます。
すると高天原も地上も真っ暗になってしまい、災いも起きるようになりました。
そこで「アマテラス」を引っ張り出す大作戦「天岩屋祭り」が計画されます。
その時、計画を立て神々を指揮したのが「オモイカネ」です。
『日本神話タロット 極参』法皇(オモイカネ)「賽の河原」

『日本神話タロット 極参』
法皇 カードの意味
・正位置
秩序、慈悲、常識、協調性、信頼、尊敬、法令
・逆位置
非常識、不信、独断、頑固、怠惰、束縛
『日本神話タロット極参』法皇「賽の河原」の解説文(写し)
悟りを開き数多い思いを兼ね備えるオモイカネは思慮深く高天原の知恵袋として主神の信頼を得ています。賽の河原でアマテラスを天岩戸から出すために、オモイカネは八百万の神を集め話をします。
彼のアイデアは今までにない斬新なもので、その手法は彼の頭の中にありどこにも記されていません。
アメノウズメとタヂカラオはこの策の中心となり働きます。
参考記事
「オモイカネ」とは
「オモイカネ」とはどんな神だったのでしょうか。父は「タカミムスビ」
日本で2番目に誕生した神「タカミムスビ」の子です。
名前から考えてみましょう
「古事記」での漢字表記思金神
分解すると
オモイ、、思慮
カネ、、、兼ね備える
カミ、、、神
つまり「思慮と智謀に長けている神さま」という意味です。
「オモイカネ」が登場する場面
「古事記」で「オモイカネ」が登場するのは3カ所です。①「天岩屋」から「アマテラス」を引っ張り出す作戦の参謀役
「天岩屋」神話についてはこちらをご覧ください。
②「葦原中国」の国譲りの時「アマテラス」にアドバイス
「古事記」ではこの後「オオクニヌシ」という神が出雲周辺に「葦原中国」を築きます。それを高天原にいる「アマテラス」が欲しがります。
その時「アマテラス」がどうすれば譲ってもらえるかアドバイスを求めたのが「オモイカネ」です。
これについては後日別記事にしますが、「アマテラス」が「オモイカネ」を信頼していたのがわかりますね。
③「天孫降臨」で「ニニギ」に同行
「アマテラス」の孫「ニニギ」が地上に降臨した時に「ニニギ」の随伴者の1人として同行しました。降臨した時「ニニギ」は生まれたばかり。
「アマテラス」にとって頼もしい神をかわいい孫に付かせたのでしょう。
こちらも後日別記事にします。
このように最高神「アマテラス」が頼る存在がいるというのは多神教ならではですね。
神としての「オモイカネ」
「オモイカネ」は「知恵の神」として全国に祀られています。また「カネ」という言葉が大工道具に通じることから「大工職人・工業の神」にもなっています。
写真は「オモイカネ」を主祭神として祀る神社の一つ秩父神社です。

はるさん的補足
「オモイカネ」は「先代旧事本紀」という書物で「八意思金(兼)神(ヤゴコロオモイカネノカミ)」と表記されています。「秩父神社(写真)」も「御祭神 八意思兼命」という表記にしています。

本居宣長は「ヤゴコロオモイカネノカミ」を「数多の人の思慮(おもんばかる)智を一(チヲヒトツ)の心に兼ね持てる意なり」と書いています。
つまり大勢の人が持つような考えや知識を、たった1人で身に兼ね備えているという意味です。
そのような能力を持ち、「天岩屋」での呪術的な作戦を考えると、「オモイカネ」はある種の呪術師、神官だったと考えられるかも知れませんね。
古事記の他の記事
古事記の他の記事はこちらからご覧ください。
上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
前のページ(23)「アイドル アメノウズメ」次のページ(25)「豪腕 タヂカラオ」