(13)『日本神話タロット』吊るし人 「禊と三貴子誕生」手水舎
吊るし人「禊」

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(13)『日本神話タロット』吊るし人 「禊と三貴子誕生」

(12)までのあらすじ

イザナギ」は
黄泉の国」に「イザナミ」を迎えに行ったものの、連れて帰ることに失敗し、「黄泉比良坂」を必死で逃げます。

最後は「イザナミ」と和解できたものの、「黄泉の国」に足を踏み入れ恐ろしい物を見て穢(ケガ)れてしまったと感じた「イザナギ」は日向(宮崎県)に行って禊(ミソギ)をする決心をします。

『日本神話タロット 極参』吊るし人 「禊と三貴子誕生」

宮崎県阿波岐原森林公園

「吊るし人」のカードの意味

正位置

修行、忍耐、試練、自己犠牲、身動きが取れない

逆位置
やせ我慢、自暴自棄、徒労、欲望に負ける、限界

『日本神話タロット 極参』吊るし人「禊と三貴子誕生」の解説文(写し)

黄泉比良坂でイザナミと決別の後、イザナギは禊を行いました。

今までの思い出を胸に穢れを洗い流しました。

左目を洗うとアマテラスが、右目を洗うとツクヨミが、鼻を洗うとスサノオが生まれました。

凄まじい力を持った子たちが生まれたため、イザナギはその子たちに国を任せ隠居し、以降の物語には登場しなくなります。

記述はありませんが、黄泉の国に行ったことにより、イザナギもその時に死んでいるのではないかとも考えられます。

参考記事

「イザナギ」が行なった禊とは

黄泉の国」から逃れてきた「イザナギ」は
なんと恐ろしい穢れた国を訪れてしまったのだろう。これは禊をするべきだろう。
と言い、
日向(ヒムカ)の阿波岐原(アワキハラ)を訪れて禊をします。

写真は現在の阿波岐原森林公園です。

日本では古来から水に浄化作用があると信じられていました。

禊という言葉は「水ぎ」が変化したものと考えられています。

動作としては、水に身を沈め浮かび上がり身体を洗うことのようです。

禊から生まれた神々

禊を行なった「イザナギ」が投げ捨てた衣服や装飾品から、また身体を洗った時に出た垢から神々が生まれました。

そして水から浮かび上がった時にも「ワタツミ三神」や「住吉三神」が生まれます。

そして、最後に清流で顔を洗った時に

左目から「アマテラス

右目から「ツクヨミ

鼻から「スサノオ

が生まれます。

この三柱を「三貴子」と呼びます。

「ワタツミ三神」とは

ワタツミ三神」は「海の神」で、博多湾を本拠地とする安曇連(アズミノムラジ)の始祖神とされます。

「住吉三神」とは

住吉三神」は「航海の神」で、「ツツノオ三神」とも呼ばれ、大阪の住吉大社に祀られています。

顔を洗った時に生まれた「三貴子」

イザナギ」は
私は多くの神々を生み続けたが最後に尊い三柱を得た
と言って喜び

アマテラス」に首飾りを与え「高天原を治めよ

ツクヨミ」には「夜の食国(オスクニ)を治めよ

スサノオ」には「海原を治めよ

と命じます。

こうして「三貴子」による世界の統治が始まります。

その後の「イザナギ」

多賀大社 (滋賀県)

イザナギ」は「古事記」ではこの後「阿海(オウミ)の多賀に坐(イマ)すなり」と記され、登場しなくなります。

その地は近江(滋賀県)の多賀とされていて、静かな余生を送ったと思われます。

現在その地には「イザナギ」と「イザナミ」を主祭神とする「多賀大社」が鎮座しています。

多賀大社 (滋賀県)

はるさん的補足

神社に行くと手水舎(ちょうずや)がありますね。

これは、「イザナギ」が行なった禊の名残だと言われています。

神社にお参りする時は清めて行きましょうね。

多賀大社の手水舎

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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)

中巻(神武天皇から応神天皇)

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