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『日本神話タロット 極参』女王(女帝)
「誘いの神イザナミ」を簡単に説明すると・「古事記」における漢字表記は「伊邪那美命」
・「天津神」の命令により、「イザナギ」と共に「国生み」を行なった女神。
・「イザナミ」は「イザナギ」の妹ではあるが妻でもある。
・「神代七代」の最後の神。
(「神代七代」についてはこちらをご覧下さい
・たくさんの神を生む。
「ヒルコ」
「カグツチ」
「ワタツミ」
「オオヤマツミ」
「オオゲツヒメ」
など
参考記事
『日本神話タロット』女王(女帝)の意味
・正位置
繁栄、豊穣、愛情、結婚、母性、包容力
・逆位置
嫉妬、挫折、虚栄、感情的、情緒不安定
『日本神話タロット 極参』女王(女帝)「誘いの神イザナミ」の解説文(写し)
別天津神の後に生まれた神世七代の七代目の兄妹の妹で、兄の「イザナギ」と共に数多の神を生んだ日本創生の神。
慈愛に満ちた表情で座っている「イザナミ」は全てのものを愛し、繁栄させます。
「カグツチ」を産む時に、「カグツチ」の炎の力が強すぎて産道を焼かれて死んでしまい黄泉の国へと行ってしまいました。
後に黄泉の国の女王となり死を司る神となりました。
(「カグツチ」「黄泉の国」は後日別記事で紹介予定です)
「イザナミ」という名前
「古事記」に出てくる神様の名前には意味があります。
「イザナミ」は
「ミ」→女性
つまり「イザナミ」は「誘う女性」という意味です。
「イザナギ」と対になって「誘い合う2人」という読み方もできますね。
「日本書紀」一書(アルフミ)第五に
イザナギとイザナミは最初、子供の作り方を知らなかったけれど、セキレイが来て交尾をしたのを見て倣った
という記述があります。
そのことから、イザナギとイザナミを描いた絵の多くにセキレイが描かれています。
この絵にも、矛先の下の方に2羽のセキレイが描かれていますね。
「イザナミ」の国生み
「イザナミ」は「イザナギ」と共に「国生み」を行います。
「国生み」についてはこちらをご覧ください。
「イザナミ」の「神生み」
「イザナミ」は「イザナギ」の妹ですが、2人は結婚します。
そしてたくさんの子供を生みます。
最初に生まれた「ヒルコ」は骨のない子供で、川に流してしまいました。
その後35柱もの神を生みますが、「カグツチ」を生んだ時に陰部を大火傷してしまいます。
(2人の「神生み」に関してはこちらをご覧ください。
臥した「イザナミ」の嘔吐物、尿などから「鉱山、土、水」など「生産」に関わる神が生まれます。
ただし有名な三貴子「アマテラス」「ツクヨミ」「スサノオ」は「古事記」では「イザナギ」単独の子供になっております。
「トヨウケヒメ」
「トヨウケヒメ」は「イザナミ」の尿から生まれた「ワクムスビ」の娘です。
「トヨウケヒメ」は「古事記」では「豊宇気毘売」という表記で登場する食物神です。
「ウケ」→食べ物、穀物
なので、「豊かな食べ物を司る女神」という解釈ができます。
「アマテラス」の食事係として伊勢神宮の御饌(ミケ)の神となりました。
信仰としての「イザナミ」
「イザナミ」は日本における創造神として、全国に祀られています。
「スサノオ」を主祭神とする「熊野大社」には、「伊邪那美神社(イザナミジンジャ)」があります。
はるさん的補足
「イザナミ」は創造の神です。
多くの神を生むのはいいのですが、嘔吐物や排泄物からも生むというのは抵抗を感じませんか。
でも世界中の神話に「排泄物から生まれた神」はたくさんいるのです。
それは今と違って排泄物などは大切な肥料だったからとも考えられています。
「イザナミ」は人間にとって大切な火の神を命がけで生みました。
そしてその後、体から出た物から「鉱山、土、水」など「生産」に関わる神を生み出します。
そして亡くなってから亡骸からも神々を生みます。
まさに「日本人の生活の基礎の基礎を体を張って生み出してくれた神」と言えるでしょう。
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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