『スキャポライト』(柱石)  多種多様な色や性質を持つ珪酸塩鉱物
スキャポライト

スキャポライトは透明・紫・ピンク・茶色・黄色・褐色・黒など豊富な種類の色がある珪酸塩鉱物です。

石によっては

蛍光性蓄光性を持つもの

キャッツアイ効果を持つもの

多色性があるもの

などもあり、パワーストーンとしても使われています。

スキャポライトについて

スキャポライトとは

スキャポライトはナトリウム、カルシウム、アルミニウムなどを含む珪酸塩鉱物です。

ナトリウムの比率が多いものを「マリアライト

カルシウムの比率が多いものを「メイオナイト

と呼ぶこともありますが、

成分分析をしないと正確にはわからないので

総称してスキャポライトと呼ばれていることが多いようです。

スキャポライトは25センチくらいの大きな結晶で発見されることがあるのも特徴の一つです。

スキャポライトは「スカポライト

マリアライトは「パープルスキャポライト

と表記されることもあります

スキャポライトの名前に由来と和名

初めて宝石質のスキャポライトが発見されたのは1913年、比較的新しい石です。

スキャポライト柱状の結晶で産出されることが多いのでギリシャ語で

柱や棒という意味の「skapos」と

石という意味の「ite 」

を合わせて「scapolite」と命名されたと言われています。

和名は見た目から柱石(チュウセキ)です。

はる
ちなみに
ベリル類(アクアマリンエメラルドモルガナイトなど)
も柱状の結晶で産出されます
ベリルの和名は緑柱石です

スキャポライトの成分

マリアライト

スキャポライトマリアライトメイオナイトの固溶体です。

固溶体とは

2種類以上の元素が互いに溶け合い全体が均一の固相となっているものです

マリアライトにはナトリウムが多く含まれます。

化学式は Na4[Cl|(AlSi3O8)3]

メイオナイトにはカルシウムが多く含まれます。

化学式は Ca4[CO3|(AL2Si2O8)3]

メイオナイト

スキャポライトマリアライトメイオナイトがどのくらいの割合で混ざっているかによって色が変わります。

ナトリウムが多ければ紫色に

カルシウムが多ければ透明〜黄色に

なります。

宝石としては濃い紫色のマリアライトが人気だそうです

スキャポライトの硬度

モース硬度 5.5〜6

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

  

スキャポライトの光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

紫外線を当てると発光するものもあります

スキャポライトの中には紫外線を照射することで発光するものがあります。

写真だとわかりにくいかもしれませんが、蛍光色になります。

これはさまざまなな元素が入り込むことによるものです。

蓄光性を示す物もあります

上の写真はマリアライト(パープルスキャポライト)です。

左から白熱灯の下、紫外線ライト照射、ライトを外した後の様子です。

こちらのマリアライトではあまりわかりませんが、スキャポライトの中には蓄光性がある物もあります。

蓄光性とは

紫外線を照射した時に色が変わるだけでなく

紫外線を外した後もしばらく色が戻らない性質のことです。

ハックマナイトが有名です。

蓄光性があるものは硫黄が少し混入していると思われます。

多色性を示すものやキャッツアイ効果のあるもの

スキャポライトの中には多色性を示す物もあります。

多色性とは

(紫外線を当てるなど)光源を変えなくても

宝石を傾けたり見る角度を変えた時に違う色が見える性質です。

アンダリュサイトタンザナイトが有名です。

また、スキャポライトにはキャッツアイ効果を示すものもあります。

キャッツアイ効果とは

宝石に上から光を当てると、宝石の表面に猫の目のような光の線があらわれ、石を動かすとその線が移動する光の特殊効果のことです。

スキャポライトの結晶は平行に並ぶ構造をしています。

そのためスキャポライトには管状インクルージョンが発生しやすく、その管に別の鉱物が入り込むことがありキャッツアイ効果が現れるのです。

スキャポライトの石言葉

・独立

・決断

・意思

・信頼

・自立心

スキャポライト 誕生日石

11/26

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

スキャポライトの主な産地

・カナダ🇨🇦

・ミャンマー🇲🇲

・タンザニア🇹🇿

・マダガスカル🇲🇬

・ブラジル🇧🇷

宝石質のマリアライト(紫色のスキャポライト)はアフガニスタン🇦🇫でのみ産出されます

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