ハックマナイトはソーダライトの変種です。
ラピスラズリに入ることもあります。
特徴は蓄光性があることで、ブラックライトを当てると色が濃くなり時間が経つとゆっくり元の色に戻ります。
ハックマナイトについて
ハックマナイトとは
ソーダライトに含まれる塩素の一部が硫黄に置き換わった鉱物です。
化学式は
Na8Al6Si6O24(Cl.S)2
硫黄には紫外線を吸収する特徴があり蓄光します。
ハックマナイトには硫黄が含まれるので、紫外線を含むブラックライトを当てるとその時に蛍光するだけでなく、数秒間元の色が濃くなる現象がおきます。
そして紫外線を外すとゆっくり元の石の色に戻ります。
ブラックライトを照射して色が変わるだけでなく、
蓄光性を持ちその後にしばらく色が戻らない性質を
フォトクロニズム現象または
デネブレッセンス効果といいます。
日光を浴びると色が黒くなるサングラスなどに応用されています。
「臭いのでは?」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、
温泉などで臭うのは
硫黄化合物の
・硫化水素や
・二酸化硫黄
です。
硫黄自体に臭いはありません。
ソーダライトの中にも蛍光する物はありますが、ブラックライトを照射している時だけですので、ハックマナイトとは区別されます。
ハックマナイトの色の変化のしくみ
ハックマナイトの色変化
ハックマナイトが紫外線を浴びると硫黄のマイナスイオンがハックマナイトのカラーセンターに欠如している塩素イオンに替わってカラーセンターに取り込まれます。
・規則的な結晶格子中であるべき原子がない状態
・不純物原子で置換された状態
・格子位置にあるべき原子や不純物原子が格子間位置を占めた状態
などを点欠陥といいます。
この点欠陥は本来なら透明な結晶を着色させる要因になることがあるのでカラーセンター(色中心)と呼ばれます。
鉱物の色はカラーセンターに取り込まれたマイナスイオンの和や構成で決まりますが
紫外線の下でマイナスイオンの数が変わることによって色に変化が生まれてくるのです。
この変化が永続的に起こるかどうかの実証実験は今の所ないようですが、高温の熱を浴びると失われることがあるようです。
ハックマナイトの中でも特にミャンマー産の物に
フォトクロニズム現象(デネブレッセンス効果)
がはっきりと見受けられるそうです。
宝石は一般的にクリアな宝石質の物の価値が高いのですが、
ハックマナイトに関しては色の変化がわかりやすいものが人気があるようです。
ハックマナイトの名前の由来と和名
ハックマナイトは1980年代にロシアのコラ半島で発見されました。
発見者はフィンランドの地質学者でヘルシンキ大学教授だったビクトル・ハックマン (1866-1941))氏。
のちにハックマン氏にちなんで
「ハックマナイト(ハックマンの石という意味)」と命名されました。
和名はハックマ石です。
ハックマナイトの硬度
モース硬度 5〜6
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ハックマナイトの光沢
ガラス光沢
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ハックマナイト 誕生日石
なし
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ハックマナイトの石言葉
・喜び
・個性
・適応
・開拓
ハックマナイト 主な産地
・ロシア 🇷🇺
・カナダ 🇨🇦
・アフガニスタン 🇦🇫
・ミャンマー 🇲🇲
・ブラジル 🇧🇷
・パキスタン 🇵🇰