【サルファー】(自然硫黄)  日本の産業革命を支えた美しい元素鉱物
サルファー

サルファー硫黄の元素鉱物です。

火山が多い日本では古くから採掘されており、量産されていた時期がありますが

現在国内の硫黄鉱山は全て閉山しています。

サルファーについて

サルファー

サルファー とは

サルファーは硫黄の元素鉱物です。

元素鉱物とは

単一の元素からなる単体や合金のことです。

自然金、自然銀などの金属鉱物

ダイヤモンド、サルファーなどの非金属鉱物

などがあります。

化学式は S

火山の噴気孔で、火山性ガスに含まれる硫化水素と二酸化硫黄が冷却することでサルファーが生成されます。

はる
二酸化硫黄は
いわゆる「硫黄の臭い」がしますが、
硫黄自体には臭いは無いので、
サルファーは無臭です

しかし、サルファーは95度以上になると融解して二酸化硫黄を放出します。

また、火にかざすと簡単に溶け、綺麗な青い炎が出ます。

それらの場合には独特の「硫黄の臭い」がします。

ですから、サルファーが無臭だと言っても、擦るなどして熱くすると硫黄の臭いがするそうです。

サルファーの名前の由来と和名

サルファーはラテン語で「火の源」「燃える」という意味の言葉でから命名されました。

和名は「硫黄」

温泉に浮かぶ「湯の花」を「湯黄(ユオウ)」といい、「湯黄」がなまって「硫黄(イオウ)」になったのではないかという説があります。

温泉地の「湯の花」について

温泉地や入浴剤で見かける白い湯の花は硫黄が

・カルシウム

・アルミニウム

・鉄

・ケイ素

など、(温泉地によって異なる)さまざまな元素と結合してできた物です。

サルファーの硬度

モース硬度 1.5〜2.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」 

サルファーの光沢

樹脂光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

日本の硫黄について

サルファー

日本には火山が多く、火口付近に露出する硫黄を露天掘りにより容易に採掘することが可能であることから、古くから硫黄の生産が行われ、8世紀の「続日本紀」には信濃国長野県米子鉱山)から朝廷へ硫黄の献上があったことが記されている。鉄砲の伝来により火薬の材料として、中世以降は日本各地の硫黄鉱山開発が活発になった。江戸には火打道具も一般に普及して、硫黄附木職人もいた[17]

薩摩藩島津久光神職軍人島津久籌は、黒船来航ののち、1861年に口永良部島薩摩硫黄島で硫黄採掘に着手した[注釈 3][19]。その後明治期の産業革命に至り、鉱山開発は本格化する。1881年(明治14年)に硫黄の無税輸出が布告され[20]海上保険会社を設立した広海二三郎九州硫黄事業に出資して天然硫黄王と呼ばれ、また、安田財閥釧路の硫黄(アトサヌプリを参照)で築かれたと揶揄されるほどであった。

純度の高い国産硫黄は、マッチ(当時の主要輸出品目)の材料に大量に用いられ、各地の鉱山開発に拍車がかかった。1889年には、知床硫黄山が噴火とともにほぼ純度100 %の溶解硫黄を沢伝いに海まで流出させるほど大量に産出したため、当時未踏の地だった同地に鉱業関係者が殺到したという。海軍軍人・郡司成忠による1893年(明治26年)第一次千島拓殖にも硫黄採掘の記録がある。

昭和20年代の朝鮮戦争時には「黄色いダイヤ」と呼ばれるほど硫黄価格が高騰し、鉱工業の花形に成長したが、昭和30年代に入ると資源の枯渇に加え、石油の脱硫装置からの硫黄生産が可能となったことで生産方法は一変する。エネルギー転換に加え大気汚染の規制が強化されたことから、石油精製の過程で発生する硫黄の生産も急増し、硫黄の生産者価格の下落が続いた結果、昭和40年代半ばには国内の硫黄鉱山はすべて閉山に追い込まれた(岩手県松尾鉱山群馬県の万座硫黄草津鉱業所は1969年に閉鎖[21])。現在、国内に流通している硫黄は、全量が脱硫装置起源のものである。

自然硫黄 wikipediaより 引用しました

サルファーの石言葉

・明るさ

・輝き

・安定

・癒し

・変容

サルファー 誕生日石

なし

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

サルファー

サルファーの主な産地

・イタリア🇮🇹

・南アフリカ 🇿🇦

日本でも火口付近で見つけることができますが、美しい黄色い物は少ないそうです。


はるさん的補足 レモンクォーツ

レモンクォーツ

レモンクォーツというのは硫黄が混入してレモン色になった水晶のことです。

サルファーは美しい色をした鉱物ですが、硬度が低すぎるので宝飾品にするのは困難です。

さらに硫黄の性質上近くの金属を変質させてしまうこともあります。

その点レモンクォーツであれば水晶なのでモース硬度7で割れにくい上に、取り扱いも楽になります。

はる
レモンクォーツと呼ばれる物には
サルファーが混入した物の他に、
スモーキークォーツ照射加工して作った物があります。

購入される場合は、お店の方に確認しましょう。

レモンクォーツの石言葉

・幸福

・明朗

・壮健

・フレッシュ

サルファーを身につけたい場合はレモンクォーツという選択肢もありそうですね。

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コメント一覧
  1. 才色健躾 より:

    この度は硫黄について産業の歴史までお勉強させて頂きました。
    硫黄も固まれば鉱物なのですね…元素記号をふられているものは鉱物と適合される事も覚えました。
    順を追い歴史を紐解く事により使い道、発展の仕方、利用価値まで単なる宝飾ではなくそれ以上の価値を有し硫黄とは日本の宝ですね
    硬度の低い原因は元素記号に見ます他成分加わりはない事ゆえなのでしょうか…。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      硫黄は(黒曜石と同様に)少量であれば採取が簡単なようですね。
      鉱山となると、酷い臭いの中地中を掘ることになりますが、地上で拾える物もありますから、8世紀の文献に残っていたのでしょう。
      古事記に記されていないのが残念です。笑
      火力ば強くなれば、融点の高い金属の融解にも利用できたでしょう。
      奈良の大仏はもしかすると屋内で硫黄を使って水銀を溶かしていたかもしれません、、、恐ろしすぎます。
      硬度の低さは硫黄の性質です。
      他の元素が加わってなくてもダイヤモンドは硬いです。

      ちなみに元素鉱物といっても例えば自然金は純金ではないです。
      純金は柔らかいので塊で見つかる場合は銀などと合金の状態のことが多いそうです。
      6割ほど金が含まれていれば、自然金とされているそうです。

  2. Yoshi より:

    硫黄の単体・自然に産出される鉱物が「サルファー」なのですね。
    なんていうか「化学物質」としてのイメージが強い&二酸化硫黄や硫化水素等厄介なイメージが強いです(^◇^;)
    組成式・化学式ともにS!なんていさぎよいんでしょう!!(笑)
    黒色火薬を筆頭に、需要は多々あったのでしょうが、採掘するとなったら、わけもわからずにやっていたら同時に毒ガスや有害な化学物質の発生など、重大な事故や人々の健康被害などもあったでしょうね(;_;)
    石油を精製するために脱硫することで大量に得られるようになった・・・石油の精製、脱硫・・・ありましたありました。高校でやった化学の勉強を思い出して頭が痛くなるのですが、現在もそれだけでなく、採掘していたりもするのですね。

    レモンクォーツ!これは人工物ではなく天然物ですか?(なんとかクオーツっていうのは人工のイメージが)これだと扱いも厄介そうでは無いし、しかもとても綺麗なレモン色ですね(^^) とても気になる石です♪

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます
      言われてみれば、炭素と言わずダイヤモンドという素敵な名前があるのですが、サルファーはサルファーなんですね。
      先日もシナバーもですが、鉱山で働く方々は大変ですね。
      奈良の大仏を造った時、大仏殿で水銀をどうやって溶かしていたのでしょうか。
      まさか
      硫黄を使って無いですよね。怖
      クォーツってイメージそんなですか?笑
      一部のブレスレット屋さんのお話しでしょうか。
      石屋さんや、良心的なブレスレット屋さんは大丈夫だと思いますよ。たぶん、、、

  3. さゆ より:

    レモンクオーツ、とてもきれいな色。化学式は簡単で嬉しいです。
    スモーキークオーツを照射するとレモン色になるのですね。
    石言葉は明るい幸せな言葉。手元に持っておきたいです。
    サルファから、サルファ剤を思い浮かべましたが、こちらは、硫黄と関係ない抗菌剤なんですね。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      硫黄inクォーツではなくレモンクォーツというネーミングにしたのは秀逸ですね!
      爽やかな感じがします。
      サルファーは元気が出る色ですしマッチの原料でしたから、素敵な石言葉が並びましたね。

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