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これまでのあらすじ
高天原を追放された「スサノオ」は出雲の国の鳥髪という地に降り立ちました。
川の川上に歩いてみると「クシナダヒメ」と老夫婦に出会いました。
老夫婦は「クシナダヒメ」が「ヤマタノオロチ」に食べられてしまうのが悲しくて泣いていました。
「スサノオ」は「クシナダヒメ」との結婚を条件に「ヤマタノオロチ」の成敗を約束します。『日本神話タロット 極参』
『日本神話タロット 極参』棒ノ陸
ヤマタノオロチはとても強く、まともにやり合っては倒すことができないと考えたスサノオは何度も熟成させた高濃度の酒「八塩折ノ酒」をヤマタノオロチの首の数だけ準備させました。
人間のままでは危険だとクシナダヒメを櫛に変え、身につけ戦いに挑みました。
八塩折ノ酒を八方向に置き、ヤマタノオロチがそれを飲むのを待ちました。
参考記事
「何度も繰り返し醸した濃い酒を作り、また垣を作ってその垣ごとにその繰り返し醸した強い酒を盛って待つように。」
とおっしゃいました。
「櫛名田姫(クシナダヒメ)」は「古事記」での名前です。
「日本書紀」では「奇稲田(クシイナダ)姫」または「稲田媛」という名前で登場します。
もしかすると「クシナダヒメ」の場合「イナダヒメ」という呼び方の方が有名かもしれません。
(出雲にある「クシナダヒメ」を祀る神社の名前は「稲田神社」ですし、その他「スサノオ」と共に祀られている京都の「八坂神社」などでも「(櫛)稲田姫」というお名前で祀られています。)
つまり、田や稲と関連深いお名前です。
また「足名椎(アシナヅチ)・手名椎(テナヅチ)」を「アナツチ・タナツチ」と読み「畦(アゼ)・田」と関連づけて考える見方もあります。
「ヤマタノオロチ」は蛇で、蛇は昔から「水神」として信仰されていることから、「ヤマタノオロチ神話」が田と水の結びつきが根底にある農耕神話であるという考え方は自然でしょう。
となると
「クシナダヒメ」は「稲の豊穣を祈る巫女」であり
「ヤマタノオロチ」は水神または水害
「スサノオ」が用意させた「八塩折ノ酒」は神を饗応(キョウオウ・飲食を用意しておもてなしすること)する態度だったという解釈もできますね。
はるさん的補足
「ヤマタノオロチ神話」のように
という話しは各国にみられます。
そのような物語を、ギリシャ神話の英雄神話から名前をとって「ペルセウス・アンドロメダ型」といいます。
などがこれに当たります。
似たような神話が生まれるのは
「神話が語り継がれているうちに伝わってきたのだ」という説や
「災害と戦ってきた人類の原型だ」という説があります。
など、「日本神話」と世界の神話の共通点と相違点に注目してみるのも楽しいですね。
次回は「ヤマタノオロチ」との戦いのクライマックスを紹介します。
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(33) 『日本神話タロット』ワンド6
「ヤマタノオロチ③八塩折ノ酒」
これまでのあらすじ 高天原を追放された「スサノオ」は出雲の国の鳥髪という地に降り立ちました。
川の川上に歩いてみると「クシナダヒメ」と老夫婦に出会いました。
老夫婦は「クシナダヒメ」が「ヤマタノオロチ」に食べられてしまうのが悲しくて泣いていました。
「スサノオ」は「クシナダヒメ」との結婚を条件に「ヤマタノオロチ」の成敗を約束します。
『日本神話タロット 極参』
棒ノ陸(ワンド6)「八塩折ノ酒」
棒ノ陸(ワンド6)「八塩折ノ酒」の意味
・正位置
チャンスをつかみ取る、ライバルに勝つ、躍進、勝利
・逆位置
物事の遅延、スランプ、不利益、自惚れ
『日本神話タロット 極参』棒ノ陸
「八塩折ノ酒」の解説文(写し)
ヤマタノオロチはとても強く、まともにやり合っては倒すことができないと考えたスサノオは何度も熟成させた高濃度の酒「八塩折ノ酒」をヤマタノオロチの首の数だけ準備させました。人間のままでは危険だとクシナダヒメを櫛に変え、身につけ戦いに挑みました。
八塩折ノ酒を八方向に置き、ヤマタノオロチがそれを飲むのを待ちました。
参考記事
「古事記」におけるこの場面
「スサノオ」は少女を櫛に変えて髪に刺し、「アシナヅチ」と「テナヅチ」に「何度も繰り返し醸した濃い酒を作り、また垣を作ってその垣ごとにその繰り返し醸した強い酒を盛って待つように。」
とおっしゃいました。
「ヤマタノオロチ神話」を農耕の神話と解釈する説
「ヤマタノオロチ神話」を農耕の神話と解釈する説もあります。「櫛名田姫(クシナダヒメ)」は「古事記」での名前です。
「日本書紀」では「奇稲田(クシイナダ)姫」または「稲田媛」という名前で登場します。
もしかすると「クシナダヒメ」の場合「イナダヒメ」という呼び方の方が有名かもしれません。
(出雲にある「クシナダヒメ」を祀る神社の名前は「稲田神社」ですし、その他「スサノオ」と共に祀られている京都の「八坂神社」などでも「(櫛)稲田姫」というお名前で祀られています。)
つまり、田や稲と関連深いお名前です。
また「足名椎(アシナヅチ)・手名椎(テナヅチ)」を「アナツチ・タナツチ」と読み「畦(アゼ)・田」と関連づけて考える見方もあります。
「ヤマタノオロチ」は蛇で、蛇は昔から「水神」として信仰されていることから、「ヤマタノオロチ神話」が田と水の結びつきが根底にある農耕神話であるという考え方は自然でしょう。
となると
「クシナダヒメ」は「稲の豊穣を祈る巫女」であり
「ヤマタノオロチ」は水神または水害
「スサノオ」が用意させた「八塩折ノ酒」は神を饗応(キョウオウ・飲食を用意しておもてなしすること)する態度だったという解釈もできますね。
はるさん的補足
「ペルセウスアンドロメダ型神話」
「ヤマタノオロチ神話」のように・怪物が人々に災いをもたらせる。
・英雄が生贄にされそうになった乙女を助けるために怪物と戦って倒す。
・そして英雄はその乙女と結ばれる。
・英雄が生贄にされそうになった乙女を助けるために怪物と戦って倒す。
・そして英雄はその乙女と結ばれる。
そのような物語を、ギリシャ神話の英雄神話から名前をとって「ペルセウス・アンドロメダ型」といいます。
似たような神話が生まれるのは
「神話が語り継がれているうちに伝わってきたのだ」という説や
「災害と戦ってきた人類の原型だ」という説があります。
など、「日本神話」と世界の神話の共通点と相違点に注目してみるのも楽しいですね。
次回は「ヤマタノオロチ」との戦いのクライマックスを紹介します。
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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