『梅花石』梅のような模様(「ウミユリ」の化石)が楽しめる鑑賞石
梅花石

梅花石は鑑賞石の文化において、菊花石と並んで珍重されてきた歴史を持つ石です。

梅の花のように見える白い模様はウミユリという古代生物 (動物)の化石です。

菊花石に

菊のような模様が出る原因がわかっていませんが梅花石は判明しています。

梅花石について

梅花石

梅花石

梅花石は今から3億年以上前に、海辺にあった岩石にウミユリというヒトデの仲間の古代生物が貼り付いて化石となったものです。

地質時代区分表(東京大学 生命科学教育用画像集 からお借りしました)

ウミユリはシルル紀に繁栄した生物ですが、梅花石は主にその後の「デボン紀」にできた化石だと思われています。

梅花石の成分

ウミユリの化石は古代の火山灰が海底に積もってできた輝緑(キリョク)凝灰岩とよばれる岩石にふくまれます。

輝緑凝灰岩

火山から噴出された(直径4mm以下の)火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石を凝灰岩といいます。

軽石や大谷石も凝灰岩です。

輝緑凝灰岩は古い玄武岩や塩基岩が変質した物を含むので緻密で暗緑色の物が多いのが特徴です。

緑色岩とも言われます。

凝灰岩は基本的に火山灰が堆積してできた岩なので成分は

火山ガラス(二酸化ケイ素)です。

輝緑凝灰岩は堆積する過程で玄武岩や塩基岩が変質した物を含むので、主要成分は

バリウム

マンガン

ストロンチウム

バナジウム

です。

ウミユリとは

ウミユリ (この写真はgigazine さんのページからお借りしました)

ウミユリはシルル紀に繁栄した棘皮動物(キョクヒドウブツ)ですが、現在も生息しています。

棘皮動物とは

ハリネズミのような皮を持ち海にのみ生息する動物で、ウニ、ヒトデ、ナマコが含まれます。

ウミユリは根や茎のように見える支持体と花弁のような腕を持っており、

腕で海中プランクトンなどを捕えエサにしています。

ウミユリの茎の化石

ウミユリの茎の断面は梅(星?)のように見えますね。

梅花石の硬度

梅花石が含まれる凝灰岩の硬度は個体によって様々です。

モース硬度は2〜6

化石が含まれるものは遠くから眺める「鑑賞石」として大切に扱いましょう。


💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

梅花石の光沢

無し

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

梅花石の劈開

梅花石を含む凝灰岩が脆い岩石です。

亀裂を広がると剥がれたり粉々になることがあります。

梅花石

梅花石の石言葉

困難に打ち勝つ

梅花石 誕生日石

梅花石は2/5の誕生日石です。

梅花石の主な産地

梅花石

梅花石は主に

・北海道の空知川の流域

・福岡県北九州市の門司地区

で発見されます。





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コメント一覧
  1. この度はアートな化石ですね観賞石と銘される所以は分かります。
    模様の原因を特定適うことは現在でも条件の揃う環境を整えることにより意図的なアートデザインの梅花石も創作可能なのでしょうか…
    地質時代区分表と相似しますものを当地の化石博物館にて拝見しましたことはあります。
    デポン紀の化石とのこと。両生類出現は主成分にも大きく影響されていらっしゃるのでしょうか…
    脆い硬度の理由とし植物由来の関連も有る様に思えます。

    • ありがとうございます♪
      シルル紀にはウミユリがいっぱいいたのでしょうね。
      3億年前にできた化石が脆い凝灰岩に含まれ、荒波に耐えたものが梅花石です。
      創作というのは、化石も含めてという意味だとどうでしょうね。
      茎だけの化石もあるので凝灰岩に組み込んでみることはできるでしょうが、、、
      化石はできるまでに最低一万年かかるそうです。
      両生類の出現、、、成分の元素をみる限りあまり関係ないように見えますが、断言できません。すみません。

  2. ウミユリの化石が入った、成分的にはガラス・水晶のような石なのですね。
    ウミユリの配置により模様「景色」が出来るんですね。とても味わい深い石です(^_^)
    菊花石とかさざれ石とかと並んで、神社さんの参集殿とかに上がらせてもらったら床の間に飾ってあったりしそうな、ありがたい石の雰囲気です。

    • ありがとうございます♪
      桜島に行ったときに火山灰という物をたくさん見ましたが、見た目は灰ですが成分はガラスなのですよね。
      日本には凝灰岩が多いのでしょうけれど、ウミユリの生息地が少ないということでしょう。
      菊花石と並び不思議で美しい石ですね。
      確かに天神様などにあるとありがたい感じしますね!

  3. 今回の梅花石の記事で、地質と生物の歴史を学べました。ありがとうございます。
    ウミユリってヒトデだったのですね。扇風機のよう。gigazineさんの動画を更に見ると、歩いたり、泳いだりしていました。
    ヒトデ好きの人か鑑賞するのにいいですね。

    • ありがとうございます♪
      ウミユリはヒトデと同じ棘皮動物の一つです。
      ウミユリはヒトデには属さない?
      いずれにしても不思議な動物なので、石好きの人だけでなく動物好きな人にも鑑賞してもらえそうですね!

  4. ウミユリの茎の断面を見ると、ヒトデの仲間だって分かりますね。菊花石と違って、梅の花模様の原因がハッキリしてる‥両方とも飾りとして置いておきたい鑑賞石です!
    梅花石の主な産地の一つ、北九州市門司区に子供の頃10年位住んでいたのに、あまり記憶がありません。うーん、残念。

    • ありがとうございます♪
      ウミユリって不思議な生き物ですよね。
      サンゴが動物だと知った時も驚きましたが、ウミユリはさらに植物に見えます。
      茎の断面可愛いですね!
      このような奇石を鑑賞するって素敵な習慣ですね。
      気持ちのゆとりを感じます。

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