『ペタライト』「リチウム」の重要鉱石であり「萬古焼」に使われる鉱物
ペタライト

ペタライト重要なリチウム鉱石です。

ポルサイトと共に生産されることがあり、ポルサイトが発見された時はギリシャ神話の双子の神、カストルポルックスからカストライトと呼ばれていたことがありました。

萬古焼の土鍋などにも使用される鉱物です。

ペタライトとは

ペタライト

ペタライトの名前の由来と和名

ペタライト1800年スウェーデンジョゼ・ボニファチオ・デ・アンドラダにより発見されました。

脆くて薄く剥がれる性質(劈開は一方向に完全)で剥がれた結晶が葉のように見えることからギリシャ語でという意味の「petalon」からペタライトと命名されました。

ペタライト準長石なので和名は葉長石(ヨウチョウセキ)です。

準長石とは

珪酸塩鉱物に属するグループ名。

長石( ムーンストーンオーソクレースサンストーンなど)に似ているが、長石に比べて 二酸化ケイ素が少なくアルミニウムの割合が高いのが特徴。

1846年にイタリアでポルサイトと共にペタライトが産出・発見されました。

しかしペタライトだとわからなかったためカストライトという名前を一時的に付けられたことがあります。

はる
カストライトポルサイトはギリシャ神話の双子の神
カストルとポルックス」にちなんで命名されました。

ペタライトの成分

ペタライトはリチウムとアルミニウムが含まれる珪酸塩鉱物です。

化学組織は

LiAlSi4O10

と表されます。

電池などでお馴染みのリチウムという元素

1817年にスウェーデンの化学者のヨアン・オーガスト・アルフェドソン氏によってペタライトから発見されました

ペタライトの硬度

モース硬度 6〜6.5

💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

はる
⚠️モース硬度(傷つきやすさ)は低くありませんが、劈開(割れやすさ)が完全なので扱いに注意しましょう。

ペタライトの光沢

・ガラス光沢

・真珠光沢 劈開面(割れた面)は真珠光沢です。

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

ペタライトの色

白、無色のイメージですが、内包物によってピンクや黄色い物もあります。

ペタライトの石言葉

・飛翔の時

・直感

・癒し

・大転機

ペタライト 誕生日石

ペタライト

現在の誕生日には選ばれていません。

💎参考記事 

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

ペタライトと萬古焼

三重県特産「萬古焼」

ペタライトや葉長石を聞いたことがなくても萬古焼の土鍋を使ってらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

萬古焼は「高温で熱しても割れない」ことで知られています。

萬古焼自体は江戸時代から続く工芸品ですが、1959年にペタライトを配合した低熱膨張性陶土が開発され、高火力のガスで使用しても割れにくい鍋ができたのです。

これはペタライト熱膨張率が非常に小さい性質を生かして開発された物です。

しかし最近は家電や電気自動車に幅広くリチウム電池の需要が増え、ペタライトの価格が高騰しているのでペタライトに替わる物の開発が急がれています。

ペタライトの主な産地

・ブラジル🇧🇷

・ジンバブエ🇿🇼

・スウェーデン🇸🇪

・イタリア🇮🇹

・オーストラリア🇦🇺

・アメリカ🇺🇸

など

 にほんブログ村

コメント一覧
  1. この度のペタライトのお話しは些か内容は外れてしまいます…をご了承下さいませ。
    以前、NHKラジオ“経済クローズアップ”にて「これから土鍋は高騰します…」と云われておりました
    萬古焼とは特定しないまでもアフリカの鉱山を特定のお国の企業による買収成立との内容でした。
    そのお話は此方のお話しなのですね…
    されど、はるさんの記されましたブログの産地にはアフリカはありません(私の勘違いなのかも知れません)
    此れよりはEV電池車は高騰しますね…
    以上を踏まえペタライトは鉱物鉱石なのでしょうか…

    • ありがとうございます♪♪
      萬古焼の土に合うペタライトはジンバブエ産らしいです。
      だからアフリカです。
      そして
      ジンバブエ産も高騰している。というか各国でペタライトを取り合っているそうです。

      ペタライトからリチウムが発見されて、今やリチウムは重要な資源です!
      ペタライトの取り合いはこれからますます熾烈化しそうですね

  2. ペタライトは、何とリチウムの原料なのですねー
    リチウム需要が高まったため、萬古焼の土鍋(うちの土鍋ももしかしたらそうかも?)の材料としてのペタライトに替わる物の開発が急がれてるとは…ペタライトの価格が益々高騰しそうです。それにしても、劈開のペタライトが割れてはいけない土鍋の材料になるっていうのも面白いですね。

    • ありがとうございます♪
      リチウムは電気自動車に必要とあれば、今後ますますペタライトの需要も高まりそうですね
      確かにペタライトは劈開でした(笑)
      高温になっても膨張しない性質を見つけた人、それを鍋に活用しようとした人は偉いです!

  3. ペタライト入りの土鍋は割れにくいのですね。
    土鍋でご飯を炊くと美味しいと言われますが、この土鍋でも美味しいでしょうね。
    近年は、リチウム電池の需要が増えて、輸入が減って大変ですね。
    萬古鍋、課題を克服して、代替原料を使って作ってほしいです。
    劈開面が真珠光沢を放っているのはきれい!でも、割れやすいから、宝石には向かないですね。

    • ありがとうございます♪
      萬古焼の鍋はIHにする前は随分愛用していました。
      プリンなども美味しくできました
      いまはIHでも使える萬古焼が開発されたと聞きましたので創意工夫の頭脳と精神があるのでしょうね!
      新たな代替原料に期待します。
      私もペタライトの魅力は宝石質より劈開面の残る原石にあるように思います。

  4. ペタライトの「ペタ」はギリシア語の葉っぱから来ているのですね。
    めちゃくちゃ大きい数字の接頭語かと思いました(^◇^;)
    キロ・メガ・ギガ・テラ・・(10の3乗・6乗・9乗・・・)で、
    ペタだと10の15乗・1000兆倍、本当に大きい数字。
    すごい高分子なのかな、いやでも無機物でそこまで分子量でかい物質は無いか、とも^^;
    葉っぱですかー。でも層として剥がれはしても、柔らかくもなく(モース硬度高い)そして耐熱性もある、と。
    リチウムが入ってるんだ、ふーん?!と思ったら、化学物質としてのリチウムがこちらから発見されたとは!(◎_◎;)
    萬古焼のお話、そしてその取り合いのお話・・すごい鉱石なのですね。
    誕生石にはなっていない・・いやアクセサリー用途にしたり、めでるよりもまずは工業に・・という感じもあったりするでしょうか。

    • ありがとうございます♪
      ペタという単位があったのですね!
      10の15乗笑、大きな数字です。
      私も萬古焼を愛用していたので、知らないうちに
      ペタライトのお世話になっていたようです。
      リチウムの需要はますます増えそうなのでアクセサリーにしている場合ではないかもしれませんね!
      ジンバブエ産が特に鍋にはいいそうなのですが、ジンバブエ経済の立て直しにひと役買えるといいですね。

コメントを残す

クリスタルの関連記事
おすすめの記事