(71)『日本神話タロット』鏡ノ弐「ニニギとコノハナサクヤの出会い」
鏡ノ弐(カップ2)「ニニギとコノハナサクヤの出会い」

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これまでのあらすじ

葦原中国は「アマテラス(天照大御神」の孫
ニニギ(邇邇芸)」が治めることになり
サルタビコ(猿田毗古神)」の先導で高千穂に降臨しました。

『日本神話タロット』鏡ノ弐「ニニギとコノハナサクヤの出会い」

鏡ノ弐(カップ2)カードの意味

正位置
結婚、婚約、運命の出会い、関係の前進

逆位置
すれ違い、気まずい関係、不一致

『日本神話タロット 極参』
鏡ノ弐
「ニニギとの出会い」解説文(写し)

葦原中国を統治するために地上に降りた
ニニギ」は
コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売)」と出会い一目で恋に落ち、すぐに求婚しました。

もちろん「コノハナサクヤヒメ」も
ニニギ」のことを気に入ったため、結婚したいことを父の
オオヤマツミ(大山津見神)」に話しをしに行きました。

参考記事

「古事記」におけるこの場面

ニニギ」は
笠沙の岬(現在の野間岬な辺りと思われています)
で美しい乙女に会いました。

笠沙岬は現在の野間岬

ニニギ
お前は誰の子か。

コノハナサクヤ
「オオヤマツミ」の娘で
「カムアタツヒメ(神阿多都比賣)」
またの名を
「コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売)」といいます。

ニニギ
兄弟はいるのか。

コノハナサクヤ
「イワナガヒメ(石長比賣」という姉がいます。

ニニギ
私はお前と契りたいのだがどうだ。

コノハナサクヤ
私はなんともお答えできません。
父がお答えするでしょう。

「コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売)」
とはどんな姫か

アメノウズメ(天宇受売命)」が「古事記」のコケティッシュなアイドルだとすると、
コノハナサクヤヒメ」は正統派の美女という位置付けでしょうか。

天孫「ニニギ」と結婚し、やがて初代天皇「神武天皇」のひいお婆さまになるお方です。

ただし、ただお人形のような美女ではありません。

この後、火を放った所で出産をして見せる、根性のある美女なのです。

コノハナサクヤ像(東京都 成子天神社) 写真:友人提供

名前から考える

まずは通称の「コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売)」から見てみましょう。

コノハナ(木の花)…桜の花
サク(佐久)…咲く
ヤ(夜)…助詞
ヒメ(比賣)…女性

つまり「桜の花の咲くように咲き栄える女性」という意味ですね。

次に最初に名乗った「カムアタツヒメ(神阿多都比賣)」を見てみましょう。

カム(神)…神聖な
アタ(阿多)…鹿児島県南さつま市から野間半島にわたる地域
ツ(都)…助詞
ヒメ(比賣)…女性

つまり「神聖な阿多の女性」という意味です。

これからしばらく「コノハナサクヤヒメ」の物語が続きます。

このブログでは、通称の「コノハナサクヤヒメ」で表記して参ります。

はるさん的補足
神々のプロポーズ

この場面で「ニニギ」は「コノハナサクヤヒメ」にいきなり父親の名前を聞きました。

古事記」では今回のように身分の高い方が道で綺麗な女性を見染めて結婚を申し込む時も、父親が誰かを聞くことがあります。

この後出てくる「雄略天皇」も、
川で洗濯をしていた美しい乙女にいきなり
お前は誰の子か。」
と問いました。

プロポーズにあたっては、天皇や同等の身分のお方であっても女性の父親に許しを乞うのが必須だったことがわかります。

古事記の他の記事

古事記の他の記事はこちらからご覧ください。

上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)

中巻(神武天皇から応神天皇)

下巻(仁徳天皇から推古天皇)

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コメント一覧
  1. ニニギとコノハナサクヤヒメのお話は、自分はイワナガヒメの方に気を取られてしまいがちで(というかニニギ本当にひどいカードの中でもその談話は出てくるのでしょうか?!ありうるとしたらカップの5ぐらい?)
    あまり深追いしたことがありませんでした。薩摩の方でのお話だったんですね&姫は地元の地名を別名で持つんですね。

    女性の父親について聞くのは、「身分違い」を配慮・警戒して、とかでしょうか

    • ありがとうございます
      酷い展開になりますよね。
      お姉さんは醜いから嫌、お腹の子は俺の子か〜って。泣
      カップの4がイワナガヒメを拒否する場面、カップの7が火中出産です。
      阿多は今もある地名です。
      宮崎から鹿児島に移動するんですね。
      ニニギは酷い言動が注目されてしまいますが、稲の神で鹿児島県の川内市に新田神社があるのですが、その辺りにニニギが作った田んぼがあったと言われています。
      父親を聞くのは、どうなんでしょう。
      身分があまりにも違っても困るかも知れませんが、この場面では、父親かオオヤマツミ。
      国津神といえども、かなり身分は高いはず。
      それなのにこの姉妹に対する酷い仕打ち。
      身分は考慮されないかもしれません。
      あのスサノオでさえクシナダと結婚するにあたってアシナヅチにお願いしてます。
      儀式的、慣習的な物と考える方が自然かも知れませんね。

  2. 私の勘違いなのかも知れません…
    古事記に登場される神々は訓読みではなく音読みなのですね
    いつも拝読します経本も音読み…
    何かしらの関連性を感じました
    勘違いと思います…ごめんなさい。

    • ありがとうございます♪
      確かに当て字のように音読を当てているお名前も多いですね。
      ですから、サクヤヒメのヤは夜という字になっているけれど、夜という意味ではなかったりするのですが、意味があるのかと深読みしたくなってしまいます。
      古事記は稗田阿礼が話した事を太安万侶が漢文で書いたので当て字が多いのではないでしょうか。

  3. 神話タロットでは、イワナガヒメがヤジマジヌマノカミと結婚。と、解説されていますね。極参カップ6
    イワナガヒメとコノハナチルヒメはヤマモトナオキさんをはじめ、人々の願いもあって、同一人物かも知れないという説があるのでしたね。
    コノハナサクヤヒメもイワナガヒメも両方とも幸せになれるので、私もコノハナチルヒメだといいと思います。
    この時代では、結婚は、父親の許可が必要だったのですね。しかし、するしないの判断のためではなく、慣例的、儀式的な要素が強いということで、安心しました。

    • ありがとうございます♪
      イワナガヒメの記事まで見てくれて、とても嬉しいです。
      あの複雑な系譜を見てもらうと、イワナガヒメがコノハナチルヒメだと言うのは、多少無理があると思いますが、イワナガとハナサクが対比しているのでハナチルも対比した名前だろうという推測もできますね。
      この時代は通い婚だった可能性が大きいので、奥さんは実家にいて旦那さんが時々来る、となると、お父さんの存在感が今より大きいのかも知れませんね。

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