![(67)『古事記』道案内の神「サルタビコ神」](https://i0.wp.com/harusantarott.com/wp-content/uploads/2022/04/C5C64578-34A4-46DC-B045-1BFB26A2CF3A-scaled.jpeg?fit=2560%2C1531&ssl=1)
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これまでのあらすじ
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「オオクニヌシ(大国主命)」が平定した葦原中国は「国譲り」によって天津神が治めることになりました。
最初は「アマテラス(天照大御神)」の息子に行かせる予定でしたが、孫「ニニギ(邇邇芸)」が産まれたので「ニニギ」を降臨させることにしました。
道案内の神「サルタビコ神」
「古事記」におけるこの場面
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「ニニギ」一行が地上に降臨しようとして高天原から下を見ると、天浮橋(天からの道)の中程に、上の方は高天原を照らし、下の方は葦原中国を照らしている神が見えました。
「アマテラス」と「タカミムスビ(高御産巣日神)」は「アメノウズメ(天宇受賣神)」に
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あなたがまず一人で行って
「天津神が通る道に
どうして立っているかのか」
聞いて来なさい。
と言いました。
そこで「アメノウズメ」が一人で降りて行って
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「アメノウズメ」よ。
あなたはどなたで何故ここにいるのですか。
と聞くと、
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「ニニギ様」が天降りされるとお聞きしたので道案内をしようと思い、お迎えに参りました。
と言いました。
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「サルタビコ」とはどんな神か
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名前から考える
「サルタビコ」は「先導」を意味する琉球語の「サダル」が転じた語だとする説があります。
「日本神話は海洋民族の神話の影響を受けて成立した」と言われているので、その可能性は高いようです。
また、
動物の猿が「山の神」「田の神」であると言われており、民間信仰に由来するとも言われています。
その他に、伊勢の狭長田(サナダ)という地名に関係するという説もあり、謎の多い神です。
何故、道案内を買って出たか
道案内をした理由も謎ですが、「オオクニヌシ」に国譲りを助けてくれた「スクナヒコナ(少名毗古那神」や「オオモノヌシ(大物主神)」がいるように、
「偉業を成す人は自然に協力を得られるものだ」ということを語っていると考えることができます。
はるさん的補足 道祖神(ドウソジン)と同一視されることが多い「サルタビコ」
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この場面で道案内をしたことから「サルタビコ」は
「道の神」や「旅人の神」としても信仰を集めています。
関東地方や中部地方を中心に村境や峠、橋のたもとなどに民間信仰の道祖神の石神が見られます。
道祖神はさまざまな神と習合されてきましたが、中でも「サルタビコ」と同一視されることが多いようです。
「サルタビコ」はこの後もう一度登場します。
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