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目次
これまでのあらすじ

最初は「アマテラス(天照大御神)」の息子に行かせる予定でしたが、孫「ニニギ(邇邇芸)」が産まれたので「ニニギ」を降臨させることにしました。
道案内の神「サルタビコ神」
「古事記」におけるこの場面

「アマテラス」と「タカミムスビ(高御産巣日神)」は「アメノウズメ(天宇受賣神)」に

アマテラスとタカミムスビ
あなたはか弱い女性だけれど、気後れしない勇気ある性格ね。
あなたがまず一人で行って
「天津神が通る道に
どうして立っているかのか」
聞いて来なさい。
あなたがまず一人で行って
「天津神が通る道に
どうして立っているかのか」
聞いて来なさい。
そこで「アメノウズメ」が一人で降りて行って

アメノウズメ
私のことは知っているわよね。
「アメノウズメ」よ。
あなたはどなたで何故ここにいるのですか。
「アメノウズメ」よ。
あなたはどなたで何故ここにいるのですか。

サルタビコ
私は国津神で「サルタビコ(猿田毘古神)」と言います。
「ニニギ様」が天降りされるとお聞きしたので道案内をしようと思い、お迎えに参りました。
「ニニギ様」が天降りされるとお聞きしたので道案内をしようと思い、お迎えに参りました。

「サルタビコ」とはどんな神か

名前から考える
「サルタビコ」は「先導」を意味する琉球語の「サダル」が転じた語だとする説があります。「日本神話は海洋民族の神話の影響を受けて成立した」と言われているので、その可能性は高いようです。
また、 動物の猿が「山の神」「田の神」であると言われており、民間信仰に由来するとも言われています。
その他に、伊勢の狭長田(サナダ)という地名に関係するという説もあり、謎の多い神です。
何故、道案内を買って出たか
道案内をした理由も謎ですが、「オオクニヌシ」に国譲りを助けてくれた「スクナヒコナ(少名毗古那神」や「オオモノヌシ(大物主神)」がいるように、「偉業を成す人は自然に協力を得られるものだ」ということを語っていると考えることができます。
道祖神(ドウソジン)と同一視されることが多い「サルタビコ」

「道の神」や「旅人の神」としても信仰を集めています。
関東地方や中部地方を中心に村境や峠、橋のたもとなどに民間信仰の道祖神の石神が見られます。
道祖神はさまざまな神と習合されてきましたが、中でも「サルタビコ」と同一視されることが多いようです。
「サルタビコ」はこの後もう一度登場します。
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