(67)『古事記』道案内の神「サルタビコ神」
猿田彦神社(三重県)

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これまでのあらすじ

オオクニヌシ(大国主命)」が平定した葦原中国は「国譲り」によって天津神が治めることになりました。

最初は「アマテラス(天照大御神)」の息子に行かせる予定でしたが、ニニギ(邇邇芸)」が産まれたので「ニニギ」を降臨させることにしました。

道案内の神「サルタビコ神」
「古事記」におけるこの場面

富岡鉄斎画 二神会舞 (東京国立博物館)

ニニギ」一行が地上に降臨しようとして高天原から下を見ると、天浮橋(天からの道)の中程に、上の方は高天原を照らし、下の方は葦原中国を照らしている神が見えました。

アマテラス」と「タカミムスビ(高御産巣日神)」は「アメノウズメ(天宇受賣神)」に

アマテラスとタカミムスビ
あなたはか弱い女性だけれど、気後れしない勇気ある性格ね。
あなたがまず一人で行って
「天津神が通る道に
どうして立っているかのか」
聞いて来なさい。

と言いました。

そこで「アメノウズメ」が一人で降りて行って

アメノウズメ
私のことは知っているわよね。
「アメノウズメ」よ。
あなたはどなたで何故ここにいるのですか。

と聞くと、

サルタビコ
私は国津神で「サルタビコ(猿田毘古神)」と言います。
「ニニギ様」が天降りされるとお聞きしたので道案内をしようと思い、お迎えに参りました。

と言いました。

「アメノウズメ」を祀る「佐瑠女神社」(猿田彦神社 内)

「サルタビコ」とはどんな神か

「サルタビコ」を祀る阿射加(アザカ)神社(三重県」

名前から考える

サルタビコ」は「先導」を意味する琉球語の「サダル」が転じた語だとする説があります。

「日本神話は海洋民族の神話の影響を受けて成立した」と言われているので、その可能性は高いようです。

また、
動物のが「山の神」「田の神」であると言われており、民間信仰に由来するとも言われています。

その他に、伊勢の狭長田(サナダ)という地名に関係するという説もあり、謎の多い神です。

何故、道案内を買って出たか

道案内をした理由も謎ですが、「オオクニヌシ」に国譲りを助けてくれた「スクナヒコナ(少名毗古那神」や「オオモノヌシ(大物主神)」がいるように、
偉業を成す人は自然に協力を得られるものだ」ということを語っていると考えることができます。

道祖神(ドウソジン)と同一視されることが多い「サルタビコ」

サルタビコを祀る佐太神社(島根県)

この場面で道案内をしたことから「サルタビコ」は
道の神」や「旅人の神」としても信仰を集めています。

関東地方や中部地方を中心に村境や峠、橋のたもとなどに民間信仰の道祖神の石神が見られます。

道祖神はさまざまな神と習合されてきましたが、中でも「サルタビコ」と同一視されることが多いようです。

サルタビコ」はこの後もう一度登場します。

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