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『日本神話タロット』棒ノ小姓「稲荷、豊穣ウカノミタマ」
これまでのあらすじ高天原では乱暴をして追放された「スサノオ」ですが地上に降りると「ヤマタノオロチ」を成敗するなど英雄となり、「根の堅洲国」に行きます。
「スサノオ」は妻子を大切にする一面も見せます。
『日本神話タロット』棒ノ小姓「稲荷、豊穣ウカノミタマ」
カードの意味
・正位置
才気あふれる、可能性、人脈に恵まれる
・逆位置
優柔不断、振り回される、不安定
『日本神話タロット 極参』棒ノ小姓
「豊穣ウカノミタマ」の解説文(写し)
スサノオの娘のウカノミタマはあぶらあげをさげた棒を持ち、自身を信仰する者たちのために豊穣の舞を踊ります。とても力を持った女神で新しいことに常に目を向け目標をこなしていきます。
しかし若さゆえに自分勝手なところもあります。
他の神たちは
「願いはかなえないが見守る」
という性質ですが
ウカノミタマは数少ない
「願いを叶えるが見返りを求める」
という性質の神です。
お願いしたことが成就したならばお礼にいきましょう。
参考記事
「古事記」に「ウカノミタマ」が登場する場面
「ウカノミタマ」は「スサノオ」の系譜のところに「カムオオイチヒメ」との間に生まれたという記述があるだけです。「ウカノミタマ」とはどんな神さまか
「古事記」での漢字表記
宇迦之御魂神分解してみましょう
ウカ、、、穀物、食物ミ、、、、神秘、神聖
タマ、、、魂、霊
つまり「ウカノミタマ」は「稲に宿る神秘な霊」と考えられます。
「古事記」には名前しか登場しませんが
・「稲に宿る神秘な霊」であること
・「スサノオ」の娘 という高貴な出自であること
からか多くの神社に祀られることとなります。
・「稲に宿る神秘な霊」であること
・「スサノオ」の娘 という高貴な出自であること
からか多くの神社に祀られることとなります。
伊勢神宮の御倉神(ミクラノカミ)に
伊勢神宮の内宮にある高床式の神明造の倉に御倉神として祀られています。
少なくとも鎌倉時代には祀られていたとみられています。
伏見稲荷の主祭神に
「ウカノミタマ」といえば「お稲荷さん」と呼ばれ、全国各地に稲荷神社はあるので「古事記」に登場する神々の中で最も有名な神の1人かもしれません。「ウカノミタマ」が稲荷神となった理由
稲荷神は711年に伏見に鎮座したと言われています。元々は霊山信仰から始まったようですが、農業の豊作と福をもたらす神として農民の信仰を集めていきました。
稲荷神が稲の神であることから食物神の「ウカノミタマ」と同一視されるようになったようです。
ただし「ウカノミタマ」が伏見稲荷の主祭神となったのは室町時代からと言われています。
その後稲荷神は神仏習合やさまざまな民間信仰を巻き込みながら、日本の代表的な民族宗教の霊威神として確立します。
稲荷神と狐の関係
稲荷信仰では狐が神の神徳を人々に届け、人々の願いを神に届けるというメッセンジャーの役目をもっているとされています。
なぜ狐なのか諸説ありますが
・狐のしっぽが稲穂に似ている
・かつて多くいた狐の鳴き声や習性を不思議に思い神の使いではないかと思った
・津軽地方などでは狐の鳴き声で豊漁を占っていた
・狐は水田で害獣となるネズミやウサギを退治してくれていた
・かつて多くいた狐の鳴き声や習性を不思議に思い神の使いではないかと思った
・津軽地方などでは狐の鳴き声で豊漁を占っていた
・狐は水田で害獣となるネズミやウサギを退治してくれていた
また伊勢神宮の御倉神として「ウカノミタマ」には「三狐神」の字が当てられています。
関西地方で狐を「ケツネ」と呼んでおり、「ケツ」が食物を表す言葉だったからだとも考えられますね。
ウカノミタマ=食物神
ケツ→→→食べ物
→→→狐
よって
ウカノミタマ→狐
ケツ→→→食べ物
→→→狐
よって
ウカノミタマ→狐
はるさん的補足
元々豊穣の神であった稲荷神ですが、仏教や民間宗教などさまざまな信仰と結びつき展開していきます。例えば
・密教
・陰陽道
・水の神(荼吉尼天)
・宇賀弁天
などです。
そのため伏見稲荷は今や
商売繁盛
家内安全
交通安全
厄除け
安産
初宮
合格祈願
病気平癒
といった多くの願いを叶えてくれる大社になりました。
千本鳥居が美しいこともあり、いつも賑わっています。
京都府の初詣参拝者数ランキングでダントツの1位
ちなみに 2位は「スサノオ」を主祭神とする八坂神社です。
1位、2位を独占しているところにこの親子のパワーを感じます。
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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