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そして、共に「国生み」もしました。
しかし、「イザナミ」が火の神「カグツチ」を出産した時に、産道を火傷したことが原因で亡くなって「黄泉の国」に行ってしまいます。(「古事記」)
「イザナギ」は悲しんだ挙句、十束剣(トツカノツルギ)で「カグツチ」の首をはねます。
その剣についた血から「タケミカヅチ」など8神が、また「カグツチ」の遺体からも8神生まれます。
首を切ったものの、イザナミへの思いを断ち切れなかったイザナギは、黄泉の国へイザナミを迎えに行きました。
カグツチの首から飛び散った血や、剣から滴り落ちた血から数多の神が生まれます。
火は人が得た最大の文明で、うまく使えば良いものですが、一歩使い方を間違えると「自らを焼く諸刃の剣」だということを神格化しています。
参考記事
「古事記」に出てくる神様の名前は意味を表しています。
分解して解説しましょう。
つまり「カグツチ」とは「光の霊(火の神)」という意味です。
火は日常生活になくてはならない物ですが、いったん猛威をふるうと人の手に負えません。
「創造神イザナミ」でさえ火の力を制御できませんでした。
ですから斬られなければならなかったのでしょう。
斬られた「カグツチ」の遺体から生まれた神々も「山の神」や「雷の神タケミカヅチ」といった山火事を連想させる神々です。
「カグツチ」が殺されたのは「火の神」は重要ながら、「自由に活動してはいけない」ということを象徴しているのです。
日本神話には様々な場面で「十束剣」が出てきます。
「束」というのは長さの単位で拳一つ分の幅のことです。(10㎝くらい?)
ですから「十束剣」は1メートルくらいの剣でしょうか。
「スサノオ」が「ヤマタノオロチ」を退治する時にも「十束剣」は使われますが、同じ一本の剣というわけではなく「神が使う剣」の一般名称であろうと思われます。
「日本書紀」では「イザナミ」は死にません。
なぜなら「日本書紀」は中国の伝統思想である陰陽説(この時代のグローバルスタンダード) を基調としているので、「陽神とされるイザナギ」を残して「陰神とされるイザナミ」が亡くなってしまうと、陰陽のバランスが失われて世界全体が滅んでしまうからです。
「古事記」では「イザナミ」は亡くなり「黄泉の国」に行きます。
これがローカルアイデンティティです。
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「イザナギ」とイザナミ」の決別
「イザナギ」と「イザナミ」は晴れて夫婦になり「ワタツミ」や「オオヤマツミ」など沢山の子をもうけました。そして、共に「国生み」もしました。
しかし、「イザナミ」が火の神「カグツチ」を出産した時に、産道を火傷したことが原因で亡くなって「黄泉の国」に行ってしまいます。(「古事記」)
「イザナギ」は悲しんだ挙句、十束剣(トツカノツルギ)で「カグツチ」の首をはねます。
その剣についた血から「タケミカヅチ」など8神が、また「カグツチ」の遺体からも8神生まれます。
『日本神話タロット 極参』鬼 (悪魔)「決別」
「悪魔」のカードの意味
・正位置
裏切り、束縛、堕落、誘惑、憎悪、嫉妬
・逆位置
回復、覚醒、新たな出会い、生真面目、リセット
『日本神話タロット 極参』鬼(悪魔)「決別」の解説文(写し)
イザナミを焼きながら生まれてきたカグツチは、すぐにイザナギに首を切られてしまいます。首を切ったものの、イザナミへの思いを断ち切れなかったイザナギは、黄泉の国へイザナミを迎えに行きました。
カグツチの首から飛び散った血や、剣から滴り落ちた血から数多の神が生まれます。
火は人が得た最大の文明で、うまく使えば良いものですが、一歩使い方を間違えると「自らを焼く諸刃の剣」だということを神格化しています。
参考記事
火の神「カグツチ」とは
「カグツチ」という名前
「カグツチ」は「古事記」では「迦具土神」と記されています。「古事記」に出てくる神様の名前は意味を表しています。
分解して解説しましょう。
・「カグ」→光を表す「影」と同系統です。
「竹取物語」の「かぐや姫」と同じ「カグ」ですね。
・「ツ」→助詞の「の」
・「チ」→霊力を表します。
「竹取物語」の「かぐや姫」と同じ「カグ」ですね。
・「ツ」→助詞の「の」
・「チ」→霊力を表します。
なぜ「カグツチ」は実の父親に殺されたか
なぜ殺されたか、もちろん「イザナミ」が亡くなってしまったからですが、人の「火に対する人の畏れ」を表していると言われています。火は日常生活になくてはならない物ですが、いったん猛威をふるうと人の手に負えません。
「創造神イザナミ」でさえ火の力を制御できませんでした。
ですから斬られなければならなかったのでしょう。
斬られた「カグツチ」の遺体から生まれた神々も「山の神」や「雷の神タケミカヅチ」といった山火事を連想させる神々です。
「カグツチ」が殺されたのは「火の神」は重要ながら、「自由に活動してはいけない」ということを象徴しているのです。
「十束剣(トツカノツルギ)」とは何か
「イザナギ」が「カグツチ」の首をはねた「十束剣」とは何でしょうか。日本神話には様々な場面で「十束剣」が出てきます。
「束」というのは長さの単位で拳一つ分の幅のことです。(10㎝くらい?)
ですから「十束剣」は1メートルくらいの剣でしょうか。
「スサノオ」が「ヤマタノオロチ」を退治する時にも「十束剣」は使われますが、同じ一本の剣というわけではなく「神が使う剣」の一般名称であろうと思われます。
はるさん的補足
天地開闢「世界」の記事に「古事記」と「日本書紀」の違いを簡単に書きました。「日本書紀」では「イザナミ」は死にません。
なぜなら「日本書紀」は中国の伝統思想である陰陽説(この時代のグローバルスタンダード) を基調としているので、「陽神とされるイザナギ」を残して「陰神とされるイザナミ」が亡くなってしまうと、陰陽のバランスが失われて世界全体が滅んでしまうからです。
「古事記」では「イザナミ」は亡くなり「黄泉の国」に行きます。
これがローカルアイデンティティです。
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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