『アンタークチサイト』(南極石) 25℃で溶ける日本人発見の鉱物

アンタークチイト(南極石)は室温でも溶けてしまう鉱物です。

日本人の探検家鳥居鉄也氏が南極で発見しました。

漫画「宝石の国」に「アンタークチサイト」というキャラクターがいますね。

宝石の国」のアンタークチサイトは、、、

宝石たちが冬眠する冬を一人で担当している。

夏は液状で眠っているが、気温が下がる冬になると結晶化する。

というキャラクターです。

アンタークチサイトについて

アンタークチサイトはハロゲン化鉱物の一つです。

ハロゲン化鉱物には他に

岩塩やフローライト(蛍石)があります。

(と聞けばアンタークチサイトが想像しやすいのではないでしょうか)

一見すると氷に見える上、25℃で融点に達して液体化するので1963年まで鉱物として発見されませんでした。

アンタークチサイト (南極石) の名前の由来

アンタークチサイトは

英語で南極を表す「Antarctic」に

石を表すcite(サイト)をつけてantarcticiteと命名されました

南極石は

1963年に鳥居鉄也氏が南極で発見したことにちなみます。

最初は発見された「ドンファン池」にちなみ

ドンファン石(donjuanite)という名前で登録申請しましたが、スペインの伝説的プレイボーイ「ドンファン」と同じ発音になるために却下されました。

アンタークチサイトの成分

アンタークチサイトは塩素やカルシウムなどを主な成分としている

針状結晶です

化学式は

CaCl2・6H2O です

アンタークチサイトの硬度

モース硬度 2〜3

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

アンタークチサイトの劈開

完全

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?

アンタークチサイトの光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

アンタークチサイトの石言葉

危険回避

アンタークチサイト 誕生日石

誕生日石にはなっておりません

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

アンタークチサイトが発見される地

南極大陸 ドンファン池

アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ブリストル湖

南アフリカ共和国 リンポポ州 Driekop鉱山

その他

ロシア、オーストラリア、中国でも産出が報告されています

地球外では、火星コロンビア丘陵でも火星探査車スピリットによる調査で報告されています!

アンタークチサイトを作ってみた

アンタークチサイトは25℃で溶けてしまうので、

宝石として買うことはなかなかできません。

もちろんアクセサリーにすることも不可能ですが

自宅で作ることができます。

アンタークチサイトの材料

結論から言えばアンタークチサイトは

液体化した「タンクタイプの除湿剤」から作りました。

アンタークチサイトは塩化カルシウムを同量混ぜて凍らせて結晶化させればできます。

( CaCl2➕H2O )

塩化カルシウムは雪が降った時に滑りどめとして撒きますね。

しかし、薬局やハウジングストアのような所で売っているのは

「無水塩化カルシウム」ではなく、「二水塩化カルシウム」だとわかりました。

何も書いてありませんが、買ってしまったものは「二水塩化カルシウム」

二水塩化カルシウムとは

化学式はCaCl2・2H2O と表され、結晶水を含む塩化カルシウムです

「無水塩化カルシウム」の入手が困難だとわかり、アンタークチサイト作りは諦めていたのですが

「水とりぞうさん」のようなタンクタイプの除湿剤が使い終わって全て液体になった物を使えばいいことを読みました。

タンクタイプの除湿剤は主に粒状の塩化カルシウムと活性炭でできています。

(塩化カルシウムが保水の役目、活性炭が脱臭の役割を果たしています)

アンタークチサイトの作り方

液体化した「タンクタイプの除湿剤」を凍らせます

溢れると大変なのでジップロックなどに入れて凍らせましょう。

一晩冷凍庫に入れておいたら凍っていました!

その中から結晶になっていそうな物をピンセットで取り出します

わりと綺麗にできました!

これがアンタークチサイトの結晶です。

塩化カルシウム剤を買って何度も試したのに結晶が出来なかったので少し感動しました(笑)

こんなに身近な物で結晶作りできるなんて楽しいですね。

⚠️注意事項

液体が服に付くとシミの原因になります。

付いてしまったら、洗剤を使わずに水洗いをしましょう。

作業は手袋をして行いましょう。

肌についた場合はすぐに流水で洗い流しましょう。

液体がテーブルや床にこぼれた場合、自然乾燥はしないので、布巾で拭き取り→水拭きをして→乾いたタオルで拭きよく乾燥させましょう。

注意事項を守って楽しんでみてください。

にほんブログ

コメント一覧
  1. この度はお久方の鉱石ブログですね。
    スクロールをし留まることなく最後まで注視します内容でありました
    アンタークチサイトは鉱物の定義“金属、地中にて生成されるもの”とは相違するも鉱物のお仲間なのですね。
    ハロゲン化鉱物とは如何ような物…岩塩、蛍石と似通うとの事。とても想像しやすいです
    驚きなのは“製作”適う事さらには特別な用具も必要とされない事です。
    市販にて小売りされる除湿剤は凍らせます事により私でも入手適いますね。

    • 才色健躾さんありがとうございます♪
      最後までご覧いただいたとのこと、感謝感謝です。
      鉱物とは地質学的作用により形成される、天然に産する一定の化学組成を有した無機結晶物質のことを指すので岩塩も氷も鉱物になるんです
      塩化カルシウムは身近の割に「無水」はなかなか手に入らないのです
      活性炭などをコーヒーフィルターなどで濾すともっと綺麗にできるかもしれませんね!
      是非やってみてください

  2. 液体化した除湿剤を凍らせると→アンタークチサイトの結晶が出来るんですね〜凄いですね!これからの季節は、常温では溶けてしまう、という事で凍らせて結晶化するのか…理科の実験の世界ですね。それにしても「宝石の国」のアンタークチサイト、1人冬眠せず冬担当って「アナ雪」の世界ですね…面白いです。

    • みゆきさん
      ありがとうございます♪
      子供と遊びで作るのではなく、大きなおばさんが1人でやっていて笑えますよね(笑)
      アナ雪の世界!
      そうですね
      宝石の国はメチャ暗いのですが、同じですね

  3. タンクタイプの除湿剤を凍らせると、綺麗なアンタークチサイトの結晶が出来るんですねー塩化カルシウム剤を購入したり、回り道をした甲斐がありましたね。「宝石の国」のアンタークチサイトは、「アナ雪」ともオーバーラップするイメージキャラです。宝石たちは冬眠するんですね(笑)

    • ユーザーさん
      ありがとうございます♪
      かなり回り道アンド出費をしましたが、あっけなくできました!
      そして期待以上に美しいので感動しました
      25℃で溶けるってロマンチックな発想が色々生まれそうですね!

  4. はるさんこんばんは、アメブロではなくこちらでは久しぶりの記事ですね。なんだかこちらはこちらで安心感がある記事です。
    25°Cで溶けてしまうとは、なんともはかない鉱物ですね。モース硬度も低い・・
    漫画の方の登場人物さんも(読んだことないのですが)イラストで見る分にとても繊細なキャラクターに見受けられます。
    氷じゃなくて鉱物だったのか、と当時の人たちもびっくりしたことでしょうね。
    Cacl2・・炭酸カルシウムの水和物って、肥料とかあとは融雪剤じゃなかったっけ?!と思ったらまさにそんな感じなのですね(^◇^;)
    何よりも、吸湿・乾燥剤から作れることに驚き・・でももしもこれでアクセサリー等作って、身につけて出たりしたら、今時はお昼には溶けて無くなっちゃってそう(肌や服についたら傷んじゃうからダメですねそんなことしてたら)ですが(^◇^;)

    • Yoshiさん
      ありがとうございます♪
      こちらの方がカタソウな記事ですが、趣味ブログなんです♪
      食事は主婦にとってやはり義務感があるので、、、
      多くの人にアンタークを知っていただけて、漫画の力は大きいですね
      塩化カルシウムが肥料に使われるとは知りませんでした
      食品添加物にも使われるわけですし、取りすぎは毒だけど、少しなら良いというパターンですね
      二水を水で溶かすと発熱したので、融雪剤というのはよくわかります
      アクセサリーは作る段階で難しそうです(笑)

  5. 塩化カルシウムを購入して何度も試した、回り道の結果タンクタイプの除湿剤が使えると発見したんですね頭が下がります。結晶化の過程が、理科実験みたいですね。
    楽しそう!「宝石の国」のアンタークチサイトのキャラが、「アナ雪」のエルサの様ですね。宝石って冬眠するんですねー(笑)

    • ユーザさん
      ありがとうございます♪
      かなり回り道をして時間を消費してしまいましたが、結晶作りは難しいとお聞きしました
      でも除湿剤なら冷凍庫に入れるだけでok
      宝石の国は鬱漫画と言われるくらい暗いですが、
      エルサのような性質ですね

  6. 粘り強さに感心です。
    南極石の結晶、作れて良かったです。
    色は青みがかった透明でしょうか。
    凍らせても全部が結晶になるわけではないのですね。
    これは、匂い消しとして活性炭が入っているからかしら?
    活性炭も透明なのでしょうか?
    滑り止めとして播いているのは、塩化カルシウムだったのですね。溶けて下水道に行くのだと思いますが、物を錆びさせやすいものの、特に環境に悪いということはなさそうですね。

    • さゆさん
      ありがとうございます♪
      凍らせ過ぎると
      大きな氷の塊になっている部分が多く、結晶が作りにくいと思います
      色は青くないと思います
      見た目は氷の結晶と同じようなので、南極という地で、良くぞ発見したと思います
      除湿剤に溜まった液体を捨てた後もたくさん水を流してた方がいいようです。
      雪にもあまり大量に撒かない方がいいと思います
      塩化カルシウムは水と反応すると発熱するので
      撒いたばかりの時にワンコの散歩はしない方がいいですね

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