スコロライトはブラジルでアメジストを2段階の処理を施して作られている淡い紫色の加工石です。
どのように処理をしているか、秘密にされていることが多いので流通量があまり多くはありません。
スコロライトについて
スコロライトの名前の由来と別名、和名
スコロライトは流通名です。
鉱物名はクォーツになります。
スコロライトの名前のはっきりした由来はわかりませんでした。
スコロライトは石の厚みや光の加減・角度によって、紫色にピンクや青・オレンジなどの色が複雑に混ざって見えることから
・ラベンダークォーツ
・ムーンライトアメジスト
・ピンクファイヤーアメジスト
・ハイドレンジアクォーツ (あじさいという意味)
などと呼ばれることがあります。
和名は藤雲石 (フジクモセキ・トウウンセキ) です。
スコロライトの成分
スコロライトはアメジストを加熱処理した物ですから
成分はアメジストと同じになります。
アメジストは二酸化珪素、化学式は
SiO2 と表されます。
紫色なのは鉄イオンによる物です。
スコロライトの作り方 (謎に包まれています)
スコロライトを作るには
まずアメジストを高温で加熱処理を施します。
高温で加熱することによりアメジストの紫色が消え、透明〜乳白色になります。
その後放射線処理を施して淡い紫色にしているのではないか、といわれていますが諸説あり謎に包まれています。
アメジストに2回の処理を施すのですから、途中で割れてしまったりヒビが入ってしまったりすることがあります。
ですからスコロライトは稀少性が高くなるのです。
スコロライトの硬度
モース硬度 7
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スコロライトの劈開
劈開性 不明瞭 (なし)
割れにくい鉱物です。
💎参考記事
スコロライトの光沢
ガラス光沢
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宝石の加熱処理について
アメジストに限らず、宝石を加熱処理をすることはよくあります。
加熱処理はエンハンスメント(改善)という言葉で表され、古代エジプトですでに行われていた処理方法です。
加熱処理は自然のままであれば長い長い年月をかけて熱せられるはずの天然石に人工的に加熱するというコンセプトなので加工品という扱いにはなりません。
加熱処理は
・宝石の余計な色味を除去
・多数のインクルージョンを減らす
・潜在的な色を引き出す
ことを目的に
宝石原石を電気炉やガス炉などを用いて、外部添加物質なしで中高温にさらすことです。
加熱処理はサファイアやルビーを含め多くの色石に施されている処理方法で
加熱後の色は通常は非常に安定で、退色することはありません。
宝石の放射線照射について
放射線処理は宝石に放射線を照射することによって宝石の色を変えることです。
加熱処理は「(何千年かの)時間が経てば熱せられるであろうと思われる天然石を急いで人工的に加熱する」エンハンスメント(改善)ですが
放射線照射は宝石結晶の原子構造を変化させ、宝石内部の色を変化させることトリートメント(改変)です。
放射線を照射することによって
自然界には存在しない、または存在しても非常に珍しい色の宝石を作ることができるのです。
放射線と聞くと抵抗感を感じてしまいますが、多くのルベライトやブルートパーズやカラーダイヤモンドには放射線照射が施されています。
トリートメント(改変)されていても元が天然石なので、
放射線照射をされた宝石は天然石という扱いになります。
「ありのままの姿の天然石がいい!」という方は購入する時に確認しましょう。
アメジストを加熱処理して作る宝石たち
アメジストを加熱すると、含まれる鉄イオンの影響によって色が変わります。
温度での変化は、
420℃未満でアメシジスト
440℃〜560°C以上でシトリン(黄色)
シトリンに変わる途中でアメトリン(紫と黄色)
650°Cでミントグリーンのアメジストや透明になる
と言われています。
ただし、どのアメジストも色の変化を見せるわけではありません。
スコロライトの石言葉
・自分らしさ
・素直
・解放
・純愛
・インスピレーション
スコロライト 誕生日石
現在の誕生日石には選ばれていません。
💎参考記事
スコロライトの主な産地
現在スコロライトに加工しているのは
ブラジル🇧🇷
だけです。