珪化木

珪化木は木の化石です。

通常、木が枯れて倒れた場合は陸上で酸化し(腐る)分解されます。

しかし、火山や洪水などが起きると土砂がかぶさり、空気と遮断され酸化分解がされないことがあります。

その木の組織細胞に珪酸を含んだ水が入り込み水晶のように化石化したものが珪化木です。

水晶のように化石化することを珪化といいます。

※水晶のような成分になるという意味です。

全ての水晶が化石なわけではありません!

珪化木について

珪化木

珪化木の名前の由来と英名

珪化木は古代、地下に埋もれた樹木に珪酸を含む水が浸透して化石化(珪化)した物です。

ですので、珪化木と呼ばれています。

英名は Petrified Wood ペトリファイド ウッド

直訳すると「石化した木」です。

珪化木は他に木化石(モッカイシ)とも呼ばれます。

珪化木

珪化木の成分

木そのものは主に炭素、酸素、水素から構成されます。

そこに珪酸を含む水溶液が流入することで樹木の一部が珪化していきます。

珪化した部分の化学式は

SiO2

二酸化珪素です。

珪化木の硬度

モース硬度 6〜7 (珪化した部分)

💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

珪化木の光沢

珪化木

環境によって

・ガラス光沢 

・光沢無し

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

珪化木ができるまで

一般的に枯れて倒れた木は、陸上で腐り分解されます。

しかし、洪水で流されたり火山の爆発があったりして土砂や火山灰が木の上に堆積すると空気と遮断されるため酸化や分解を防ぐことになります。

土の中の5〜7割を占める二酸化珪素が水分とともにゆっくりと(数百万年〜数千万年)樹木の細胞や隙間に流入し、沈着することで珪化するのです。

中には珪化した部分がオパールのように揺らめく物もあります。

オパール化した珪化木

同じく「木の化石」石炭とは?

石炭

石炭も木の化石です。

(主に炭素、水素、酸素で構成される)木の遺体が湿原や湿地帯に堆積され酸素の少ない水中に沈むと生物による分解が十分進まないため泥炭になり、

(泥炭は炭素の他に水素、酸素を含んでいますが) 年代を経るにしたがって水素と酸素が減っていき炭素が90%以上になった木の化石が石炭です。

珪化木と石炭のちがい

珪化木と石炭はどちらも地層に埋もれた木が腐らず分解されなかった物ですが

珪化木は二酸化珪素を含む水溶液が珪化したもの

石炭木の炭素が固く残ったもの

という違いがあります。

珪化木は燃料にならない

石炭は人類の発展に欠かせない鉱石です。

石炭の採掘は過酷な労働を伴います。

珪化木は石炭の産地から出土することが多くありますが、珪化木は固いので石炭の採掘の妨げになり炭鉱者を悩ます原因になっているようです。

しかも珪化木の主な成分は二酸化珪素。

一見木のように見えますが燃えないので燃料として使えません。

珪化木

ですので珪化木は「石炭になり損なった木」などと呼ばれることもあるようです。涙

珪化木の石言葉

希望

真心

博愛

珪化木 誕生日石

現在の誕生日石には選ばれていません。

💎参考記事 

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石 

日本の珪化木

珪化木は日本の各地で産出されます。

特に

兵庫県東条町からは多くの珪化木が産出されました。

大きな珪化木としては

根反(ネソリ)の大珪化木 (岩手県)

波根西(ハネニシ)の珪化木 (島根県)

夜宮(ヨミヤ)の大珪化木 (福岡県)

などは国の天然記念物に指定されています。

珪化木の主な産地

珪化木は世界中で産出されますが、鑑賞用で取り引きされるものは主に

・アメリカ🇺🇸

・アルゼンチン🇦🇷

・ブラジル🇧🇷

で産出されています。

 

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コメント一覧
  1. 珪化木の珪化した部分は、水晶並に硬いですね。確かに炭鉱者泣かせかもしれません。珪化木は燃えないんですねー知りませんでした。「黒いダイヤ」の石炭に見かけが似てるだけで、勝手に燃料として期待されても困りますよね

    • ありがとうございます♪
      鑑賞用の珪化木でも木の原型や年輪がよく見える物があり、私も「燃えるのだろう」と思っていました。
      長い年月をかけて木の繊維の奥まで染み込んでいるのですね。
      石炭は見た目が美しくありませんが、ダイヤモンド以上に役に立つ。
      まさに「黒いダイヤモンド」です!
      珪化木の良さは鑑賞用にできることですね

  2. すごく面白い・興味深い石のお話です。
    めちゃ大雑把に言うと「木がガラスで固められた」感じですね。
    石炭との共通点・相違点もとても興味深い!(というか石炭の成り立ちを
    存じ上げませんでした。石で炭で?燃えて燃料になる?!と、そういえば
    掴みかねていたものでした。)

    こちらの表題のところの石は、すごく綺麗・神秘的な色目ですね(^^)
    これらは高価なのでしょうか?観賞用で上等なものはやはり値ははる?
    まったく木に見える・石炭に見えるけど実は珪化木・・いろんなのがありそうです。

    • ありがとうございます♪
      正確には水晶で固められたという感じです。
      でもコーティングされたものとは違い、長い年月をかけて内部まで浸透しているのです。

      木の成分から水素と酸素が抜けた物が石炭。
      化石と言われると美しい物を想像してしまいますが、石炭のような化石もあるのですね。
      上から三枚目の珪化木の写真は値段が書いてあったのですが大きい方(30センチくらい)44万円でした。
      ただし5年くらい前に私が石屋さんで撮った写真なので、価格は上がっているかもしれません。
      石炭に見えるけど珪化木、という物や部分的に珪化木になっている物が多いそうです。
      そうすると鑑賞用にもならないし、硬くて掘削の邪魔になるし、もちろん燃料としての価値も無し、、、
      「石炭になり損なった木」と言われてしまいます。泣

  3. この度のブログを拝見し化学式SiO2 二酸化珪素についてこれまでの鉱物を思い出しました
    化学式ではSiO2は水晶の石英も同じです
    石英は確かガラス光沢と記憶に留めております
    されど今回の珪化木の光沢はガラス光沢若しくは”無し”と記されております
    それは石英にはない炭素を含むからなのでしょうか…

    • ありがとうございます♪
      珪化木は私が見た物だけでも「メノウのようだ」と思うくらいキラキラしたものから、「木そのもの?」と思う物まであります。
      半分石炭という物まであるようなので綺麗に珪化してない物も珪化木という扱いになっているのだと思います。
      才色健躾さんがおっしゃるように炭素が残っているのだと思います。

  4. 珪化木と石炭の、成分と出来方の違いがわかりました。ありがとうございます。
    珪化木には、石のように見えるものと木のように見えるものがあるのですね。
    木のように見えるものは、年輪などがあると、ますます木と間違えそうです。
    けれども、水晶の一種のシェルオパールのように、成分が二酸化ケイ素に置き代わったものなのですね。

    • ありがとうございます♪
      珪化木は本当に「木にしか見えない」ような物から石っぽい物までありますね。
      年輪がわかるような物に私はロマンを掻き立てられます!
      これで燃えないのが不思議なくらいです。
      シェルオパールは湖などに埋もれた貝が腐敗し溶け出し化石に。
      そこに二酸化珪素を含む水が流入することで置き換わっているのですが、
      珪化木は成分の全てが二酸化珪素に置き換わっているわけではなく原型を変えていない部分があるのが魅力ですね。

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