『ゴールドストーン』(金砂石) 偶然誕生!銅が練り込まれたガラス
ゴールドストーン

ゴールドストーンは宝石ではなく、人工的に作られたガラスです。

名前に「ゴールド」とつきますが、金ではなくが内包されています。

ゴールドストーンについて

ゴールドストーン

ゴールドストーンとは

ゴールドストーンはガラスの一種で、茶色や紺のガラスに銅を練り込んで作られた物です。

18世紀イタリアのベニスのムラノ島で誕生し、アクセサリーの他に建材としても使われてきました。

近年はパワーストーンとしても人気があります。

ゴールドストーンの誕生

18世紀にイタリアのムラノ島のガラス職人が、生成中のガラスに銅の鍋 (銅のクズともいわれます)を落としてしまいました。

すると、美しく輝く石のような物が生まれたので製品化したと言われています。

最も一般的なゴールドストーンは赤茶色のものですが、紺色の物もあります。

ゴールドストーンの名前の由来と和名

ゴールドストーン

キラキラ輝くのは銅ですが、砂金ように見えるため「ゴールドストーン」(「ゴールドサンドストーン」という流通名もあるようです) と呼ばれています。

ゴールドストーンの和名は「金砂石」ですが

・茶色のものは「茶金石

・紺色の物は「紫金石

と命名されました。

はる
ゴールドストーンは
ゴールド(金)でも
ストーン(石)でもないのに
紛らわしい名前をつけられましたね。

ゴールドストーンの成分

ゴールドストーンはガラス銅の粉末を練り込んだ物です。

ガラスは二酸化珪素が主成分の珪砂(ケイシャ)と呼ばれる砂が主原料ですので化学式は

SiO2になります。

そこにソーダ灰(Na2CO3) を加えて溶ける温度を下げ

水に溶けないガラスにするために石灰(CaO)

を加えて熱して溶かし、成型し冷やし固めます。

ガラスを生成する時に金属イオンなどを添加することによってガラスに色がつきます。

赤茶色のガラスは銅による物

紺(濃い紫色)の物はマンガンなどを添加して作っているようです。

ゴールドストーン

銅によるアベンチュリン効果

ゴールドストーンの魅力の一つは砂金のように見える銅の粉末です。

銅の粉末がキラキラ光り美しいアベンチュリン効果(アベンチュレッセンス)を生み出しています。

アベンチュリン効果とは

石の中のキラキラ光る効果のことです。

小さな板状の金属インクルージョンに反射することで生まれます。

アベンチュリンは偶然という意味で、ゴールドストーン誕生から生まれた言葉です。

はる
アベンチュリン(砂金石)という天然石があります。

アベンチュリンという石はクオーツに
クロム雲母
ヘマタイト
ゲーサイト
を内包することによってアベンチュリン効果を生み出しています。

アベンチュリン効果がある宝石は他に
サンストーン
アベンチュリンアイオライト
などがあります。

ガラスは褪色しない

ゴールドストーンは色のついたガラスです。

ですから、宝石ではありませんし、希少性もありません。

しかし、ガラスに閉じ込められた色は褪色しないという利点があります。

高温の熱で炙るなどしない限り、同じ状態で長い期間楽しめますね。

一般的なガラスの融点は600°〜700°です。

ゴールドストーンの硬度

モース硬度 4.5〜6.5

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

ゴールドストーンの光沢

ガラス光沢

金属光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

ゴールドストーンの石言葉

・出会いのチャンス

・天からのギフト

ゴールドストーン

ゴールドストーン 誕生日石

1/12

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石」 

ゴールドストーンの主な産地

・イタリア🇮🇹

・中国🇨🇳

にほんブログ村

コメント一覧
  1. ゴールドストーンは銅を練り込んだガラスということで、たしかに褪色しないのなら、建材向きですねー
    アベンチュリン効果もあって、食器等にもいいかなぁ?とも思います。高価なモノなのでしょうか?

    • ありがとうございます♪
      ガラス工芸品屋さんに売られていますが、ベネチアングラスのお値段ですね。
      割れるのは怖いけれど、ステンドグラスのように窓の一部だけでなく、壁などにも使われているそうです。
      食器も素敵ですね!
      お料理が映えそうです
      紺色のゴールドストーンのお皿なんてあったら欲しいですね!

  2. この度は摩訶不思議なゴールドストーンですね。
    ブログを読むに連れ鉱石概念より離れていきます様に思えます
    然りながら鉱石にあって宝石ではない…製造は安易にあっても価値はある。
    屈折率の低いガラス光沢…それは金剛光沢の様な天然ではない既製と云う事からなのでしょうか。

    • ありがとうございます♪
      ゴールドストーンは人工石で宝石でもないですし、希少でもないのですが、誕生日石に選ばれているのと石屋さんに置いてあるのを見るので取り上げてみました。
      ステンドグラスのようにうっすら着色してある物とちがって透明度ないガラスですね。
      金属イオンが強いのでしょう。
      最近、美術館やデパートなどで、「陶器に見えるけどガラス」という作品を拝見することがありますが、その先駆けなんでしょうね。
      ゴールドストーンの大きさにもよりますが光は殆ど通さないでしょう。
      金剛というのは金剛力士のことではなくダイヤモンドという意味なので、金剛光沢は透明度が高くて高い屈折率を誇るダイヤモンドやジルコンの光沢です。
      ゴールドストーンは力強いので金剛力士像を作ったらカッコ良さそうな気がします

  3. この名前なのにゴールドでもストーンでも無い、というのが面白いですね。
    人工的な石だというので近年のものかと思ったら18世紀ですか。
    しかも偶然の産物なのですね。
    銅はイオンになると青いですが、こちらには粉末で入る、だから銅の色が出るんですね。銅は黄銅(ニッケル)だと黄色っぽいし、いずれも金色にキラキラしているとなったら、綺麗だし縁起が良い感じですね(^^)

    • ありがとうございます♪
      宝石名などを付ける時、鉱物の成分から取ったり、発見者や地名から取ったりすることもありますが、「だったらいいな」のような願望から付けることもあるようですね(笑)
      他にもハーキマーダイヤモンドなんていう物もあります。
      勘違いされやすくゴールドストーンを天然石だと書いて売っている所もあるようです。
      キラキラが残っている銅は銅合金でしょうね!
      融点を高くして作っているのでしょう。
      写真のようなガラスのネックレスは重そうですから、ゴールドストーンは置物に合いそうな気がします。

  4. ゴールドストーン、キラキラが力をつけてくれそうです。
    安価で褪色しないのは嬉しいです。
    茶金石の全体の色とつぶつぶは銅で、紫金石の全体の色はマンガン、つぶつぶは銅と考えてよいでしょうか?
    今はどこででも作れるけど、昔からの伝統で、作る職人や企業が多いのがゴールドストーンの産地でしょうか。
    金砂石(ゴールドストーン)と砂金石(アベンチュリン)、どちらも金が入っていないし、紛らわしいですね。

    • ありがとうございます♪
      褪色しないのはガラスの魅力ですね!
      つぶつぶは銅のようですね。
      銅の種類によって融点が違うことを利用しての製法なんでしょうけれど
      偶然から工芸品が生まれるなんて素敵ですね!
      金砂とか砂金、、、勘違いして買ってしまう人もいるかもしれません。
      紛らわしいというか詐欺のような名前ですね(笑)

  5. 世界で一番好きな都市のベネチア、ムラノでグラスを買ったことあります。ゴールドストーンは、そこで生み出されたのですね!イタリア職人の美的センスは突出していますね‼︎

    • ありがとうございます♪
      ベネチアお好きなんですね!
      私は行ったことがありませんが水の都の映像は何度か見ていて素敵だなと思います。
      現地でグラスを買ったなんて貴重です。
      イタリア人のセンスは昔からいいのですね!

コメントを残す

クリスタルの関連記事
おすすめの記事