(60)『古事記』「アマテラス」による地上統治計画④「雉の頓使」
キジ
前の記事(59)「アマテラス」による地上統治計画③「アメノワカヒコ」
次の記事(61)「ワカヒコ」の葬儀「アジスキタカヒコネ」

「アマテラス」による地上統治計画④
「雉の頓使(キジのヒタヅカイ)」

これまでのあらすじ

アマテラス」は「葦原中国は自分の息子に治めさせたい」と言い出し、まず「ホヒ」を派遣しました。

しかし「ホヒ」は「オオクニヌシ」に取り込まれ、何の報告もしませんでした。

そこで次に「ワカヒコ」を送りました。

ワカヒコ」は地上で恋に溺れ、職務を忘れてしまいました。

 多くの神に「アメノ」が付いており、似た名前になってしまうので文中では抜くこととします。

・「ホヒ」は「アメノホヒ
・「ワカヒコ」は「アメノワカヒコ
のことです。

「アマテラス」による地上統治計画④
「雉の頓使(キジのヒタヅカイ)」

タカミムスビ

「古事記」におけるこの部分

この箇所は天と地で繰り広げられるダイナミックなお話しです。

少しでも分かりやすくなればと思い図を作ってみました。

参考になれば幸いです。

この記事に出てくる神々と時系列と場所
アマテラス」は「タカミムスビ」や他の神々を集めて

アマテラス
「ワカヒコ」は地上に行ってから随分経つのに戻って来ないのよ(怒)。
何で戻って来ないのか、誰に聞きに行かせたらいいかしら?
と、問うと

オモイカネ」が

オモイカネ
鳴女という名前の雉に行かせましょう。
と言い、雉を呼んで

オモイカネ
地上の「ワカヒコ」の所に飛んで行って
「荒ぶる神々を説得に行かせたのに、何故長い間帰って来ないのか」
と聞いてきなさい。
と命じました。

雉は早速、地上の「ワカヒコ」の所に行き(上の図①)

キジ
荒ぶる神々を説得に行かせたのに、何故長い間帰って来ないのか?
と聞きました。

すると、「ワカヒコ」と一緒に聞いていた「サグメ」という巫女が

サグメ
この雉の鳴き声って不吉です。
すぐに殺した方がいいですよ。
と言いました。

サグメ」とは「天佐具賣(アメノサグメ)」という巫女です。
天の探る女」という意味で、隠密なことを探り出すために高天原から「ワカヒコ」と一緒に地上に来た巫女だと思われます。
ワカヒコ」は地上に来る時に持たせてもらったで雉を殺しました。(上の図②)

するとその矢は雉を射抜き、高天原まで飛んで行きました。(上の図③)

高天原で「タカミムスビ」が矢を見ると、血がついていました。

タカミムスビ」は高天原の神々に血を見せウケイをします。

ウケイ」とは簡単に言えば占いの一つです。
〇〇なら△△になる、✖️✖️なら□□になる
とあらかじめ決めて誓約し、どうなるかによって神の意思や物事の正邪を判断する方法です。
タカミムスビ
もしもこの血のついた矢が、地上統治のために使われた物なら「ワカヒコ」に当たるな。
しかしもしも「ワカヒコ」が命令に背いているなら「ワカヒコ」に当たれ。
と言って、地上に突きかえしました。(上の図④)

すると矢は地上で寝ていた「ワカヒコ」に当たり「ワカヒコ」は死んでしまいました。(上の図⑤)

この時の雉は高天原に帰ってくることがありませんでした。

諺の「雉の頓使」というのはこの話が元になっています。

雉の頓使」とは行ったきり戻って来ない使いのことです。

はるさん的補足
「あまのじゃく」の由来となった
「サグメ」と「ワカヒコ」

西本願寺の「天邪鬼(アマノジャク)」(京都府)
あまのじゃく」という言葉がありますね。

現代では、他者(多数派)の思想・言動に逆らうような言動をするひねくれ者

という意味で使われます。

しかし元は「天邪鬼(アマノジャク)」という人の心を察してからかう妖怪や小鬼のことでした。

その語源と言われているのが、「サグメ(天佐具賣アメノサグメ)」と「ワカヒコ(天若日子アメノワカヒコ)」です。

サグメ」は本来悪者ではなかったのですが「ワカヒコ」に余計なアドバイスをしたことから「天の邪魔をする鬼」つまり「天邪鬼」になったと言われています。

また、「ワカヒコ(天若日子アメノワカヒコ)」の「」の字が「ジャク」とも読めることから、「ワカヒコ」が「天邪鬼」だという説もあります。

これまでに完成している記事

これまでの記事はこちらからご覧ください。

上巻中巻



にほんブログ村

前の記事(59)「アマテラス」による地上統治計画③「アメノワカヒコ」
次の記事(61)「ワカヒコ」の葬儀「アジスキタカヒコネ」
おすすめの記事