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「ウケイ」によって高天原に残ることを許された「スサノオ」は、調子に乗って乱暴な振る舞いをしました。
「アマテラス」は怒って天岩戸に閉じこもってしまいます。
すると高天原も地上も真っ暗になってしまい、災いも起きるようになりました。
そこで「オモイカネ」を中心に「アマテラス」を引っ張り出す大作戦「天岩屋祭り」が計画されます。
その時に祝詞を唱えた神が「アメノコヤネ」です。
「天児屋命」
アメノコヤネノミコト
アメ、、、、天の、高天原の
コヤネ、、、小さな屋根(託宣の神の居場所)
、、、又は、祝詞を美しく奏上する
ミコト、、、神
つまり「アメノコヤネ」は
「神のお告げを聞き取り、神に祈り捧げる天の神」ということになります。
八百万の神にとっても「神」という存在があったことがわかりますね。
①「天岩屋」で祝詞をあげる
天岩屋に閉じこもった「アマテラス」を引っ張り出すという作戦では、まず神事を行いました。
その時に「アメノコヤネ」が祝詞を唱えます。
その祝詞は「アマテラス」の偉大さや美しさを目一杯誉めて、気分良くさせる内容だったと言われています。
②「天孫降臨」の場面
「アマテラス」の孫「ニニギ」が地上に降臨する時に「ニニギ」に随伴します。
そして中臣連(ナカトミムラジ)の祖先になった、と記されています。
祝詞を唱えるというのは、
神の働きに感謝し賞賛する言葉を申し上げ、さらなる幸運をもたれせる行為です。
言霊は呪力を持ち、人の心を動かして良いことも悪いことも含めて色々な形で表れるとされています。
「天岩屋神話」は言霊信仰のルーツと言われており
「アメノコヤネ」は「言霊・祝詞の神」となりました。
中臣は神と人との間を取り持つという意味です。
中臣氏は宮廷の神事を総括して、政権の中で大きな影響力を持っていました。
神武天皇が「アメノコヤネ」を東大阪の枚岡(ヒラオカ)神社に祀らせたのが始まりと言われています。
(初代天皇である神武については後日別記事にします。)
後に中臣氏は藤原氏となり、春日大社に勧請(カンジョウ)され、春日神と習合されたことから「春日さま」とも呼ばれるようになりました。
「春日さま」は奈良の春日大社など全国の春日神社に祀られています。
日本では
・仏神の霊や像を寺社に新たにむかえて奉安すること
・神仏の分身・分霊を他の地に移して祀ること
を指します。
神道では神霊は無限に分けることができ、分霊しても元の神霊に影響はなく、分霊も本社の神霊と同じ働きをし、同じご利益を得られるとされています。
例えば全国にある春日神社の総本社は春日大社で、あちこちにある稲荷神社の総本社は伏見稲荷大社ですが
近所の春日神社は春日大社と、近所のお稲荷さんも伏見稲荷も同じ働きをし、同じご利益があるということです。
ありがたい限りですね。
なお、勧請は本来は仏教用語でしたが、神仏習合により「神仏の霊を迎えて祈願」を指すようになりました。
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(26)『古事記』祝詞と言霊の神「アメノコヤネ」
これまでのあらすじ「ウケイ」によって高天原に残ることを許された「スサノオ」は、調子に乗って乱暴な振る舞いをしました。
「アマテラス」は怒って天岩戸に閉じこもってしまいます。
すると高天原も地上も真っ暗になってしまい、災いも起きるようになりました。
そこで「オモイカネ」を中心に「アマテラス」を引っ張り出す大作戦「天岩屋祭り」が計画されます。
その時に祝詞を唱えた神が「アメノコヤネ」です。
「アメノコヤネ」とは
「アメノコヤネ」を名前から考える
「古事記」での漢字表記「天児屋命」
アメノコヤネノミコト
アメ、、、、天の、高天原の
コヤネ、、、小さな屋根(託宣の神の居場所)
、、、又は、祝詞を美しく奏上する
ミコト、、、神
つまり「アメノコヤネ」は
「神のお告げを聞き取り、神に祈り捧げる天の神」ということになります。
八百万の神にとっても「神」という存在があったことがわかりますね。
「アメノコヤネ」が登場する場面
「古事記」に「アメノコヤネ」が登場するのは2箇所です。①「天岩屋」で祝詞をあげる
天岩屋に閉じこもった「アマテラス」を引っ張り出すという作戦では、まず神事を行いました。
その時に「アメノコヤネ」が祝詞を唱えます。
その祝詞は「アマテラス」の偉大さや美しさを目一杯誉めて、気分良くさせる内容だったと言われています。
②「天孫降臨」の場面
「アマテラス」の孫「ニニギ」が地上に降臨する時に「ニニギ」に随伴します。
そして中臣連(ナカトミムラジ)の祖先になった、と記されています。
神としての「アメノコヤネ」
言霊・祝詞の神
「天岩屋神話」では「アメノコヤネ」は神霊に憑依されていたとも言われています。祝詞を唱えるというのは、
神の働きに感謝し賞賛する言葉を申し上げ、さらなる幸運をもたれせる行為です。
言霊は呪力を持ち、人の心を動かして良いことも悪いことも含めて色々な形で表れるとされています。
「天岩屋神話」は言霊信仰のルーツと言われており
「アメノコヤネ」は「言霊・祝詞の神」となりました。
中臣氏・藤原氏の祖神
「アメノコヤネ」は中臣氏の祖神となりました。中臣は神と人との間を取り持つという意味です。
中臣氏は宮廷の神事を総括して、政権の中で大きな影響力を持っていました。
神武天皇が「アメノコヤネ」を東大阪の枚岡(ヒラオカ)神社に祀らせたのが始まりと言われています。
(初代天皇である神武については後日別記事にします。)
後に中臣氏は藤原氏となり、春日大社に勧請(カンジョウ)され、春日神と習合されたことから「春日さま」とも呼ばれるようになりました。
「春日さま」は奈良の春日大社など全国の春日神社に祀られています。
はるさん的補足 日本の勧請とは
勧請(カンジョウ)という言葉が出てきたので、簡単に説明します。日本では
・仏神の霊や像を寺社に新たにむかえて奉安すること
・神仏の分身・分霊を他の地に移して祀ること
を指します。
神道では神霊は無限に分けることができ、分霊しても元の神霊に影響はなく、分霊も本社の神霊と同じ働きをし、同じご利益を得られるとされています。
例えば全国にある春日神社の総本社は春日大社で、あちこちにある稲荷神社の総本社は伏見稲荷大社ですが
近所の春日神社は春日大社と、近所のお稲荷さんも伏見稲荷も同じ働きをし、同じご利益があるということです。
ありがたい限りですね。
なお、勧請は本来は仏教用語でしたが、神仏習合により「神仏の霊を迎えて祈願」を指すようになりました。
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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