(12)『日本神話タロット』調停 (節制)「キクリヒメ」白山比咩神社
節制 「調停」
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(12)『日本神話タロット』調停 (節制)「キクリヒメ」

(11)までのあらすじ

仲良く「国生み」「神生み」を行なってきた「イザナギ」と「イザナミ」。

しかし「カグツチ」を産んだ時に負った火傷が原因で「イザナミ」は「黄泉の国」に行きます。

イザナミ」を恋しく思った「イザナギ」は「黄泉の国」に行き、「イザナミ」を連れ戻そうとします。

しかし「イザナミ」を怒らせてしまい、「イザナミ」の追っ手たちに追いかけられます。

イザナギ」は「黄泉比良坂」を逃げ、無事「生の国」に辿り着きました。

イザナミ」と「イザナギ」は和解し、「イザナミ」は「黄泉の国の女王」に、「イザナギ」は「生の国」でますます活躍することとなります。

今回は「イザナギ」と「イザナミ」の喧嘩を収めたとされる「キクリヒメ」についてのお話しです。

(「ククリヒメ」としてご存じの方もいらっしゃると思いますが、ここでは「キクリヒメ」で統一します。)

『日本神話タロット 極参』調停 (節制)「キクリヒメ」

菊理姫尊像(青木哥彦画)

「節制」のカードの意味

正位置

調和、自制、節度、調合、献身

逆位置
浪費、消耗、不摂生

『日本神話タロット 極参』節制「キクリヒメ」の解説文(写し)

(キクリヒメは)黄泉比良坂で揉めているイザナギとイザナミを仲裁した神で、縁結びの神ともされています。

赤と白の盃に入った水は混ざりあい一つのものになります。

キクリヒメの名前は、物をまとめる「くくる」という言葉からきているとも、「聞き入れる」が転じたものとも言われています。

参考記事

「キクリヒメ」とは

「キクリヒメ」が登場する場面

キクリヒメ」は「日本書紀」の一書(アルフミ)に一度登場する女神です。

日本書紀」の「一書」とは、外伝や異聞を追加して書かれた物です。

「一書 1〜」のように幾つもの異聞を載せている箇所もあり、「日本書紀」が各地の言い伝えを正確に余すところ無く伝えようという意図を持って編纂されたことを物語っています。


古事記」や「日本書紀」の本書には「キクリヒメ」は出てきません。)

「慶長 日本書紀」「東洋文庫」所蔵
場面は「イザナギ」が「黄泉比良坂」を逃げ切り 「千曳の岩」を置いたところです。

一書には
(「黄泉比良坂」で)
イザナギ」が
「私が悲しくなってイザナミを連れて帰りたくなってしまったのは、私が弱いからだ」
と言うと
イザナミ」は
「私はあなたと共に多くの国や神を生みました。もうこれ以上生むことはできません。私は黄泉の国に留まります。一緒に帰ることはできません。」
と言います。

その時に「キクリヒメ」が何かを申し上げたそうです。

すると「イザナギ」はそれを聞いて(納得して)その場を去られた、とあります。

キクリヒメ」が何を伝えたのかは書いてありません。

「キクリヒメ」はどんな存在か

キクリヒメ」は「黄泉の国」の姫であったことは間違いありませんが、登場するのが1箇所なので想像するしかありません。

どんな神だったかを知る上で大切なのは「キクリヒメ」の語源です。

語源について諸説ありますが3つ紹介します。

①菊の花の古名「「クク」→「ココロの神」とする説

キクリヒメ」は漢字で「菊理姫」と表記されています。

菊は古名を久々(クク)といい、その発音が「ココロ」に似ているところから「ココロ(を取り持つ)の姫」とする説があります。

②物をまとめる「くくる」から「仲介の神」とする説

言い争いを括(くく)って取りまとめた姫」という説です。

イザナギ」と「イザナミ」の激しい喧嘩を収めたのですからもの凄い仲介力です。

③「聞き入れる神」という説

双方の主張を聞き入れた姫」という説です。 これも意味は仲介ですが、語源が「キキイレル」です。

「キクリヒメ」を祀る神社

石川県の霊峰「白山」
写真は「白山市観光・旅行情報サイト うらら白山人」さんよりお借りしました。

キクリヒメ」は「縁結び」や「商談成立」の神として「白山比咩(シラヤマヒメ)」と同一とされ、全国の「白山神社」に祀られています。

その総本山は「加賀一の宮」である「白山比咩神社」です。

キクリヒメ」が「白山比咩」となった経緯は不明ですが北陸地方を中心に信仰されたようです。

はるさん的補足

キクリヒメ」は「イザナギ」と「イザナミ」にご意見できたことから考えると、相当な身分であったことは確かでしょう。

ですから、たくさんいる2人の子供たちの一人と考えるのが自然かもしれません。

それも普通の子供ではなく、激しい夫婦(兄妹)喧嘩を収め「イザナギ」から褒められるのですからシャーマン的要素の強い子供だったのではないでしょうか。

キクリヒメ」が何かを言って納得させたというよりは、呪術的な物や神聖なオーラで平和に導いたと考える方が正しいように思います。

日本書紀一書」にたった一行しか登場しないので想像力を掻き立てられる存在です。

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中巻(神武天皇から応神天皇)

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