『アフタータロット』とは
「アフタータロット」は「ウェイト版タロットカード」の少し後を想像して描いたカードです。(2016年 イタリア・LO SCARABEO社製)
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[世界]の『アフタータロット』
[世界]の
『アフタータロット』の解説書
*はるさん的和訳*
「世界」のカードは、「人生のスパイラルダンス」が決して終わらないことを示しています。と、同時に、次の周回が始まる「招待状」でもあります。
若い女性が、巨大な月桂冠の中で空中に浮かんで踊っています。
白い雲が「ペンタクルス、カップ、ワンド、ソード」の四つのスートのエンブレムと共に彼女の周りに渦巻いています。
参考記事
[世界]の『アフタータロット』
*はるさん的見解*
前後のカードから考える
解説によると、「世界」のカードの女性は終わらない「人生のスパイラルダンス」を踊っているそうです。
をこで、前後のカードとの繋がりを考えてみましょう。
前のカードは「審判」でした。
どのような 結果にせよ、「結論」が出たのです。
出した「結論」が満足のいくものなのか、やり直したいものなのか「世界」のカードで気持ちが定まります。
そして次のターン、「愚者」に行き、再び旅が始まるのです。
女性の右手が上がった
解説によると、女性は空中を回転しているので、自然に手が上下することもあるかもしれません。
しかし、作者が意図的にポーズを変えたとも考えることもできるでしょう。
「アフタータロット」には、右手を挙げているカードが何枚かあります。
「魔術師」「女帝」「隠者」「悪魔」「星」「世界」です。
彼らは、ヘルメス・トリスメギスの
「上(神の造る理想郷)にあるごとく下(俗界)にあれ」という言葉を体現しています。
また、彼らは「神からのメッセージを受け取り、宇宙と繋がれる」高いコミュニケーション能力の持ち主であるといえるでしょう。
四隅の動物や天使が、四つのスートに変わった
「ウェイト版」には「天使、鷲、獅子、牡牛」が描かれていました。
「運命の輪」で彼らは本を読んで勉強をしていたのですが、「世界」では完成されていたのです。
「ウェイト版」の「世界」には「人が神になるような壮大な世界観」が描かれていました。
完成された四つの生き物が、女性を守っているようにも見えます。
それが「アフタータロット」では四つのスートに変わりました。
西洋では、四つのスートは「地、水、風、火」を表す四大元素と言われます。
この女性に「スートを活かして、存分に生きなさい。それが真の自由だよ。」
と、新たなターンに送り出しているように感じます。
「世界」を数字から考える
「世界」は21番のカードです。
「21」という数字
「21」には、「これから新しい道に進む」という意味があります。
今までの経験を生かして、次のことを始めるいいタイミングです。
解説にもありましたが、「世界」のカードは「完成」と同時に「出発」なのです。
2+1=3 「3」という数字
21をバラバラにして合計すると、「3」になります。
数字の「3」は完結、創造性、発展を象徴します。
と同時に、「3種の神器」のように、区切りを表す数字でもあります。
「3」番のカードは「女帝」です。
また、「12」番の「吊るされた男」も合計すると「3」になります。
「女帝」は 「誰かに愛されること」「豪華な衣装」「豊穣」といった外的生産性、
「吊るされた男」は、最後に水をくださった人はいたものの、あくまで自分を探求するという内的生産性を求めたカードでした。
「世界」ではそれらを融合し、内側で構想されたことが外側にも反映される、完全なる自己実現を達成できました。
内面と外面(現実)が一致したと言えるでしょう。
「世界」と「魔術師」を比較する
「アフタータロット」の「魔術師」と「世界」には多くの共通点があります。
四つのスート、人物の手の位置、右手に持っているバトン。
ヘビのウロボロス、無限大♾のマーク(「世界」のカードでは花輪の上下にある赤いリボンのような物)。
彼らは四つのスートを使いこなせる人物です。
そして、宇宙と繋がれる高いコミュニケーション能力も持っています。
また、彼らは新しい流れを作ることができる人物でもあります。
しかし、「魔術師」には無限大♾マークが上部にしかありません。
無限大♾マークは
上部:天からの流れを受け取る (物質世界)
下部:天と逆流する地の流れを受け取る (精神世界)
を象徴すると言われています。
「魔術師」はバトンも右手にしか持っていませんが「世界」の女性は両手に持っています。
「世界」の女性は回っているので、裏側も向くでしょう。
このことから、「世界」は「物質世界と精神世界」「表と裏」「陰と陽」全てがバランスよく描かれていると言えます。
「世界」の「アフタータロット」に込められたメッセージ
ここまで、さまざまな視点から「世界」について考えてきました。最後に「アフタータロット」で作者が最も言いたかったことについて考えてみましょう。
「ウェイト版」はキリスト教色が強かった
「ウェイト版」の四隅に描かれているものは、キリストの主要な使者の象徴と言われています。*天使:マタイ
*牡牛:ルカ
*ワシ: ヨハネ
*獅子: マルコ
けれども「アフタータロット」ではスートに変わりました。
「ウェイト版」を尊重しつつ、世界中の人に少しでも受け入れられやすい物を作りたかったのではないでしょうか。
「マンダラ」の形は世界共通
タロットカードを知らない人が「運命の輪」や「世界」のカードを見たら、マンダラを思い浮かべるのではないでしょうか。 マンダラは仏教(密教)用語ですが、サンスクリット語で円という意味です。ユングによると
「円や楕円形は自分の中の対立する様々な感情を統合する形。国や民族を超えて人類全体に共通して存在するもの」
だそうです。
大アルカナの最後のカード「世界」にはまさに「タロットカードが国や民族を超えて愛され、人々をいい方向に導いたり、励ましたりする存在でありたい」という願いが込められているように思います。