[死神] AFTER TAROT『アフタータロット』
「死神」のカード 左がウェイト版 右が「アフタータロット」

『アフタータロット』とは

「アフタータロット」は「ウェイト版タロットカード」の少し後を想像して描いたカードです。
(2016年 イタリア・LO SCARABEO社製)

詳しくはこちらをご覧ください

[死神]の『アフタータロット』

添付の解説書

[死神]の
『アフタータロット』の解説書
*はるさん的和訳*

「死神」は変遷のカードです。

「死神」こと、グリム・リーパー(グリムは「吊るされた男」のモデルとされるオーディンの別名)が「人生の戦場」を行進しています。

(※グリム・リーパーは「死神」と訳しますが、神ではありません。)

彼は偉大な者も小さな者も同様に犠牲にしました。

強大な力を持っていた皇帝も、権力を誇っていた教皇も地面に倒れました。

そして、純粋な子供も、悲しみにくれる彼女の母親の腕の中で息絶えました。

遠くには「人生の川」が「永遠の海」に流れています。

参考記事

[死神]の『アフタータロット』
*はるさん的見解*

時間的経過

「死神」の「アフタータロット」は、帆船の進み方や太陽の昇り方から見て、数分後を描いているようです。

数字から考える

「死神」は13番のカードです。「13」という数字は不吉な数字として扱われます。

理由は色々ありますが、主なものを挙げると

北欧神話では12人の神が祝宴をしていたところに、招かれざる客ロキが乱入。
トラブルに発展した。
(この話を元にキリスト教神話において、サタンを13番目の天使と設定したと言われています。)
●聖書においてイエス様を裏切ったユダは、最後の晩餐で13番目の席についたとされている。
●キリストの処刑が13日の金曜日にされたと言われている。

まさに「死神」にぴったりな数字です。

「最後の晩餐」レオナルドダビンチ 1495〜98
また、「13」の1のくらいと10のくらいを足すと「4」。タロットの「4」は皇帝です。

死神が乗っている馬の足元に王冠が転がっているところを見ると、皇帝も死神の元で死んでしまったようです。

色の変化から考える

色が表すイメージ

青:神の領域
黄色:天国、神と人間の間
灰色:俗世間

背景の色が灰色から黄色みがかった色に変化しました。

「ウェイト版タロット」では、まだ俗世界にいる状態だから背景は灰色、「アフタータロット」では一段上がって精神的に天国に近づいたので背景は黄色みを帯びたのかもしれません。

反対に子供の服や川の色は青から黄色みがかってきました。

子供であっても皇帝であっても、「人生の川」であっても、「死神」の元には平等だということでしょうか。

「ウェイト版タロット」では「教皇」や子供は死なないで済んでいましたが、「アフタータロット」では亡くなっています。

信仰心があっても、純真無垢であっても死ぬ時は死ぬのだ」と言いたいのかもしれません。

残されたお母さんが気になりますが、、、。

「死神」のモデルから考える

「死神」のモデルは新約聖書の「ヨハネの黙示録」に出てくる四騎士の「第四の騎士」だと言われています。

青白い馬に乗った「死」の騎士です。

「四騎士」ガイコツが「第四の騎士」
「第四の騎士」はこの絵のように大鎌を持って描かれることが多いようです。

彼は疫病や野獣を用いて地上の人間の4分の1を死に至らせる力を持っていました。

下の表に四騎士の特徴が書かれています。

「第四の騎士」は1番下です。
翻ってタロットカードを見てみると、「死神」は大鎌ではなく「白いバラが描かれた旗」を持っています。

白いバラは「純粋さと生命力」の象徴です。(「死神」が持っていても)

この絵の中で、生き残ったのはお母さんだけですが、また子供を産む?などして生命を存続させていくのでしょうか、、、。

いつか立ち直って、「生まれ変わるチャンス」をものにして欲しいです。

ちなみに「ペンタクルスの4」の「アフタータロット」に出てくるもののほうが、「第四の騎士」らしく見えますね。
消えたホルン

ホルンは「魂を導く復活のラッパ」です。

「アフタータロット」には、ホルンが描かれていません。

ですからお母さんの状況が、より一層悲しく、絶望感でいっぱいに見えます。

帆船が進んでいる

例えとても悲しいことがあって、「この世の終わりだ」と感じても、世界は回っています。

流れる水は状況の変化を表し、進む船は意識の変化を表します。

お母さんの意識が、いつかは前向きになることを暗示しているのだと思います。

太陽が昇り、雲が出てきた

太陽が昇っているのは、「それでも生きていかなくてはならない」と、お母さんに言っているように思えます。

「雲」はタロットカードに度々登場します。 「上からの啓示」を表すアイテムです。

このカードの場合、「どんな人にでも死は平等に訪れる。でも生き残った人は頑張って生きなさい」ということでしょうか。

[死神]のカードの運勢とクリスタル

にほんブログ村
コメント一覧
  1. 甲羅干しさんコメント (はるさん代筆)

    子供の顔がコミカルでちょっと笑いを誘いますね。
    象徴としての「死」なので幼児性からの脱却という捉え方でいいと思います

    • ありがとうございます♪
      おむつが取れたなど、の意味かもしれませんね!

  2. よしちゃんコメント (はるさん代筆)

    ある意味、最もタロットカード「らしい」一枚なのかもしれません。外見がドクロなのでとてもオドロオドロしいですが、彼自身は職務を遂行しているだけなので、あまり嫌うのはちょっと気の毒かもしれません。
    数字の13は(不吉とかはともかく)分解して足すと4、安定のために能動的に動く、、、収まるべきものを収める役割を表す者、ということでしょうか。
    肉体を持つ以上、この世にいる全員が彼のお世話になります。

    • ありがとうございます♪
      キリスト教の考え方では、煉獄という場所で、死んでから、しばらくいて、許されて天国に行くか地獄に行くか決定される場所があるようです。
      そうすると、収まるべきものを収める役割を表す者でぴったりですね。
      ただ、こんな姿の案内役は嫌ですね。

  3. よしちゃんコメント(はるさん代筆)

    はるさんに解釈の中でホルンが気になりました。
    ホルンやトロンボーンなどは人の声に近い音色だとか聖なる音だとか、あとは神の啓示として楽曲の中で使われたりしていますね。天使がラッパを吹き鳴らしたりもしますし。
    復活を司ったり暗示する物でしょうか。
    あと。金貨の4にも死神は出演しているんですね。
    金貨を必死で抑えている彼の心の中にある物かもしれません。
    金貨を貯め込んでもあの世には持っていけないという自覚とか。
    色々書きましたが、幼い子供がお母さんと無理矢理引き離されて連れていかれるのは嫌ですね。

    • ありがとうございます♪
      絵画ではガブリエルがラッパを持っていることが多いので、神の声とかの場面で使われるようですね。
      金貨の4はケチンボ男を本当に地獄に連れて行きそうな勢いを感じます。
      彼に自覚があって、どこかに寄付などしたら、許されるかもしれませんね。
      子供が死神に連れて行かれるのは、耐え難いですね。
      でも、実際そういうこともありますよね。

  4. 小鳥遊さんコメント (はるさん代筆)

    ちょっと視点を変えての解釈にチャレンジしてみました。
    まず、この死神のいる世界を考えると、遠くに門が見えます。
    門は特定の場所を隔てる象徴。
    死神のいる世界は魂が召される「死の直前の世界」そして
    門のあちら側が「生の世界」です。
    このカードに登場する者はすでに「生の世界」ではなく、肉体は死んでおり、魂が召されるのを待つ身なのです。
    ウェイト博士の解説で法衣の僧は「死を待ち構えている」と書かれています。
    僧の顔には血が流れ、苦しみの肉体からの魂が召されるのを待ち構えている。
    そして
    元カードでの母親に注目すると、彼女は覚悟して首を差し出しています。
    つまり、肉体の死を知り、魂のお迎えを待っている様子。

    • アフタータロットでは、母親以外、みんな死んでしまってちょっと悲しいです。母親の悲しみも子供が死んでいかばかりでしょうか。
      死神は、お仕事をしているだけで、どんな人も死ぬことを表現しているということは理解できます。とは言うものの、希望がなく、悲しみを感じてしまうカードで、あまり引きたくないです。
      もし、子供の死が象徴としてなら、ちょっと救われる気がします。
      ウェイトタロットの方がまだ、強権な皇帝だけ死んで、未来に向かっているようなので、希望が持てます。
      一方、仰るようにウェイト博士の意向にそった解釈で、肉体が死んで魂が召される先を待っているのなら、まあ、引きたくはないですが、魂が天国に行った人と再会できると思えば、ちょっと気が落ち着きます。

      • ご丁寧にありがとうございます♪
        見た目のインパクトは絶大ですよね。笑
        さらにアフタータロットは酷いインパクトですね。
        キリスト教の死生観がよくわかると、このカードの見方が変わるのでしょうね。
        魂が復活するなら、幸いという「再生」のカードとなりますね。

    • ありがとうございます♪

      聖書に煉獄という場所が出てきますので、そこかもしれませんね。
      地上ではなく、いったん肉体が死んだ人たちが行って、審判を待つようですね。
      魂が召されるのはその後だということですね。

  5. 小鳥遊さんコメントのつづき (はるさん代筆)

    ですがアフターでは。子が先に召されてしまい悲しみに暮れています。
    死を覚悟してもなお、子が先に召されるのは悲しいという母親の心情が出ています。
    アフターには描かれていませんが、ここはすでに死の手前の世界で、母親も死神が通り過ぎる時に神に召されるであろうと思います。
    そして彼らの死体が横たわる大地の向こうには木々が芽吹いています。
    彼らの肉体は土に帰りまた命となって再生することを表しているので、苦しみも悲しみもその死の元には思い煩う必要もないことを告げています。
    死神が乗る馬は「白馬」で光の神の乗り物。
    そして雲は神々の姿を覆う神聖なもの。
    つまりアフターでは死神は神の使いで、太陽が昇り、この世界が幸福へと導かれていくことを象徴します。

    • アフタータロットを見ると、生き残ったお母さんに目がいってしまうのですが、もうじきだと思うと、少しはいいかな。

      旗の「純粋さと生命力」は、「いい人間は地上に戻してあげよう」という主旨かもしれません。

      神の使いが死神の姿なのは嫌ですが、この世界が幸福へと導かれていくわけですね。

  6. 小鳥遊さんコメント続き (はるさん代筆)
    秘教哲学ではこのカードは「大いなる変革者の子ども」で大きなターニングポイントを示します。
    そして生命の樹との対応では美から愛へ至る24番目の小径に配置されています。
    死神は大アルカナで、最終カードでないので、この母親は神の恩恵を受け救われると私は読みます。

    • お母さんだけでなく、この絵の方々も救われそうということで、良かったです。
      魂の復活という形で。

      深い内容をわかりやすく解説してくださり、ありがとうございました。

  7. よく調べて書いてあるので勉強になります。はるさんありがとうございます。

コメントを残す

関連キーワード
おすすめの記事