【翠玉(スイギョク)白菜】故宮博物院が所蔵する「ヒスイ」の芸術品

翠玉白菜は虫(バッタとキリギリス)がとまった白菜の形に彫刻された19センチの美術品です。

作者は伝わっていません。

人工的な着色はされておらず、半分は白、半分は緑色のヒスイ輝石をうまく生かしています。

使用されたヒスイ輝石は中国の雲南省からミャンマーあたりでとれた物だと思われています。

ヒスイに亀裂があり、それが白菜の水みずさをうまく表しています。

バッタとキリギリス

バッタとキリギリスは子孫繁栄豊穣を表すと言われています。

バッタは少し色が薄い部分

キリギリスは緑色の濃い部分に彫刻されています。

白菜

白菜は清廉潔白めでたい兆しを意味するそうです。

翠玉(スイギョク)白菜について

この彫刻は、元々は光緒帝の側室である瑾妃(キンヒ)の住居、永和宮(紫禁城中)にありました。

瑾妃が嫁いだ1889年に初めて世に現れたことから、瑾妃の持参品と考えられています。

瑾妃について

瑾妃は光緒帝の側室の一人で珍妃の姉で

姪は愛新覚羅溥傑(光緒帝の甥で、宣統帝溥儀の同母弟)の先妻唐石霞です。

瑾妃 この写真はWikiからお借りしました

翠玉白菜は翡翠で出来ているのになぜ翠玉という名前か

翠玉(スイギョク)というと日本ではエメラルドの和名ですが、中国では翡翠(ヒスイ)のことを「翠玉」や「翡翠玉」といいます。

:カワセミの羽のような美しい「緑色」

:中国で古くから貴ばれてきた美しい石(美石・宝石)

ですから、翠玉でできた白菜で「翠玉白菜」と命名され

日本でもそのまま「翠玉白菜」といわれているのです。

翠玉白菜の成分

翠玉白菜はヒスイ輝石で出来ています。

ヒスイ輝石はナトリウム輝石の一種で珪酸塩鉱物です


💎参考記事 
「鉱物はどのように分類するか」化学組織から分類する方法と種類


ヒスイ輝石の化学組織は

NaAlSi2O6 

と表されます。

参考

Na:ナトリウム Al:アルミニウム Si:珪素 O:酸素

ヒスイ輝石の結晶系

結晶系は
単斜晶系に属します。

ヒスイ輝石の硬度

モース硬度 7

💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

ヒスイ輝石の劈開性

劈開は二方向に完全です

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?

ヒスイ輝石の靭性(割れにくさ)

ヒスイは微細な結晶の繊維状に集合した内部構造を持っているのであらゆる鉱物の中でも大変割れにくい鉱物です。

ヒスイ輝石の色

ヒスイの純粋なものは白色ですが

微量のクロムを含有すると緑色に

微量の鉄やチタンを含有すると紫色になります。

ヒスイ輝石 この写真はWikiからお借りしました

ヒスイ輝石の光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」 

ヒスイ輝石の石言葉

ヒスイ輝石の石言葉は

・長寿
・福寿
・安定
・知恵

です。

翠玉白菜 誕生日石

翠玉白菜は「366日宝石図鑑」で10/6の誕生日石に選ばれました。

翠玉白菜の持ち主だった瑾妃さまは1874年10月6日生まれです。

翠玉白菜を所蔵する故宮博物院

故宮博物院は台湾の台北市にある博物館です。

中華民国の国立博物館のうちの1つであり最大のものです。

2011年5月現在の収蔵品は約68万点です。

故宮博物院の至宝

故宮博物院には多くの至宝がありますが、翠玉白菜の他に特に有名な二つの至宝を紹介します。

俏色(しょうしょく)

翠玉白菜肉形石のように

異なる色を持つ鉱物を使って「葉」「花」「虫」「動物の目」「衣装の一部分」などに見立てて削り出すことで、人工的に色を付けたのではない、

自然のグラデーションを生かして驚くほど立体感と情緒のある作品に仕上げたものを俏色といいます。

天然の鉱物の唯一無二の模様と職人の超絶技巧によって生まれる傑作ですね!



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