【サーペンティン】(蛇紋石)「お守り」にも「柱」にも「原子炉」にも
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サーペンティンは一つの鉱物名ではなく、16種類以上の鉱物が属するサーペンティングループ」を指します。

世界各地で古くから産出されており、お守りとして大切にされています。

日本の埼玉県秩父市や高知県高知市でも採れ、各地の遺跡や古墳からも出土されています。

上の写真は千葉県の遺跡から出土された装飾品です。

石の種類が書かれていませんが、ヒスイサーペンティンが含まれているのではないかと思います。

サーペンティンについて

サーペンティン

サーペンティンとは

サーペンティンは蛇を連想させる独特の模様を持った鉱物のグループで、主に

アンチゴライト (葉蛇紋石)

クリソタイル (白石綿)

リザーダイト (きなこ石)

の3つの鉱物から形成されています。

サーペンティン

サーペンティンの色

サーペンティンというと緑色が思い出されますが、リザーダイトは黄色です。

また、青みがかった黒の物もあります。

ニッケルやクロムの含有量によって緑色や黄色の濃淡が変わってきます。

サーペンティンの名前の由来と和名

サーペンティンは蛇の皮のような模様を示すものが多いので、

ラテン語で「蛇のような」という意味の serpentinusから命名されました。

和名は直訳して蛇紋石や蛇紋岩です。

サーペンティンの成分

サーペンティンはカンラン岩 (宝石質の物はペリドット) と水の化学反応でできたと考えられています。

リザーダイトは地球の浅い、低温 (50〜300°) のところで

アンチゴライトは地球の深い、高温 (250〜500°) の場所で

クリソタイルリザーダイトアンチゴライトの間でくっつき合ったりして形成されます。

サーペンティンは600°を超えると再びペリドットと水に戻ることがあります。

サーペンティンは結晶構造が似ている鉱物のグループ名なので化学式は

 D3[Si2O5](OH)4 

Dの部分に Mg(マグネシウム) Fe(鉄) Ni(ニッケル) Mn(マンガン)Al(アルミニウム),Zn(亜鉛)が混ざり合って入ります。 

サーペンティンの活用

サーペンティンは大きな物も採掘されることから、大理石のように建築の装飾品として使われてきました。

東京都目黒区にある旧前田家本邸の洋館には2メートルを越す蛇紋岩の柱がありました!

ガイドさんによると岐阜県で採掘され運ばれたそうです。

サーペンティンには多くの結合水が含まれるので中性子を減速させる働きがあります。

そのため、原子炉のシールド(蓋の部分) に使われる特殊なコンクリートに混ぜ込まれることがあります。

経済産業省のhpから画像をお借りしました

クリソタイル(白石綿)は古くから不燃剤として世界中で利用されていましたが発ガン性物質であることがわかり、日本では2004年から使用が禁止されています。

サーペンティンの硬度

モース硬度 2.5〜4

💎参考記事

石の硬度を表す「モース硬度」

サーペンティンの光沢

樹脂光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

サーペンティンの石言葉

・魔除け

・厄除け

・旅の守護

・危険回避

・再生

・旅立ち

サーペンティン

サーペンティン 誕生日石

6/21

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石」 

サーペンティンの主な産地

・韓国🇰🇷

・ニュージーランド🇳🇿

・中国🇨🇳

・ミャンマー🇲🇲

・アフガニスタン🇦🇫

・日本🇯🇵

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コメント一覧
  1. みゆき より:

    サーペンティンは、身近な所にあって「お守り」にも「柱」にも「原子炉」にも…と用途が広いですねぇ。
    石言葉に、魔除けや厄除けや危険回避とあるのは、蛇を守護神ととらえてるからかもしれません。
    旅の守護や旅立ちなど人生の節目に置いておくと良い石かもね。グループ名なので大小様々で、2メートルを越すような蛇紋岩の柱があるんですね!

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      蛇は日本でも昔から神と崇めている(大神神社など)方が多いので、古墳などにも入れられたのですね。
      おっしゃる通り、脆い物から大理石のような物まであるので大きな物もありますね。
      日本だけでなく、世界中で柱や床の素材として使われているようです。

  2. 才色健躾 より:

    古より蛇は神としても崇められ蛇を連想させることによる埋葬品の一つにも理解適います
    また硬度も低いゆえ加工も安易ですね
    一つ理解できない事はペリドットの硬度は7.サーペンティンは2.5~4。
    化学式を拝見しニッケルの硬度5を主に硬い性質の集まりの割には硬度は低いですね
    水分量の関係なのでしょうか…

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます
      蛇は古くから世界中で神とされてきましたね
      日本でも大物主神などは蛇神とされています。
      (個人的に私は蛇が苦手ですけど)
      蛇の皮を美しいと思う方々は多くいらっしゃいます。

      ご質問を読んで硬度について調べてみました。
      生成時に割れ目が多くできる石は硬度が低くなるそうです。
      蛇紋石の場合低温で生成されるクリソタイルが最も硬度が低いそうです。
      クリソタイルは石綿が含まれるので脆そうですね。
      水が抜けてペリドットに戻るような石の場合には
      また硬度が高くなるのでしょうね。

  3. さゆ より:

    アンチゴライト、クリソタイル、リザーダイトなども、広義のサーペンティンと考えてよいでしょうか?
    旧前田家本邸の装飾用のサーペンティン、独特の模様が目を引きますが、運ぶの大変だったでしょうね。

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます
      アンチゴライトなどがサーペンティングループを代表する鉱物です。
      特にアンチゴライトは見た目が蛇の皮に一番近いように思います。
      前田家の洋館のサーペンティン、大きかったので運ぶのが大変だったでしょうね!
      しかも最初はは本郷の現在の東大の場所に建てて、その後
      建物を目黒にそっくり移したそうです。
      前田家の財力恐るべし(笑)

  4. ミカリン より:

    蛇紋岩の柱が旧前田家の柱に使われているのはすごいですね。魔除けの意味もあったのでしょうか?
    旧前田家、見学に行ってみたいです❣️

    • harusan0112 より:

      ありがとうございます♪
      前田邸は柱以外も何もかも豪華でした!
      駒場東大前からすぐなので行かれてみると楽しいと思います。
      魔除けの意味もあったかもしれませんね。

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