スファレライトの成分は硫化亜鉛です。
方鉛鉱、黄鉄鉱(パイライト)、黄銅鉱(チャルコパイライト)を伴って産出されることが多い亜鉛鉱石です。
宝石として扱われる物はダイヤモンド以上の強い輝きで注目されています。
スファレライトについて
宝石としてのスファレライトは
ダイヤモンドに匹敵する屈折率
ダイヤモンドの4倍の光の分散率
を誇る、眩いばかりの輝きが特徴です。
スファレライトの名前の由来と和名
スファレライトは鉛鉱山で方鉛鉱を採掘している時に共に採掘されることが多かったことから、
ギリシャ語で「まぎらわしい」という意味のsphalerosが語源となっていると言われています。
一緒に採掘されるだけでなく結晶の見た目も似ている
方鉛鉱は鉛の鉱石(人間の経済に役にたつ石)だけれど、
スファレライトは亜鉛の鉱石です。
亜鉛も人間にとって古くから使われている金属ですが、鉛を目的に採掘している方にとってはまぎらわしい存在だったのでしょうね。
和名は閃亜鉛石
閃光のように輝く亜鉛鉱という意味でしょう。
スファレライトの成分
スファレライトは亜鉛の硫化鉱物です。
鉄を含んだものも多い(最高26%)ため、化学式は
(Zn,Fe)S
スファレライトの色
・白〜黄色〜透明
純粋に硫化硫黄のみの場合は透明です。
しかし 他の元素が入らない物はとても稀です。
透明な物は「クライオフェン」とも呼ばれます。
・褐色〜黒
鉄分が多くなると、より黒くなります。
黒いスファレライトは「ブラックジャック」とも呼ばれます。
・ベッコウ色
鉄分が少ないと薄いベッコウ色になります。
「ベッコウ亜鉛」とも呼ばれます。
・強い赤
カドミウムか含まれると赤くなります。
カドミウムの含有量(最大5%)が高くなると赤みが強くなります。
・緑色
コバルトを少し含むと緑色になります。
スファレライトが強く輝く理由①高い屈折率
スファレライトが強い輝きを放つのは屈折率が高いからです。
屈折率とは光が空気中から物質の中に入り、通り抜ける間に折れ曲がる度合いのことです。
(この図は色石BANKさんのページからお借りしました。)
上の図はガラスとダイヤモンドの屈折率を比較した物です。
屈折率が高いほど光を反射するので、より輝くのです。
・スファレライトの屈折率は2.37〜2.43
・ダイヤモンドの屈折率は2.42
スファレライトは屈折率が高いことで有名なダイヤモンドと同じくらい高い屈折率を持つのです。
スファレライトが強く輝く理由②分散率の高さ
分散率というのは赤の光の屈折率と紫の光の屈折率がどれだけ違うかです。
分散率が大きいと分光した光の幅が大きくなるのです。
カットされた面に反射すると輝き(ファイアと呼びます)が生まれます。
・スファレライトは分散率が0.156
・ダイヤモンドは0.044
スファレライトはダイヤモンドの4倍もの分散率を持つのです。
スファレライトの硬度
モース硬度 3.5
💎参考記事
スファレライトはモース硬度(傷つきやすさ)も低い上に、割れやすい特徴があります。
そのため、強い輝きが美しいにもかかわらず近年まで宝飾品として扱われることが少なかったのです。
しかし最近ではカットや研磨の技術が向上したのでスファレライトのアクセサリーも増えてきました。
小さな宝石くらいなら問題はありませんが、硫化水素(温泉の匂いの正体)を発生することもあるので濡れた場合はすぐに拭き取りましょう。
スファレライトの光沢
金剛光沢
樹脂光沢
💎参考記事
スファレライトの石言葉
・調和
・安定
・屈強
・幻惑
スファレライト 誕生日石
無し
💎参考記事
スファレライトの主な産地
・スペイン🇪🇸
・カナダ🇨🇦
・アメリカ🇺🇸
・メキシコ🇲🇽
・中国🇨🇳
・かつては日本🇯🇵の新潟県や岐阜県の鉱山から採れました。
しかし 今は枯渇したり、採算が合わないという理由で採石されていないようです。